ルノー・日産・三菱のアライアンスでどう変わった? ルノーの新型キャプチャーに試乗|Renault
CAR / IMPRESSION
2021年3月2日

ルノー・日産・三菱のアライアンスでどう変わった? ルノーの新型キャプチャーに試乗|Renault

Renault Captur|ルノー キャプチャー

ルノー・日産・三菱のアライアンスでどう変わった? ルノーの新型キャプチャーに試乗

2013年に登場した初代キャプチャーは、2019年までに世界で合計170万台が販売された大ヒットモデル。2020年も欧州で販売されたSUVモデル中No.1の結果を残していて、高い人気をキープし続けてきたモデルである。そのキャプチャーがフルモデルチェンジし、今年2月25日から日本でも販売が開始された。横浜市内で新型を試乗し、その出来栄えを確かめてみた。

Text & Photographs by HARA Akira

アライアンスの成果の一つ目は

新型ルノー・キャプチャーは、ルノー・日産・三菱のアライアンスの相乗効果を強化するという、グループ戦略の中心モデルの一つという。
その成果は、まず基本のプラットフォームとして共同開発した「CMF-B」を採用した点にある。軽量で遮音性に優れ、最新の電気と電子アーキテクチャーテクノロジーを組み込むことができるため、剛性が非常に高い。ボディサイズは全長4,230×全幅1,795×全高1,590mm。先代より95mm長く、15mm 広く、5mm高いサイズになっている。ホイールベースも35mm長い2,640mmとし、これらは全て居住空間を拡大するためとの説明だ。グレードは、レザーシートや運転支援システムが充実したインテンス テックパック(319万円)とインテンス(299万円)の2つある。
エクステリアは、ヘッドライトのCシェイブデイタイムランプやリアのCシェイプライトシグネチャーによって、一目でルノー車と分かるデザインを採用。抑揚のあるフェンダーや絞り込んだボディサイド、浮かんだように見えるツートーンのルーフなどにより、先代よりSUVテイストが強まった。
インテリアは、ルノーが「スマートコックピット」と呼ぶドライバーを中心にした運転席周りが特徴。高い座面のドライバーズシートに合わせた位置に、宙に浮き出たようなデザインの「フライング・センターコンソール」を配し、そこにバイワイヤ式の「e-シフター」レバーを取り付けた。上位モデルとなるインテンス テックパックには、その下にQi規格充電機能付きのトレーを設置した。
テックパックの前席はレザーの電動パワーシートが奢られ、座面が先代より15mm長くなってシートヒーターがどちらのグレードにも標準で付く。後席の膝周りは221mmと広く、全体が前後160mmにわたってスライドする。ラゲッジ容量はクラス最大レベルの536リッターで他を圧倒。全部倒せば1,235リッターまで拡大する。またインテンスグレードでボディカラーがオレンジュアタカマMを選択した場合に限り、ファブリックのシートサイドやダッシュのソフトパッド部分にオレンジの差し色を配したモデルになるというのも珍しい。

アライアンスの成果の二つ目は

新型キャプチャーが搭載する1,333ccの直列4気筒直噴ターボエンジンも、このアライアンスによって新開発されたものだ。最高出力154ps(113kW)/5,500rpm、最大トルク270Nm/1,800rpmと、このクラスのライバルたちより強力なスペックを持つエンジンにより、パワートルクレシオ(車重をトルクで割ったもの)はキャプチャーが4.9(kg/Nm)。ちなみに、ライバルの2008が5.5、Tクロスが6.4なので、その差は大きい。
しかもステアリングのギア比が先代より10%低められていて、クイックなハンドリングとロールを抑えつつ乗り心地を損なわないダンパーのバランスが良く、トータルでの運動性能は相当レベルが高い。また高速道路でのパワーを生かした余裕のある走りには目を見張るものがある。試乗時の燃費はメーター上で6.3ℓ/100km(15.9km/ℓ)。こちらも十分に良い数字だろう。
一方で少し気になったのは、ツインクラッチを採用したことによるスタート時のタイムラグ。それはオートホールドを使うともっと大きくなる。この点、日本のようにストップ&ゴーが頻繁でない欧州では、あまり気にならない所作なのだろう。インポーターからはこの部分、改良点の上位にはなっていないポイントであるとの説明を受けた。

アライアンスの成果の三つ目は

運転支援システムについても、日産とのアライアンスによる成果がしっかりと発揮されている部分と思われる。アダプティブクルーズコントロールは170km/hまでの全車速に対応し、ストップ&ゴー機能がついている。上位のテックパックグレードにはレーンセンタリングアシストが搭載されるので、レベル2のハイウェイ&トラフィックジャムアシストが機能し、作動時のメーター表示はとても見やすくなっている。さらに予防安全技術ではアクティブエマージェンシーブレーキやブラインドスポットアシストを搭載していて、最新のクルマらしく充実している。
一方のナビゲーションについては、スマートフォンのナビアプリを利用する7インチのタッチスクリーン式を採用。試乗時にはスマートフォンのナビをyahoo!とgoogleの両方を立ち上げてしまっていたためか、あらぬ方向にクルマを導いてしまうような場面があった。またナビを表示するために有線でUSBポートにつなげる必要があり、Qi充電だけの状態ではナビを表示できないというのはちょっとチグハグした点だ。
乗ってみると、運動性能や高速での余裕ある走り、居住性、積載能力など総合性能に優れたキャプチャーが、欧州でベストセラーになっているのには合点がいく。あらゆる面で進化した新型は、日本でも人気が出そうである。
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