ディスカバリー スポーツを初披露|Land Rover
Land Rover Discovery Sport|ランドローバー ディスカバリー スポーツ
新コンパクトSUV「ディスカバリー スポーツ」を初公開
ランドローバーから、「ディスカバリー スポーツ」が発表された。ニューヨークオートショーで公開された「ディスカバリー ビジョン コンセプト」のデザインモチーフを引き継いだ、新世代ディスカバリーの最初のモデルだ。
Text by OHTO Yasuhiro
次世代ディスカバリーの一番手
ランドローバーは、新型プレミアムコンパクトSUV「ディスカバリー スポーツ」を初公開した。このクルマは、ニューヨークオートショーにおいて「ディスカバリー ビジョン コンセプト」発表時に予告されたとおり、次世代ディスカバリー ファミリーのファーストモデルとなる。
あらたなディスカバリー ファミリーのデザインテーマは「レンジャー」。新モデルは、ひと目で“ランドローバー”とわかるプロポーションとしながらも、独特な六角形モチーフのグリルや、わずかに後方に向かって傾斜するルーフラインなどで、よりスポーティかつダイナミックなキャラクターを強めたという。
ボディはコンパクトにまとめられており、全長4,589×全幅2,173(ミラー部含む)×全高1,724mmというサイズ。現行「ディスカバリー」とくらべ、全長は239mm短縮されているが、ホイールベースを2,741mmとしたことで広々としたレッグルームを創出した。さらにタイヤを車体の四隅ギリギリに配置させることで、堅牢で踏ん張り感のあるイメージを視覚的に表現。もちろん、ボンネットの見切りの良さなど、これまでのランドローバー車のもつ美点はしっかりと継承されている。
ヘッドライトは周囲をLEDによるデイタイムランニングライト(DTRL)が囲うあらたなデザインを採用。このDTRLは上下左右に切れ込みがいれられており、冒険に不可欠なコンパス(方位磁針)を模したものだという。
デザインにあたっては、視覚的効果と同時に、パフォーマンスや燃費にかかわる空力特性にも徹底してこだわり、Cd値は0.36を誇る。あわせて風切り音対策もほどこされ、フロントガラスの枠にあたるAピラーやドアミラーの形状の工夫、さらにフロントガラスには吸音性のある特殊ラミネート加工をほどこし、車内への不快な音の侵入を防いでいる。
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新コンパクトSUV「ディスカバリー スポーツ」を初公開 (2)
追求されたスぺースユーティリティ
インテリアは、横方向に広がるインストパネルとセンターコンソールの大胆な縦のラインで構成。アルミとレザーを組み合わせ、クリーンかつモダンな空間を演出する。
全長は約4.6メートルしかないものの、シートは5+2構成とし、最大7名ぶんを用意。最大限のスペースを生み出すために、電気系統やリアのマルチリンク サスペンションの設計までさかのぼって考えられたという。
高い走破性と広々としたキャビンを実現したボディは、スチールとアルミを組み合わせたもので、軽量かつ優れた強度を誇る。フロント部は「レンジローバー イヴォーク」と多くを共有しながらも、Bピラーより後ろのプラットフォームはあらたに開発された。さらに軽量化と徹底したスペース効率の追求から、5人乗りと7人乗りのリア構造は、どちらを選んでもラゲッジルームの容量に差がでないよう、別々に開発がおこなわれている。
エンジンは、4気筒のガソリンとディーゼルを用意。ガソリン仕様は、日本ではレンジローバー イヴォーク等で実績のある2リッター ターボエンジンの改良型を搭載。最高出力は240ps/5,500rpm、最大トルクは340Nmを1,800-4,000rpmで発揮する。いっぽう、2.2リッターのディーゼルターボは、150psと190psの2タイプのユニットが設定されている。
トランスミッションは、全モデルにZF社製9段ATが装着されるほか、ディーゼルエンジンではゲトラク社製6段MTとの組み合わせも可能。ATのシフトは従来のレバータイプにかわり、「レンジローバー」をはじめジャガー・ランドローバー社のファミリーモデルで近年見られる、ロータリータイプのものを採用。手動でギアをセレクトするには、ハンドル裏に備わるパドルシフトを利用する。
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新コンパクトSUV「ディスカバリー スポーツ」を初公開 (3)
高いオフロード性能も維持
ランドローバーのSUVモデルとして、ディスカバリー スポーツも高い走破性能をもちあわせいる。最低地上高212mmを確保し、アプローチアングル25度、ディパーチャーアングル31度、ブレークオーバーアングルは20-21度を誇る。音とモニター表示で水深を知らせる「ウェイド センシング」も装備し、水深600mmまで渡河が可能だ。
四輪駆動システムには、第5世代の電子制御式ハルデックス社製センターカップリングを組み合わせた「エフィシェント ドライブライン」を採用。前後のトルク配分を連続的に変化させ、つねに最大のパフォーマンスとトラクションを確保するという。また、ディーゼルエンジンには、速度や負荷のかかり具合におうじて、わずか0.35秒で二駆と四駆を入れ替えることができる「アクティブ ドライブライン」を搭載している。
安全面では、このセグメントでは初採用となる歩行者エアバックが採用された。24-48km/hの速度で衝撃が検知されると、0.1秒以内にエアバックが展開する。もちろん、SUVモデルのため厳しいオフロード環境下で使用した場合に誤作動しないようにしているという。
さらに、デジタルステレオカメラシステムをもちいた自動緊急ブレーキシステムも採用。5-80km/hで作動可能なこのシステムは、50km/h以下で衝突防止をアシストし、80km/h以下では、その衝撃の緩和をはかるものだ。このほかにも、車線逸脱を警告する「レーンデパーチャー ウォーニング」、道路標識を認識し、ナビゲーションモニターに速度制限や追い越し規制などを表示する「トラフィックサイン レコグニッション」、ドライバーの死角にいるクルマ、あるいはハイスピードで接近してきて車線変更のさいに危険となるクルマを検知し、ドライバーに知らせる「ブラインドスポット モニタリング及びクロージング ビークル センシング」なども備える。
Land Rover Discovery Sport|ランドローバー ディスカバリー スポーツ
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ヴァージン・ギャラクティック社と協力した宇宙旅行キャンペーン
ディスカバリー スポーツの発売は2015年初頭を予定しており、生産は英国リバプール市ヘイルウッドにあるジャガー・ランドローバーの工場でおこなわれる。また現行型ディスカバリーは、ディスカバリー スポーツ発売後も平行して販売が継続され、今後、さらなるディスバリーのモデルラインナップ拡充が展開されていく。
今回の発表会は、アメリカはニューメキシコ州にあるヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行基地「スペースポート・アメリカ」にて開催された。ともに“冒険”をキーワードにする両社が協力関係にあるのは、ニューヨークオートショーで発表されたとおり。
そして新型ディスカバリー スポーツ発売を記念して、コラボレーション キャンペーン「ギャラクティック ディスカバリー コンテスト」が実施される。
これは、優勝賞品として1組4名のグループに宇宙旅行をプレゼントするという世界初の試みだ。参加者は、みずからの冒険心を表現した30秒の動画または静止画を製作し、そして宇宙旅行をともにする3名の仲間を選び、専用のWEBサイトから投稿するというもの。応募は日本をふくむ全世界から受け付けている。
Land Rover Discovery Sport Si4
ランドローバー ディスカバリー スポーツ Si4
ボディサイズ|全長 4,589 × 全幅 2,173(ミラー含む) × 全高 1,724 mm
ホイールベース|2,741 mm
重量|1,744-1,841 kg
エンジン|1,999cc 直列4気筒 直噴DOHC ターボチャージャー付
ボア×ストローク|87.5 × 83.1 mm
圧縮比|10.0
最高出力|177 kW(240 ps)/5,800 rpm
最大トルク|340 Nm/1,750 rpm
トランスミッション|9段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|ストラット / マルチリンク
ブレーキ 前/後|φ325 mm ベンチレーテッド ディスク / φ300 mm ディスク
最小回転半径|5.8 メートル
0-100km/h加速|8.2 秒
燃費(EU複合)|8.0-8.3 ℓ/100km(およそ12.5-12.0 km/ℓ)
Land Rover Discovery Sport SD4|
ランドローバー ディスカバリー スポーツ SD4
ボディサイズ|全長 4,589 × 全幅 2,173(ミラー含む) × 全高 1,724 mm
ホイールベース|2,741 mm
重量|1,765-1,863 kg
エンジン|2,179cc 直列4気筒 直噴DOHC ディーゼルターボ
ボア×ストローク|85 × 96 mm
圧縮比|15.8
最高出力|140 kW(190 ps)/3,500 rpm
最大トルク|420 Nm/1,750 rpm
トランスミッション|9段AT、6段MT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|ストラット / マルチリンク
ブレーキ 前/後|φ325 mm ベンチレーテッド ディスク / φ300 mm ディスク
最小回転半径|5.8 メートル
0-100km/h加速|(9AT)8.9 秒 (6MT)10.4 秒
燃費(EU複合)|6.1-6.3 ℓ/100km(およそ16.4-15.9 km/ℓ)
Land Rover Discovery Sport TD4
ランドローバー ディスカバリー スポーツ TD4
ボディサイズ|全長 4,589 × 全幅 2,173(ミラー含む) × 全高 1,724 mm
ホイールベース|2,741 mm
重量|1,765-1,863 kg
エンジン|2,179cc 直列4気筒 直噴DOHC ディーゼルターボ
ボア×ストローク|85 × 96 mm
圧縮比|15.8
最高出力|110 kW(150 ps)/3,500 rpm
最大トルク|400 Nm/1,750 rpm
トランスミッション|9段AT、6段MT
駆動方式|4WD
サスペンション 前/後|ストラット / マルチリンク
ブレーキ 前/後|φ325 mm ベンチレーテッド ディスク / φ300 mm ディスク
最小回転半径|5.8 メートル
0-100km/h加速|(9AT)10.3 秒 (6MT)11.7 秒
燃費(EU複合)|5.7-6.2 ℓ/100km(およそ17.5-16.1 km/ℓ)