ふたりのセバスチャンによるワンツー

1年前のおなじラリー・ポルトガルでWRC初優勝を遂げた新鋭セバスチャン・オジエと前人未到、7年連続の絶対王者であるセバスチャン・ローブが駆るシトロエンDS3 WRCがワンツー・フィニッシュを果たした。

ラリー・ポルトガルの最終日となったデイ3にはすでに、3位に4分以上の差をつけて1、2位でスタート。この日の狙いは、ワンツー・フィニッシュを確実に決めることにくわえ、最終のパワーステージでボーナスポイントを獲得することだった。すこしウェットなコンディションでスタートしたパワーステージも、クルマが走るにつれ路面はドライに。ふたつの SS では、ペター・ソルベルグがトップをとったものの、最終SSで最速タイムを叩き出したのはセバスチャン・ローブ。セバスチャン・オジエも3位に入った。

最終的に優勝したオジエは「完璧な週末だった。初日をうまくコントロールし、ここぞというときにプッシュした。勝利から半年遠ざかって、ちょっとイライラしはじめていたから、今回のワンツー・フィニッシュ、そしてパワーステージでのポイント加算はチームにとって大きいね。これで気分一新だ。ラリー･メキシコではがっかりしたけど、このレースでポイントをしっかりゲットできたことで、年間チャンピオンへ向けた再スタートを切れる。全力でサポートしてくれたチームに感謝したい。この優勝をチームでよろこべることがなによりうれしいよ」と語った。

セバスチャン・ローブは2位でフィニッシュ。最終ステージでの追加ポイントもあって、その結果、20ポイントを獲得し、ドライバーズタイトル争いでミッコ・ヒルボネンとならんだ。

「僕たちの優勝の望みは、昨日消えてしまった。ミッコのマシンが巻き上げるダストのおかげで30秒ロスしたからね。だから2位を狙うしかなかった。パワーステージは厳しい戦いになるとおもっていたけど、ボーナスの3点をとれてよかった。僕たちにとってもチーム全体にとっても大きい結果だ。タイトル争いは熾烈になりそうだから、この3点はとても貴重だ」としている。

ラリーに同行したシトロエンのフレデリック・バンゼ ゼネラル・マネージャーは「1年前、WRC初優勝を遂げて天にも昇らんばかりのよろこびを爆発させていた。若きドライバー、セバスチャン・オジエは、ことしあらたな次元へと成長しています。今回の圧勝がなによりの証拠です。コンディションの悪さに泣いたローブも健闘し、シトロエンDS3 WRCは初のワンツー・フィニッシュを決めることができました。これはチーム全員の勝利であり、シトロエンを応援してくださる皆さんに胸をはってご報告できる結果です。ワンツー・フィニッシュをこれからもどんどんお見せできるよう、頑張っていきます！」とチームを讃えている。