ランボルギーニ ウラカン テクニカにスペインで試乗──ヴィンケルマンCEOに次期モデルの話も聞いた|Lamborghini
CAR / IMPRESSION
2022年8月17日

ランボルギーニ ウラカン テクニカにスペインで試乗──ヴィンケルマンCEOに次期モデルの話も聞いた|Lamborghini

Lamborghini Huracan Tecnica|ランボルギーニ ウラカン テクニカ

ランボルギーニ ウラカン テクニカにスペインで試乗

ランボルギーニのV10エンジン搭載モデル「ウラカン」。2014年のデビュー以来、LP610-4(4WD)、LP580-2(2016~ 2WD)、LP640-4ペルフォマンテ(2017~ 4WD)、EVO(2019~ 4WD)、EVO RWD(2020~ 2WD)、STO(2020~ 2WD)と、走りの楽しさを追求した数々のモデルを登場させてきた。2023年からの電動化を前に、今年はウラカンのラストモデルの2台が登場する予定で、今回スペインで試乗したのはその1つである「ウラカン テクニカ」だ。舞台となったバレンシアサーキット(通称リカルド・トルモサーキット)には同社のステファン・ヴィンケルマンCEOも訪れていて、翌年から始まる電動化の話も聞くことができた。

Text by HARA Akira

サーキットも公道も見事にこなす万能選手

地中海に面したバレンシア「ラス・アレナス」ホテルのプールサイドで開催されたランボ主催のディナーの翌日は、全長4kmのバレンシアサーキットでのハイスピード走行に臨むことに。コースではプロドライバーが駆るSTOが前走車となり、「スポーツ」モードで1周してコースに慣れたら、すぐに「コルサ」モードに入れ替える。
最高出力640hp/8,000rpm、最大トルク565Nm/6,500rpmの自然吸気5.2リッター V10エンジンを解き放つと、タコメーターは8,500rpmのレッドゾーンまで一気に吹け上がるし、シフトダウンでは「パラパラッ」というアフターファイア音が容赦なく響き渡るので、まさに快感の世界が味わえる。
引っ張るドライバーからは無線を通じて、「2速、3速、ここでフルブレーキ、もっとプッシュして!」などと適切な指示が入ってくるので、こちらも本気に。試乗後は、搭載されるテレメトリーシステムによって、すぐにスマホで自分の走りがチェックできるので、これは今時のスーパーカーらしいアメージングな装備である。
テクニカの走りは、前に富士スピードウェイで乗ったSTOほどキリキリとした緊張感はないものの、リアホイールステアリングや統合制御の「LDVI」、最新のエアフローによる冷却システムを採用した380mm/365mmのカーボンセラミックブレーキによって、合計12周の最後まで高い性能を保ち続けていたのが印象的。タイヤはフロント245/30R20、リア305/30R20のブリヂストン「ポテンザ」で、周回ごとにスタッフが状態をチェックしてくれていたのはちょっとうれしかった。
さらに今回はバレンシアのワインディングを150kmほど走るルートも設定されていて、「ストラーダ」モードでの走りを確認。一般道でのストレスのない走りを楽しむことができた。ちなみにヨーロッパの山岳路に入り込むと、そこはロードレーサーの天国になっていることはしばしばで、ここスペインも同様。コーナーを抜けるたびに数多くのサイクリストが前を走っているのには驚いた。
車載のナビは音声システムが新たに搭載されていて、我々日本人にはなじみの少ないラウンドアバウトに侵入する際には「何番目のルート〇〇にでてください」と指示してくれるので便利になった。ただ、そのタイミングについてはもうちょっとだけ早い方がいいのに、と思ったのは筆者だけかもしれないが。
バレンシアで丸1日を費やして、サーキットでのスポーツとコルサモードを使った過激な走り、ワインディングと高速道路でのストラーダモードでの安楽な走りを体験してみると、あらゆる環境に対応できる「速さと楽しさ」を兼ね備えたこのクルマが、技術的な専門知識を結集して完成された「テクニカ=技術」をサブネームとする見事なスーパーカーであることを理解することができた。
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