週末のサーキット通いの楽しさを知っている人に──フェラーリF8 トリブートに試乗|Ferrari
CAR / IMPRESSION
2021年5月26日

週末のサーキット通いの楽しさを知っている人に──フェラーリF8 トリブートに試乗|Ferrari

“さすがフェラーリ”といいたくなる気持ちよさ

フィオラノを走った記憶もやや薄らいだものの、今回、箱根のワインディングロードでのドライビングで、あらためてこのクルマの楽しさに感心した。やや重めの設定のステアリングホイールの操作に対する車体の反応は、ものすごくクイックで、カーブは小さかろうが大きかろうが関係なく、素晴らしく速い速度で通り抜けてしまう。
ブレーキペダルを踏んだときの減速する感覚は、スーパースポーツカーにふさわしく、とてもナチュラルで、自分の足で直接クルマを減速させていると思わせるぐらい、ダイレクトに効いてくれる。スポーツカーに乗ったことがある人なら先刻ご承知と思う。よく出来たクルマとは、ブレーキングのフィールで決まるのだ。
エンジンは、770Nmもの最大トルクを3,250rpmで発生する。そのため、市街地を含めて、エンジン回転が低めでも、力強く感じられる。燃費のこともあり、通常の走行モードでは、シフトアップが速く、エンジン回転は2,000rpmより上にいかないほどだ。
いざというときの加速は見事。一瞬、という感じで法定速度に達する。乗り心地も意外によく、室内のノイズも低めなので、一般道での速度感は希薄だ。免許の点数があっというまになくなりそうである。
速いといっても、クルマに振り回されるような感覚はないので、安心して加速していける。ただしどこで加速が止まるかまったく予想がつかない。それほどいつまでも速度が上がっていく。その気持ちよさは、さすがフェラーリ、といいたくなる。
フロントエンジンのフェラーリが、快適性の面でも満足度が高いのに対して、F8トリブートは、ドライビングを堪能するために造られたモデルだ。造り分けがうまいのも、多様なマーケットに向けてクルマを開発してきたフェラーリの歴史を感じさせる。F8トリブートの価格は3328万円。街乗りもいいけれど、週末のサーキット通いの楽しさを知っている人に。
Ferrari F8 Tributo|フェラーリF8 トリブート
ボディサイズ|全長 4,611 × 全幅 1,979 ×全高1,206 mm
ホイールベース|2,650mm
トレッド前/後|1,677 / 1,646mm
車両乾燥重量|1,330 kg 
重量配分 前/後|41.5% / 58.5%
エンジン|3,902 cc 90°V型8気筒DOHC+ターボ
最高出力|720 cv / 7,000 rpm
最大トルク|770Nm / 3,250rpm
最高許容回転数|8,000rpm
圧縮比|9.6:1
燃料消費率(WLTC)|12.9ℓ/100km(複合)
CO2排出量(WLTC)|292g/km(複合)
トランスミッション|7段F1デュアルクラッチ
駆動方式|MR
タイヤ 前/後|245/35ZR20 / 305/30ZR20
0-100km/h加速|2.9秒
0-200km/h加速|7.8秒
最高速度|340km/h
問い合わせ先

フェラーリ
https://www.ferrari.com/ja-JP/

34 件
                      
Photo Gallery