日産渾身のBEV「アリア」に試乗、その走りをリポート|NISSAN
CAR / IMPRESSION
2022年5月9日

日産渾身のBEV「アリア」に試乗、その走りをリポート|NISSAN

NISSAN ARIYA|日産アリア

日産アリアに試乗、その走りをリポート

日産の新たなるフラッグシップモデルとしてデビューしたバッテリーEV(BEV)のSUV「アリア」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗。その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko

前輪駆動モデルでも十分ではないか、といいたい強力な走り

ようやく出合えた日産「アリア」。発表が2020年7月で、試乗できたのが、22年4月。出る、といわれてからほぼ2年。まず工場から送り出されてきたのは、「B6」の前輪駆動モデルだ。
ピュアEVのアリアは、これまでにも、何回か実車を見て触れるチャンスがあった。とはいえ、太陽の下で実車を眺めると、2年たっていても、まったく古びて見えない。
全長4,595mm、全高1,655mmのサイズに、クーペライクなキャビンが乗っているスタイルは、けっこう押し出しが強くて、「試乗イベントには輸入車オーナーもけっこう訪れた」という日産自動車の担当者の言葉にも納得できる。
B6は、66kWhのバッテリー搭載モデル。アリアは、このあと、91kWhのバッテリー搭載「B9」が夏までに追加される予定だ。なお、共にFWDと4WDモデルがあり、一充電走行距離はB6のFWDで450km、B9のFWDで610kmに達するそうだ。
開発エンジニアの人たちは、声をそろえるように「e-4ORCE(イーフォース)」と名づけられた4輪駆動制御システム搭載モデルを楽しみにしていてほしい、と言う。
もちろん、モーターと駆動系とブレーキを統合制御するシステムによる走りには興味津々である。が、じゃあ、B6は大したことないのかというと、これで十分ではないか、と言いたい。力強い走りが味わえるのだ。
車重は2.2トンをやや切るぐらいで、大容量バッテリーの分、重量級であるが、160kWの出力と、300Nmのトルクは充分なパワーだ。重さは感じさせない。発進も、直進での加速も、あるいはカーブを抜けてまた加速なんていうときも、瞬時という感じで、スピードを上げていく。
回生ブレーキといって、アクセルペダルの踏みこみをゆるめたとき制動をかけ、そのとき生まれるエネルギーを電気に変え、駆動用バッテリーを充電するシステムをアリアも備えている。
アリアは、「eペダル」と呼ぶ独自の回生ブレーキシステムを搭載している。よくあるように、ステアリングホイール付近のパドルを使って制動をかけていくのでなく、ドライバーが選択するのはオンかオフのみ。回生ブレーキのeペダルが作動しているときは、アクセルペダルの戻し具合を微調整することで、気持ちよく減速ができる。
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