400psのゴルフ「Golf R 400」|Volkswagen
Volkswagen Golf R 400|フォルクスワーゲン ゴルフ R 400
400psのゴルフ「Golf R 400」
フォルクスワーゲンは、北京モーターショーにおいて「ゴルフ」のトップモデル「ゴルフ R」に、より過激なエンジニアリングをほどこしたコンセプトカー「ゴルフ R 400」を披露した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
4秒以内に100km/hの世界へいざなうゴルフ
北京モーターショーにおいてフォルクスワーゲンが披露したのは、第7世代の「ゴルフ R」をベースにエンジニアリングをほどこした「ゴルフ R 400」。2013年より「ポロ WRC」で世界ラリー選手権に出場し、初年度からマニュファクチャラーズタイトルを獲得するなど、その実力を発揮するフォルクスワーゲンのモータースポーツ部門子会社「フォルクスワーゲン R GmbH」が、レースフィールドより技術ををフィードバックし仕立て上げた特別な一台だ。そのパワートレーンは、ターボ付きの2リッターエンジンから、名前がしめすとおり400psを発揮する。
ベースとなったゴルフRは、2.0TSIエンジンにチューニングをほどこし、最高出力300ps(221kW)を発揮。6段DSGを介して四輪を駆動し、0-100km/h加速は4.9秒をほこる。これをさらに磨き上げたR 400は、最高出力がプラス100psの400ps、最大トルクも70Nm増えて450Nmを2,400-6,000rpmという広い範囲で発生させる。
排気量1リッターあたり200psというエンジンが生み出す圧倒的なパワーは、車両重量1,420kgのゴルフ R 400を静止状態から100km/hまでわずか3.9秒で到達させる。これは、ゴルフRと比較すると、1秒も短縮を果たしたことになる。
組み合わされるトランスミッションは6段DSG、駆動も第5世代のハルデックスカップリングをもちいた4MOTIONが採用され、低負荷時には前輪に多くトルクをまわし燃費を稼ぎながら、必要となれば瞬時に後輪にトルクを配分することで駆動力の最適化をおこなう機構は、ゴルフR譲り。もちろん、4輪に最適なトルク配分をおこなったり、内輪への僅かなブレーキングで素早いコーナリングを可能とする各種電子デバイス類もすべて装備している。
Volkswagen Golf R 400|フォルクスワーゲン ゴルフ R 400
400psのゴルフ「Golf R 400」 (2)
デザインに名モデルたちのモチーフをあしらう
エクステリアには、おおくのスポーティな専用装備をまとう。フロントからサイド、リアまでボディ下にはエアロダイナミクスが最適化されたカーボンパーツがあしらわれる。バンパーも専用デザインのものが奢られ、前後ともにCまたはコの字のモチーフがもちいられた。ルーフやドアミラーカバーもカーボンを使い、シルバフレークのボディカラーと調和を成している。
フロントのスプリッターは、1988年にホモロゲーション獲得用に開発された「ラリー ゴルフ G60」をもモチーフにしたもの。センター2本出しのリアエグゾーストは、左右それぞれ2本出しのデュアルエグゾーストをもった通常のゴルフRと後姿を差別化するとともに、「R」を冠した最初のゴルフ、2002年発表の「ゴルフ R32」からレイアウトを引用したものだという。
ゴルフRではクローム、ゴルフGTIではレッド、ゴルフGTEはブルーと各モデルのイメージカラーがあしらわれる“R”ロゴバッジのシャドウやフロントグリルのラインには、レモンイエローが採用された。このカラーは内外装をはじめ、専用デザインされたエンジンカバーにまでアクセントとしてあらわれる。
運転席と助手席には、中央にアルカンターラ、サイドにカーボンレザーをあしらったヘッドレスト一体のシェル型スポーツシートを採用。2座独立のリアシートもおなじレザーの組み合わせだ。ステッチにはレモンイエローがほどこされ、グレー地にイエローというテーマが外装のつづきで統一されたデザインをもたらしている。
このモデルは、最新ゴルフのもつポテンシャルを探るモデルのひとつとして開発されという。2014年のジュネーブモーターショーで発表された、1リッターで55.5kmの燃費をほこるプラグインハイブリッド「ゴルフ GTE」、そして今夏より発売となる電気自動車「eゴルフ」と、持続可能なクルマ社会に向けたモデルもまたおなじ「ゴルフ」だ。マルチプラットフォーム「MQB」で実現する、単一車種でありながら多彩なバリエーションをほこるゴルフというクルマの一端をみせつけてくれた一台といえる。