ジュネーブ現地リポート|Alfa Romeo
Alfa Romeo 4C |アルファ ロメオ 4C
アルファ ロメオのライトウエイトスポーツがアンヴェール
軽量ボディに、手ごろなパワーの4気筒ターボエンジン。そしてミッドシップレイアウト。そんなスポーツカーとして楽しそうな要素が満載のアルファ ロメオ「4C」が、いよいよジュネーブモーターショー2013でアンヴェールの瞬間をむかえた。大谷達也氏の現地レポートが到着!
Text by OTANI Tatsuya
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko & Alfa Romeo
21世紀のライトウェイトスポーツカー
期待のコンパクトスポーツカー、アルファ ロメオ「4C」がついにジュネーブショーでベールを脱いだ。
モノコックにカーボンコンポジットを採用し、縦置きにミッドシップされた1.75リッター直4ターボエンジンで後輪を駆動する基本構成は21世紀のライトウェイトスポーツカーとして理想的なものといえる。
ジュリエッタ譲りのエンジンは240psを発揮。いっぽうで、パワーウェイトレシオは4kg/ps以下と発表されているので、車重が1,000kgを切っているのは確実だ。これはシャシーをカーボンコンポジット製としたからこそ実現できたスペックだろう。ギアボックスはジュリエッタ同様、デュアルクラッチタイプとなる。
省燃費ならびにCO2の削減がしきりに騒がれているにもかかわらず、ヨーロッパを中心とする自動車産業界ではハイパフォーマンスカー=大出力エンジンという構図が定着している。
筆者は、こんな世の中だからこそライトウェイトスポーツカーがもっと注目されていいとおもっていたが、実際に商品化されているのはマツダ「ロードスター」とロータス「エリーゼ」がせいぜい。その意味では、アルファ ロメオ4Cのデビューは久々に心躍るニュースといえる。
少しだけ残念なのが、そのエクステリアデザインだ。
2007年デビューの「8C」と共通のイメージを与えなければならなかった事情は察するが、8Cのサイズでも“ずんぐりむっくり”した印象のデザインを全長4mのなかに押し込もうとすれば、低くうずくまったようなプロポーションに仕上げるのが難しいことは火を見るよりもあきらか。
実物をまのあたりにしても、やや“寸詰まり”な印象は拭えないし、エンジンカウル周辺の処理には間延びした感が拭えなかった。
それでも、アルファがつくるからには、小気味いいハンドリングが与えられているのはあきらかで、ステアリングを握れる日が一刻も早くやってくることを期待せずにはいられない。きっと、ひとたび4Cをワインディングロードでおもいっきり走らせてみれば、デザインのことなど忘れてしまうか、むしろ魅力的におもえてくるかのどちらかだろう。