今もっとも魅力的なスタイリングのSUV──新型ディフェンダー90に試乗|Land Rover
CAR / IMPRESSION
2021年8月17日

今もっとも魅力的なスタイリングのSUV──新型ディフェンダー90に試乗|Land Rover

オリジナルを強く意識させる内外装

ボディに対してあえて小ぶりにつくられたキャビンといい、ヘッドランプやリアコンビネーションランプをはじめとするディテールといい、オリジナルをけっこう強く意識させるだけに、90に接していると、80年代ごろのロンドンやパリの市街地で見かけたディフェンダー(当時はランドローバー・ナインティなどと呼ばれた)を思い起こしてしまう。
当時は街で見かけるSUV(という言葉はなかった)といえば、レンジローバーばかりだったものの、鉄板を留めているリベット(鋲=びょう)むき出しのボディパネルがけっこうな迫力のディフェンダーを見かけると、違和感ゆえに、ちょっとツイスト(ひねり)の入ったスタイリッシュさを感じていた。それと似た雰囲気が、新しいディフェンダーにはある。たんなる郷愁? でないことを祈るのだけれど。
インテリアも魅力的だ。内外のデザインが実にうまくシンクロしている。インテリアはどうしてもエクステリアの二の次となることがあって、コストのしわ寄せもきやすい。でもオーナーにとっては、外から眺めているより車内にいる時間の方が圧倒的に長いという事実からしても、デザインと質感、それにもちろん快適性に手を抜いてほしくない。
90は、鉄板むきだしだったオリジナルのイメージをダッシュボードまわりに援用している。安全法規に抵触しない部分は、あえてクラッシュパッドで覆わず、金属感を出している。そこにはめこまれたようなメータークラスターが雰囲気を醸し出してくれている。
実際の使い勝手は、デジタル化の進んだインフォテイメントシステムをはじめ、プレミアムクラスの水準だ。加えて、デジタル技術を駆使し、走行中の車両の下の地面が見えるような「クリアサイト・グラウンドビュー」など、ランドローバーならではの装備もおごられている。
私は以前、イヴォークの新型をギリシアで試乗した際、峡谷にかかる廃線になった線路橋の上を、「クリアサイト・グラウンドビュー」を見ながら、おっかなびっくり走ったことがある。タイヤがどこに載っているのかも分かり、安心なのだけれど、一方、車体の下を流れる海面がモニターに映し出されて、その迫力たるや。アクション映画の主人公になるのはこういうこと?と思ったものだ。
そのときの信頼感が愛着に変わったせいか。私はディフェンダー90、多少の不便さ(後席が使いにくい)があっても、推したい。主張のあるプロダクトとしても評価したいし。価格は551万円から。できればオプションの「エアサスペンションパック」(34.1万円)は欲しい。オフロードへ行く人には、オフロード用のオプションが用意されているので、チェックしてみてください。

Spec

Land Rover Defender 90|ランドローバー ディフェンダー 90

  • • ボディサイズ|全長4,510×全幅1,995×全高1,975mm(エアサスペンションは1,970mm)
  • • ホイールベース|2,585mm
  • • 車両重量|2,090kg(エアサスペンションは2,100kg) 
  • • エンジン|1,995cc 直列4気筒DOHCターボ
  • • 最高出力|221kW(300ps)/5,500rpm
  • • 最大トルク|340Nm(34.7kgm)/1,750-3,000rpm
  • • トランスミッション|8段AT
  • • 燃料消費率(WLTCモード)|8.3km/ℓ
  • • 駆動方式|4WD
  • • 最小回転半径|5.3メートル
  • • 価格|551万円〜
問い合わせ先

ランドローバーコール
Tel.0120-18-5568(9:00-18:00、土日祝日を除く)
https://www.landrover.co.jp/

30 件