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2021年1月21日
なんちゃってSUVとはひと味違う──新型トヨタ ヤリスクロスのハイブリッドとガソリンモデルに試乗|TOYOTA
ガソリンのFFと4WDモデル
次に乗ったガソリンモデルはFFの「G」グレード。シルバーの単色外装にシンプルなブラックのファブリックインテリア、双眼鏡のようなデザインのデジタルメーターという組み合わせで構成される。
搭載する1.5リッター3気筒「M15A-FKS」ダイナミックフォースエンジンは、120ps(88kW)/145Nmを発生し、ギア機構付きCVTで前輪を駆動する。発進時や加速時には3気筒エンジンの少し大きめの音が聞こえてくるけれども、巡航に入ると一気に静かになる。試乗中の燃費は15km/ℓ前後とガソリンモデルとしては及第点。ハイブリッドよりもさらに軽くなった1,120kgという車重が効いているのだろう。
また、ハイブリッドでも走ったオフロードコースで、ガソリン4WDモデルにも乗ってみた。こちらは上位モデルのRAV4と同じマルチテレインセレクトを搭載していて、路面状態に応じて「ノーマル」、岩場など凹凸の大きい場所用の「ROCK& DIRT」、砂浜や泥ねい地といった滑りやすい路面用の「MUD&SAND」という3つの設定ができる。
バンクやモーグルでは「ROCK& DIRT」、ローラーでは「MUD&SAND」を使用するよう指示され、その通りにするといずれもスタック状態からの脱出が可能になる。駆動の考え方としてはe-Fourと同じなのだが、やはりこちらはプロペラシャフトで前後の車軸を結ぶので(モニター上でもこれが見える)、4WDとしての能力はこちらの方が一枚上手という感じ。ヤリスクロスで行動範囲を広げたいユーザーにはガソリン4WDモデルがぴったりだ。
試乗を終え、ヤリスクロスの開発を担当したトヨタ自動車の末沢泰謙シーフエンジニアに話を聞くと、「ヤリスと並行開発したヤリスクロスは、平たく言うと上(ボディ)を変えただけ。パワーユニットは同じでこっちの方が100kgほど重いので、ファイナルのギア比だけは変えました。そのため燃費は少し落ちますが、ハイブリッドの2WDモデルだと30km/ℓを超えているので十分でしょう」とのこと。
さらに「今は市場全体がSUVに動いていて、まずプリウスとかアクアなどのセダン、ハッチバック、しかもHVの代替えとしてお客さまが来ています。全車速での追従運転ができますし、たくさんのものを積んで普段行けないところまで行ける。燃費もいいし値段も手頃。そんな目的が全長4メートルちょっとのヤリスクロスでできたので、ひょっとしたらこれぐらいのサイズが一番、と感じてもらえたら嬉しいです」と語ってくれた。
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