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IMPRESSION
2021年6月25日
高級感がうんと高まった──新型フォルクスワーゲン ゴルフに試乗|Volkswagen
1.5リッターは力があって使いやすく、1リッターはほんわかと快適
今回のゴルフは、1.5リッター「eTSI R-Line」と、1リッター「eTSI Active」に試乗した。前者は、110kW(150ps)の最高出力と250Nmの最大トルクを発生。後者は81kW(110ps)と200Nmとなる。変速機はともに7段ツインクラッチタイプだ。
2車の印象をそれぞれ、一言でまとめると、1.5リッターは力があって使いやすく、いっぽう1リッターはほんわかと快適、となる。とりわけ印象に強く残ったのは、1リッター車だ。
ほぼ同時に日本発売となった、アウディの新型A3(「30TFSI Advanced」)と同じエンジンだ。アウディもかなり好印象のクルマである。ゴルフ同様。数値からみれば、そうたいしたことのなさそうなエンジンだ。
でも実際は、気持ちがよい。出力の数値から分かるとおり、頭が後ろにのけぞるような加速力はない。ただし、非力ではない。電気モーターのおかげで走りだしからスムーズ。そして、最良の部分は、高速道路だ。
一度走り出すと、どこまでも速度が伸びていく。ボディの空力特性もいいのだろう。そしてそのとき、車体の動きはフラットで、路面の影響もほとんど受けず、しかも遮音性が高いので、高級感がうんと高まったという印象だ。
サスペンションは、荷重がかかったときにフロントの沈み込みがやや大きいので、小さなカーブに高めの速度で入っていくようなときは、ある程度慣れが必要であるかもしれない。基本的には安定したコーナリング性能を発揮する。
1.5リッターエンジンは、トルクもそなりに太いので、市街地での走行や、高速での追い越し時などに大きな利点を発揮する。アクセルペダルを強めに踏み込んでの加速時など、期待以上にパワフルな感覚が味わえる。
試乗したのは、スポーツサスペンションシステムや、バケットシートを備えた「R-Line」という仕様である。足まわりが案の定、少し硬めに締め上げてあって、ステアリングホイールを切ったときの車体の動きも俊敏な印象だ。
1リッターと1.5リッター、どちらがいいか。日常的に使っていないので断言はできないものの、山岳路と高速道路での試乗では、1リッターの素直な気持ちよさに軍配を上げたい。街中でも非力とは思わないはずだ。
メーカー発表の燃費は1リッターモデルが18.6km/ℓ(実際に近い数値が出るWLTCモード)で、1.5リッターモデルが17.3km/ℓ。決して悪い数字ではない。高速などではエンジンを完全停止させるなどの技術の恩恵もあるだろう。