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IMPRESSION
2021年10月6日
劇的な進化を遂げた“陸の巡洋艦”──新型トヨタ ランドクルーザーに試乗|TOYOTA
ZXより引き締まった感覚のGRスポーツ
次に試乗したのは、ガソリンエンジンを搭載した「GRスポーツ」。3.5リッターのV6ツインターボガソリンエンジンは、最高出力415ps/5,200rpm、最大トルク650Nm/2,000〜3,600rpmを発生する強力なもので、トランスミッションは同じくロックアップ付きの10段ATを採用している。
エクステリアは、ホワイトレターのTOYOTAロゴがフロントグリルに装着され、ホイールアーチやサイドミラーをブラックとしたスポーティなもの。タイヤはオフロード走行に有利なようにZXより2インチダウンした18インチとなり、そのホイールはラリー車をイメージしたマットブラックに塗装されている。インテリアも、「GR」のロゴ入りフロントシートや専用ステアリングなどで差別化されている。
オンロードでの走りは、ZXより引き締まった感覚だ。GRスポーツ専用装備となるE-KDSS(Electric-Kinetic Dynamic Suspension System)がスタビライザー効果を調整しているせいか、ドライブモードを「スポーツ」に入れてやれば、例の“ゆさゆさ”がほぼ収まってしまう。ガソリンエンジンの静かで軽快な回転感覚と、アクセルと車体の動きがうまくリンクしていて、これならロングドライブも楽々こなすことができそうだ。
またGRスポーツにはリアだけでなくフロンのデフもロックできる機構がついていて、オフロードでの走りにも磨きがかかっている。ディーゼルモデルは5人乗り仕様しか選択できないのに対して、ガソリンモデル(GXを除く)は3列7人乗り仕様となっている点は、購入時の判断基準の一つになるところだろう。
まあ、ZXでも感じられたオンロードでの車体に揺れは、ラダーフレーム車ならではの特性のようなものであり、トラック的な乗り味が残っていた先代に比べてみるとその度合いは劇的に改善されている。また、逆にいえばオフロードでの優れた走行性能の裏返しであるということだ。アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルなどの優れた対地障害角は先代と全く変わっておらず、まだ未体験の数々のオフロード機能を駆使して荒野に乗り込んでみれば、さすがはランクル、という話になるのだろう。
中東、アフリカ、豪州など、世界の道なき道で長きにわたって活躍するランクルは、新型になっても使われ方は変わらないはず。人気はすでに沸騰中で、日本では今オーダーを入れても手に入るのは数年かかると言われているほどだ。価格も510万円からとライバルに比べて十分にリーズナブル。カタログをじっくりと眺めてオーダーを入れ、納車をのんびりと待つというのも「それもまた楽し」である。
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