CAR / IMPRESSION
2020年1月31日

オーナーが誇りを感じられるスポーツGT──新型レクサスLCに試乗|Lexus

ライバルはブランドを象徴するような存在感のあるスポーツクーペ

カーブを曲がっていくときの車体の動きも見事である。操舵感覚は先に触れたように、もう少しステアリングが重めの方が好みだけれど、全体としては、車体の安定性といい、減速も、速度のピックアップ(加速)も素晴らしい。
街中ではやや大きめのサイズだけれど、高速のツーリングや、ワインディングロードなど、郊外に出ると、他に類のないスポーツGTとしての存在感が輝く。
19年の改良で、ステアリングホイールを切り始めたときの剛性感を上げたことをはじめ、速度が上がったときの車輪の接地性を向上させたと、開発担当者は教えてくれた。試乗すると「なるほど」と思ったのだ。
さらにガソリンエンジンのLC500では、アクセルペダルの踏みこみ量の増減に敏感に反応してスピードが増減する車速コントロール性も改良したという。サーキットでもかなり速いペースで走れるLCだけに、手を入れるところが、分かっている。つまり、クルマの提供価値を作る側がきっちり把握しているのだ。
レクサスには、いま、スポーツカーが2モデルある。LCより全長も全幅をわずかに小さいRCだ。フロントエンジンと後輪駆動というレイアウトは同じだが、エンジンがV6と直列4気筒。ややコンパクトだ(V8搭載でよりサーキット志向のRC Fは別格として)。
RC350とRC300hは、やはり運転が楽しめるいいモデルである。ただ欧米には、高級モデルはマルチシリンダー(V8かV12)という価値観が根強く残っている。そこで競合と勝負しようというV8のLCには、それなりの存在理由があるというわけだ。
繰り返しになるけれど、グローバルの競争でも、LCは光っている。それが試乗した感想だ。オーナーは誇りが感じられるスポーツGTである。このクルマを車庫に入れることができたら、幸福だと思う。
価格はLC500が1326万3148円から、3.5リッターV6に電気モーターを組み合わせたハイブリッドのLC500hが1377万2407円からとなる。ライバルでは、メルセデス・ベンツSL(1329万円〜)、BMW8シリーズクーペ(1260万円〜)、ポルシェ911(1377万2407円から)などがある。どれもブランドを象徴するような存在感のあるモデルだ。ライバルに不足なし、といったところだろう。
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