スポーツ性と軽快さをまとった新世代SUV、BMW X4に試乗|BMW
CAR / IMPRESSION
2015年2月12日

スポーツ性と軽快さをまとった新世代SUV、BMW X4に試乗|BMW

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

小さくてスマートな自分サイズのSUV

スポーツ性と軽快さをまとった新世代SUV、BMW X4に試乗

BMW 「X4」は、SUV「X3」をベースにクーペライクなボディあたえられたモデル。BMWが「X6」で先鞭をつけた、SUVにクーペのスポーティさとパーソナル性をプラスしたジャンルだ。あたらしく加わったミディアムサイズのX4に九島辰也が試乗した。

Text by KUSHIMA TatsuyaPhotographs by ARAKAWA Masayuki

SUVをクーペライクなボディでよりパーソナルに

スポーツクラブの駐車場で「X6ですね」といわれた「X4」。パレットに入るのかを聞いたときだったのだが、発売間もないこともあってまだまだ浸透していないようだ。信号待ちではX5のドライバーにジーッと見続けられた――

そんなX4をBMWはSAC(スポーツ アクティビティ クーペ)と呼ぶ。そもそも彼らはSUVのことをSAV(スポーツ アクティビティ ヴィークル)という名でカテゴライズしていた。ライバルとの差別化を図る上でのキャラクターづけのためだ。

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

そしてSACというワードは、「X6」をリリースしたときに登場した。クーペライクなフォルムを強調したかったのだろう。いまでこそ、レンジローバー「イヴォーク」やポルシェ「マカン」があるが、当時はかなり斬新なコンセプトだったのは言わずもがなだ。

X4はX3をベースにつくられた。X6がX5ベースなのとおなじように。余談だが、X5がフルモデルチェンジしたことでX6も変更を受け、昨年9月のパリサロンでお披露目されている。

X4に話を戻す。X3とのちがいだが、まずはスリーサイズからもキャラクターは読み取れる。まるでセダンとクーペの関係のように、X3が全長4,665×全幅1,880×全高1,675mmなのに対し、X4は4,680×1,880×1,625mmとなる。要するに、若干だが全長を伸ばして全高を低くしている。もちろん、ともにホイールベースは2,810mmだから、まんま「3シリーズ」と「4シリーズ」の関係となる。


BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

小さくてスマートな自分サイズのSUV

スポーツ性と軽快さをまとった新世代SUV、BMW X4に試乗(2)

扱いやすいサイズ感とSUVのアイポイント

ラインナップはX3が、20i/20d/28i/35iをベースにスタンダードとxLine 、M Sportを用意するのに対し、X4は28i/35iをベースにしたスタンダードとM Sportのみ。そもそもニッチな性格なだけに、ラインナップもかなり絞り込んだ。個人的にはディーゼルがあると嬉しいのだが、いまのところはお預け、である。

では、X4を実際に走らせるとどうなのか。主に試乗したのは28i M Sport。ボンネットの下には2リッター直4ターボが収まる。BMWファンならずともおなじみのユニットだ。このエンジン、よく走る。ストレスなく6,000回転オーバーまでまわるのが身上。いまさらだが気持ちがいい。

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

欲をいえば、一般道や高速道路を流しているうちはいいが、中間加速はもう少しほしいところ。そこであみ出したのが、走行モードの活用。当然、ずっとスポーツモードで走っていればほしいパワーは得られるのだが、それでは少々燃費が気になる。そこで瞬間だけスポーツモードにする。するとこの加速が楽しい。

ギアがひとつ落ち、上の回転域まで引っ張ってくれる。まるでパワースイッチのようだ。8段あるギアボックスは多段化された分、素早く上のギアへシフトする傾向が強い。省燃費のためだ。


BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

小さくてスマートな自分サイズのSUV

スポーツ性と軽快さをまとった新世代SUV、BMW X4に試乗(3)

軽快なハンドリングと硬めの足まわり

それはともかく、走れば走るほど馴染む。サイズもそうだし、アイポイントの高さもちょうどいい。X3ほど高くなくとも見晴らしはいい。SUVの特権はちゃんと備わっている。

それじゃリアシートはというと、ヘッドクリアランス以外なんら問題ない。身長180cmのカラダでは正直圧迫感があるが、それも慣れれば平気だろう。というか、そこを求めるならX3をオススメする。

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

ハンドリングはBMWのSUVグループに属す。軽快に鼻先の向きを変えるのが特徴だ。ロールはほとんどなく、挙動を乱さないのがイマドキ風。高めの減衰力のダンパーとスタビライザーでしっかりそれを実現する。それにしても最近のドイツ車は硬め。BMWもそうだし、メルセデスもそう。新型「Cクラス」ははじめて動かしたとき、けっこう驚いた。タイヤサイズは標準が19インチ、M Sportの中に20インチも選べる。

この他ではBMWのSUV各車の特徴にステアリンググリップの太さがある。メンズの手には支障はないが、女性やまだ運転に慣れていない人には少々つらいという意見もある。運転に慣れている人は軽く握るが、そうではい人はけっこうチカラが入っていたりするからだろう。

そんなX4だが、個人的にけっこう気に入った。ミネラルホワイトも、訴求力のある色であるメルボルンレッドもなかなかいい。パーソナル感が強い分愛着を持てる。もちろん、このカタチだからこそ強く思える。クーペとおなじ存在感。言うなれば、21世紀のクーペとなる。

価格は28iが600万円台、35iが700万円台。予算が許せば後者がオススメ。もち、M Sport。20インチのダブルスポークアロイホイールで足元の迫力を醸し出して。

BMW X4|ビー・エム・ダブリュー X4

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BMW X4 xDrive35i M Sport

ビー・エム・ダブリュー X4 xドライブ35i M Sport
ボディ|全長 4,680 × 全幅 1,900 × 全高 1,625 mm
ホイールベース|2,810 mm
トレッド 前/後|1,605 / 1,600 mm
重量|1900(1,920) kg (電動ガラスルーフ装着車)
最低地上高|205 mm
エンジン|2,979 cc 直列6気筒 直噴DOHC
最高出力| 225 kW(306 ps)/5,800rpm
最大トルク|400 Nm(40.8 kgm)/1,200-5,000 rpm
トランスミッション| 8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前|ダブルジョイント スプリング ストラット
サスペンション 後|5リンク
タイヤ 前|245/45R19
タイヤ 後|275/40R19
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッド ディスク
燃費(JC08モード)|12.1 km/ℓ
価格|790万円

BMW X4 xDrive 28i|ビー・エム・ダブリュー X4 xドライブ28i
ボディ|全長 4,680 × 全幅 1,880 × 全高 1,625 mm
ホイールベース|2,810 mm
トレッド 前/後|1,605 / 1,600 mm
重量|1870(1,890) kg (電動ガラスルーフ装着車)
最低地上高|205 mm
エンジン|1,997 cc 直列4気筒 直噴DOHC
最高出力|180 kW(245 ps)/5,000rpm
最大トルク|350 Nm(35.7 kgm)/1,250-4,800 rpm
トランスミッション| 8段AT
駆動方式|4WD
サスペンション 前|ダブルジョイント スプリング ストラット
サスペンション 後|5リンク
タイヤ 前|245/45R19
タイヤ 後|275/40R19
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッド ディスク
燃費(JC08モード)|13.7 km/ℓ
価格|674万円

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