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2020年9月30日
タウンスピードでも楽しい──ランボルギーニ ウラカンEVOの後輪駆動モデルに公道試乗|Lamborghini
アレクサも使用可能に
試乗コースは、御殿場のレストラン「桜鏡」を起点に、御殿場インターチェンジから東名、新東名を経て駿河湾沼津SAへ。ここでクーペとスパイダーを乗り換えてスマートインターチェンジから一般道へ降り、再び新東名、東名を経て元に戻るという往復コース。先導車をドライブするのはレーシングドライバーの高木虎之介氏だ。レストランの敷地内では、コックピットのボタンで車高を上げ、縁石に車体をヒットさせないよう十分な注意が必要だ。
さて、一般車の流れに乗りながら制限速度で走る公道上では、7段デュアルクラッチギアボックスは常に最適のギアを選択してくれ、ムズがることが全くない。EVO RWDは車体の軽さやスムーズなアクセルフィール、そしてスーパーカーにしては見切りの良いボディによって、極めて安心してドライブを楽しむことができたのだ。性能的にはほんの一部分だけしか使っていないのだろうが、そんなスピード域でもストレスがなく気持ちの良く走ることができる。
スパイダーでは、トンネル内でスポーツやコルサモードを選んで、ちょっと大きめの排気音を体感してみたりもした。試乗を終えると、サーキット走行だけではわからない、RWDモデルが持つ一般道での扱いやすさはしっかりと伝わってきた。
筆者は2014年9月に富士スピードウェイを舞台したウラカンLP610-4クーペの最初の試乗会に始まり、2015年2月の雪の積もった米コロラドのサーキットで開催された「ウインターアカデミア」、その後のサンフランシスコの街中と、帰国後の北海道十勝で行われた一般道での試乗会、2016年6月の雨の鈴鹿サーキットで開催された後輪駆動のLP580-2試乗会、2019年7月の富士でのEVO試乗会、同年12月のイタリア本国で開催されたEVOクーペ&スパイダーを使用して雪のアルプスを走破する「クリスマスドライブ」と、大変多くのウラカンドライブを体験してきた。そして今回のEVO RWDだ。
ランボルギーニ広報によると、今年1月にはAmazonとのコラボレーションが成立し、来年導入するモデルからは音声認識の「アレクサ」が使用できるようになるという。自然吸気エンジンの快音が満ちる車内でその音声認識がどれほどうまくキャッチされるのかちょっと心配になるけれど、たくさんの物理スイッチの中から音楽やライトの設定を選んで行うというシチュエーションを考えたら、はるかに便利になるのだろう。
モデル末期になってもこうした進化をやめずにブラッシュアップしてくれるのは嬉しいところだ。価格はAWDのEVOより600万円以上リーズナブルな2,653万9,635円という設定。オプション装備は豊富にあるので、購入額はそれなりになるのだろうが、清々しい走りのウラカンが少しだけ身近なお値段で手に入るのだから、こちらも大きなセールスポイントだ。
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