CAR /
IMPRESSION
2020年2月12日
“上級送迎車”としての存在感──トヨタのフルサイズワゴン「グランエース」に試乗|Toyota
後席の乗り心地やいかに
肝心の後席はどうか。ブラックカラーの6人乗り3列シート仕様「グランエース プレミアム」の大きなパワースライドドアを開けると(開口長が1,000mm)、後輪駆動方式と、ストレートラダー(梯子形状)の厚みのある底面を採用しているため、床面の地上高が645mmという高さがあることに気がつく。
サイドステップを1段登って車内に乗り込むと、フロマージュと呼ばれる薄いクリーム色の本革仕様となる立派なエグゼクティブパワーシートが、ゆったりした間隔で4座配されている。4座とも同じシートなので、電動式オットマンやシートヒーター、左右の肘掛け、折りたたみ式サイドテーブル、USB端子など、快適装備を全員平等に愉しむことができるのが嬉しいところ。
サイドウインドウのウエストラインが低く、外の景色は広大な範囲で目に飛び込んでくる。スライドドア部のガラスは合わせ式なので、遮音が徹底されている。パワーリクライニングを倒し切ってしまえば、オットマンと合わせてフルフラットに近い状態まで持っていくことができるので、体を思いっきり伸ばして長いフライトなどで疲れた体を癒すことも可能だ。
シートスライドは手動式を採用。2列目のサイドと背面に設けたレバー一つで前端まで一気にスライド移動するので、3列目のパッセンジャーはすぐに降りることができるのだ。
例えば2列目に社長さんが乗っていて、3列目がお付きの人だった場合、電動では時間がかかりすぎで先に降りた社長を長い時間待たせることになる。もしその日雨が降っていたら……。こんなことを考えながら設計しているというのだ。
装備面では、個別のバニティミラーや、天井サイド部に配した空調ルーバーや読書灯、12.1インチ後席用TV(オプション)などがあり、地上を走るプライベートジェット的なイメージだ。