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2020年9月30日
タウンスピードでも楽しい──ランボルギーニ ウラカンEVOの後輪駆動モデルに公道試乗|Lamborghini
LAMBORGHINI Huracan EVO RWD |ランボルギーニ ウラカンEVO RWD
ランボルギーニ ウラカンEVOの後輪駆動モデルに公道試乗
ベビーランボと呼ばれて人気だったランボルギーニ・ガヤルド。その後継モデルとして2014年にデビューしたのがV10エンジン搭載モデルの「ウラカン」だ。今回試乗したのは2020年に登場した進化系モデルであるウラカンEVOの後輪駆動バージョンである「ウラカンEVO RWD」。今年1月にクーペ、5月にスパイダーが発表されており、試乗車としてどちらも用意されていた。サーキットを使用した試乗会が多いランボルギーニ だが、今回は箱根の一般道と高速道路が舞台だった。その意図とは。
Text by HARA Akira
扱いやすいRWDモデル
全長4,520×全幅1,933×全高1,165mm(スパイダーは1,180mm)の低くワイドなボディのミッドシップに搭載するのは、最高出力610ps(449kW)/8,000rpm、最大トルク560Nm/6,500rpmを発生する5.2リッターのV10自然吸気エンジンだ。AWDのEVOモデルが640psを発生するのに対してRWDが30p低い最高出力という設定は、ノーマル版のLP610-4とLP580-2の関係と同じ理由で、後輪駆動化による軽量なボディに合わせて自然吸気エンジンの乗りやすさや楽しさを追求した結果であるとランボルギーニ は説明している。
といっても性能は、0-100km/h加速がクーペで3.3秒、スパイダーが3.5秒、0-200km/h加速が同じく9.3秒と9.6秒、最高時速が325kmと324km、制動距離(100-0km/h)が31.9mと32.2mという、一般道ではおいそれと体験できない数字なのである。
また、P-TCSと呼ばれるトラクションコントロールシステムにはRWDモデル専用のチューニングが施されており、一般的なシステムでは急にトルクが遮断され、クルマが完全に安定してから再びトルクを発生させるようなドリフトや横滑りの後の再調整という段階でも、前もって十分なトルクを得ることができる設定とすることで、コーナーを抜ける際のトラクションが向上しているという。
この介入については、ステアリングのANIMAボタンで選択するドライビングモードによって異なるプログラムで設えてあり、SPORTモードでは加速時に後輪を横滑りさせて簡単にドリフト走行を楽しむことができる一方で、急激なオーバーステア時にはシステムがこれを検知してトルクを制限する設定。CORSAモードでは、ドライバーはクルマのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能で、P-TCSの介入は以前のウラカンRWDに比べて30%もスムーズになり、コーナー出口のトラクションは20%向上し、オーバーステアについては30%向上したと説明された。