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IMPRESSION
2021年12月19日
BMW M2に試乗──繊細にチューニングされたレースカーを思わせる走りが魅力|BMW
M4よりもダイレクト感が強い
当初のM2は2979cc直列6気筒エンジンを搭載し、最高出力は 272 kW(365 ps)と 最大トルク465 Nmをもっていた。18年8月に追加された今回の試乗車であるM2コンペティションは、302kW(410ps)と550Nmと出力は大きく引き上げられた。
「高性能エンジンのポテンシャルを最大限引き出すため」として、BMWでは、M4と同じラジエターやオイルクーラーで冷却効率をアップ。サスペンションシステムではダンパーとスタビライザーを強化。さらに「Mスポーツブレーキ」を備え、性能向上に応じて制動力も高めている。
軽量かつ高強度の炭素樹脂を使用したストラット・ブレイズでボディの剛性を上げ、さらに、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)のセッティングや、シャシーのチューニングまで施している。
一言でこのクルマの魅力を表現すると、適度にアグレッシブ、というのがいいかなとファンである私は思っている。仮に上級車種であるM4と乗り較べてみると、あちらは全体に大人っぽい。速いは速い。同時にカラースキームを含めて、エレガントで大人っぽさがある。
M2コンペティションは、もっともっとダイレクト感が強い。重めだけれどフィールのいいステアリングホイールと、アクセルペダルと、それにブレーキペダル。この3つが素晴らしいコンビネーションワークをみせてくれる。加速のよさと、いっぽうで、繊細な減速ができる制動力が、車名のとおり、繊細にチューニングされたレースカーを思わせるほどなのだ。
全長4475mm、車重1630kgのボディに対して3リッター6気筒エンジンのパワーは充分。というか、エンジンを楽しむために、できるかぎりコンパクトに凝縮したようなボディだけに、とぶように走る。