新型アルピーヌA110に試乗──“110GT”と“110S” その違いに迫る|Alpine

アルピーヌA110S

CAR / IMPRESSION
2022年6月27日

新型アルピーヌA110に試乗──“110GT”と“110S” その違いに迫る|Alpine

Alpine A110|アルピーヌ A110

新型アルピーヌA110に試乗

マイナーチェンジを受けた新型アルピーヌ「A110」。ラインナップが整理され、新たに設定された3グレード「A110」「A110 GT」それに「A110 S」のうち、後の2台に試乗、そのキャラクターの違いを確かめた。

Text by OGAWA Fumio|MOCHIZUKI Hirohiko

“正しい”欧州製スポーツカーの伝統をしっかり引き継いだ正統派

スポーツカーは、パワーがあればいいってもんじゃない。それを知っている人なら、アルピーヌA110の真価を堪能できるのでは。軽快で、加速性に優れ、スタイリッシュと、魅力の多いフランス生まれのスポーツカーは、大排気量化に一石を投じる貴重な存在だ。
アルピーヌジャポンが、2022年2月に受注を開始し、6月になってようやくデリバリーが始まるA110シリーズ。今回はマイナーチェンジを受けて、パワーが上がったエンジンとともに、ラインナップも整理された。
A110のよさは、スポーツカーとしての成り立ちにある。つまり、排気量や馬力よりも操縦性。大きさよりも軽さ。70年代までの“正しい”欧州製スポーツカーの伝統をしっかり引き継いだ数すくない正統派だ。
1,798cc 4気筒というコンパクトなエンジンを使いつつ、300psをしぼりだすとともに、ミドシップによる正確なステアリングと軽快な操縦性を実現。7段ツインクラッチ変速機搭載だ。
62年に登場し、70年代前半はラリー選手権を中心に暴れまくったオリジナルA110を彷彿させるスタイリングは、いかにも速く走るためにデザインされたという合目的性を意識させる。室内はシート背後に荷物も置けるし、適度な機能性もある。
それではなにより、このクルマの最良の部分は、優れた加速性とコーナリング能力にある。4.2メートルという比較的コンパクトな外寸と、いたるところにアルミニウムを使って1.1トン程度の軽量に抑えたボディも、A110の身上。
今回乗ったのは、3つ設定されたグレード「A110」「A110 GT」それに「A110 S」のうち、後の2台。221kW(300ps)の最高出力と340Nmの最大トルクは同じで、サスペンションシステムを含めたシャシーがことなる。
A110 GTは「アルピーヌシャシー」といって、ベースモデルのA110と共通。一方A110  Sはサーキットでのパフォーマンスを追求。シャシーは「シャシースポール(スポーツ)」。サスペンションのスプリングのレート、ダンパー、前後のアンチロールバーの剛性も高い。
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