最新技術を満載したディスカバリー ビジョン コンセプト|Land Rover
CAR / MOTOR SHOW
2015年1月5日

最新技術を満載したディスカバリー ビジョン コンセプト|Land Rover

Land Rover Discovery Vision Concept
ランドローバー ディスカバリー ビジョン コンセプト

最新テクノロジー満載のディスカバリー ビジョン コンセプト

ジャガー・ランドローバーは、事前に一部を公開していた、「ディスカバリー ビジョン コンセプト」を、ニューヨークオートショーで発表した。次期ディスカバリーのコンセプトというだけではなく、これからのランドローバーのデザイン戦略や未来のテクノロジーをも盛り込んだ意欲作だ。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

AR技術を駆使した未来のクルマ

ニューヨークオートショーにおいて、次期ディスカバリーにつながるスタディモデル「ディスカバリー ビジョン コンセプト」が発表された。

その外見は、後端が一段高く見えるよう処理されたルーフなどに、ひと目でディスカバリーとわかるDNAをひきつぎつつ、現行の角ばったスタイリングから、より「イヴォーク」や「レンジローバー スポーツ」など、最新のランドローバーに近づけられた。現行型の延長線にある現実的なエクステリアのいっぽうで、コンセプトカーらしく、そのなかには最先端の意欲的な技術が盛り込まれている。

上下に薄いヘッドライトにはLEDレーザーライトを採用。昼光色にちかく自然な明るさをもち、最長300メートル先までを照らし出すことができ、夜間でも最適な視界を確保。先行車や対向車に接近した場合には、その強力な光でドライバーを幻惑しないよう、高解像度カメラをもちいてスポット的にロービームにする機構もそなえている。

一見変哲もなくみえるフロント、サイド、ルーフのガラスは、「スマート ガラス」とよばれるディスプレイとなっている。これにより、ガラス越しに見える実際の景色にデジタル情報を重ね合わせたバーチャルリアリティのひとつ、拡張現実(AR)を実現している。

たとえば、フロントウィンドウの実際の視界のうえにナビゲーションを表示したり、車窓からみえる景色に名称や解説などの付加情報をくわえることができる。先日お伝えした、ボンネットを透過して路面やタイヤ周辺情報がわかる機能もこのひとつにあたる。

すべてのウィンドウがディスプレイなので、そとの風景以外を映し出すこともできる。暗い色を表示することで、透過度の変更可能なプライバシーガラスとして利用が可能。ルーフウィンドウには、パソコンのスクリーンセーバーのように、好みの映像を表示する機能もそなわる。

それにくわえ、最新式のHMI(ヒューマン マシン インターフェース)として、ジェスチャーコントロールが搭載される。これは、腕や指動作でドアやテールゲートの開閉、オーディオ、室内灯の明るさ、さらにライトやウィンカーなどを操作とするもの。このため、ドアにはハンドルが存在せず、シンプルなデザインを実現している。

完全な自動ドアとなったことで、サイドシル内に自動であらわれる電動サイドステップもそなえつけられ、乗降の利便性を向上させた。

Land Rover Discovery Vision Concept
ランドローバー ディスカバリー ビジョン コンセプト

最新テクノロジー満載のディスカバリー ビジョン コンセプト (2)

冒険をキーワードにする宙と陸のブランドが手を組んだ

車外からタブレットをつうじて車両をゆっくりと動かすことができる「リモートコントロール ドライブ」は、たとえば非常にラフな地形の突破を外から目視で安全性を確認しながら車両をうごかすといったことを可能とする。自動開閉機能のない門を通過するさいにも、降りて開門したらリモートで車だけそとへ動かし、クローズすることで乗り降りせずに操作できるといったメリットをもたらす。

このほかに、フォグランプに内蔵される赤外線レーダーで地形を読み取り、その状況をセンターディスプレイへ視覚的に表示する「レーザー テレイン スキャニング」、レーザーLEDライトを利用して路面や壁面に車両の通過できる範囲を色違いで照射する「レーザー リファレンス」、進化した「テレインレスポンス」などを搭載している。

通常状態で3列7人乗りとなるシートはミニバンのようにさまざまなアレンジも可能。また、それぞれのシートバックにはジェスチャーコントロール用のモニターにくわえて、ポップアップ式のハンガーやトレー、タブレット用ドックもそなえる。ドア内側には取り外し可能なトラベルラゲージが内蔵されている。

今回ディスカバリー ビジョン コンセプトは、ニューヨークオートショーの前日、ハドソン川に係留された退役空母上で発表された。発表にさいしては、世界初の民間宇宙旅行会社バージョン・ギャラクティック社の宇宙船「スペースシップ 2」と競演。冒険というおなじキーワードを共有する宙と陸のブランドが手を組み、グローバル・パートナーシップを締結したこともあわせて発表された。

また、ニューヨークオートショーの会場では、ジャガーランドローバーのデザイン ディレクターであるジェリー・マクガバン氏より、新型ディスカバリーは2015年に「ディスカバリー スポーツ」が、ファミリーの一番手として登場するとアナウンスされた。

           
Photo Gallery