Volkswagen Polo|フォルクスワーゲン・ポロ(後編) | 小さくてもジャーマンクオリティ
CAR / IMPRESSION
2015年2月19日

Volkswagen Polo|フォルクスワーゲン・ポロ(後編) | 小さくてもジャーマンクオリティ

Volkswagen Polo|フォルクスワーゲン・ポロ(後編)

小さくてもジャーマンクオリティ

フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンが発売した小型車ポロ(203万円)。4メートルを切るコンパクトな全長に、低回転域から豊かなトルクを発生する1.4リッターエンジンを組み合わせた4ドアハッチバック。作りのよさと経済性を併せ持った高品質のドイツ車だ。

文=小川フミオ写真=河野敦樹

操縦性と経済性を両立させた新世代のギアボックス

実際にポロを運転すると、1080kgという軽量ボディの恩恵もあり、1.4リッターという数字から期待する以上によく走る。上りと下りが交互にあらわれるワインディングロードでも力不足を感じさせることはない。85psのパワーはこのクルマに充分で、気持ちのよいドライブができる。

ハンドリングも素直。車両の応答性も悪くなく、キビキビとした運転が楽しめる。ボディは小さくても操縦感覚が鈍だとなんだかもっさりした印象を受けてしまうが、ポロは剛性感の高いボディの恩恵もあるだろう、軽快なフットワークを見せる。このあたりの出来のよさは、近年のフォルクスワーゲン車で大いに注目すべき点。ハンドルの重さも軽すぎず、それが適度に大人っぽい印象を与える。

DSGはクラッチがつながるのにタイムラグを感じる瞬間もあるが、慣れてしまえばラク。人間がシフトするよりはるかに短い時間でシフトアップおよびシフトダウンをしてくれる。欧州車には油圧でクラッチを操作する2ペダル式のマニュアルギアボックスを搭載しているモデルもあるが、DSGはそれとは較べものにならないぐらい痛快だ。体験してみれば、操縦性と経済性を両立させた新世代のギアボックスとして日本の自動車会社も注目しているのが、よくわかるはずだ。

キャビンの広さが印象的

実用性の面ではキャビンが広いのが強く印象に残る。後席に175cmの大人が2人腰かけてもレッグルームもヘッドルームも多少の余裕が残るほど。そのぶん荷室のスペースは限られるが、4人乗車でなければ簡単にリアシートを折りたためるので、大きな荷物も搭載可能だ。

ポロがいいのはディテールでの質感の高さ。たとえばヘッドランプやリアのコンビネーションランプを見ればわかるように、作りに手が込んでいる。ポロの後続車のドライバーは、そんなところを見て、「フォルクスワーゲンは小さいけれど高品質のクルマを作るなあ」とはっきりとではないにしても意識することもあるはず。オーナーのプライドをくすぐるばかりか、次の買い換え時には候補に入れたくなるような、潜在的需要を喚起する役割も果たしているのではないかと思ってしまう。

難をいえば内装の作りに「203万円」という抑えた価格を意識してしまうこと。たとえばドアの内張りの品質感。それからリアシートを畳むとき、まず座面をずらして、それから背もたれを前に倒すが、そのシートが「えっ?」と思うような簡略な作りだ。でも逆にいえば、そんな「簡略」な作りにもかかわらず乗り心地はいいのは大したもの。かつ折り畳むときは軽くて女性でも簡単というメリットにもなっている。設計がいいのだろう。

クルマを道具として使いたおすようなひとはもちろん、やっぱり小さくてもドイツ車の品質感が欲しいというひとにも、ポロは向いている。ただ今年、1.2リッターの過給器付きエンジン搭載モデルの導入も発表されていることを付記しておく。

Volkswagen Polo 1.4 Comfortline|フォルクスワーゲン ポロ1.4 コンフォートライン
ボディ|全長3995×全幅1685×全高1475mm
エンジン|1.4ℓ 直列4気筒DOHC
最高出力|63kW[85ps〕/5000rpm
最大トルク|132Nm[13.5kgm〕/3800rpm
駆動方式|前輪駆動
トランスミッション|7速デュアルクラッチシステム(DSG)
価格|203万円

フォルクスワーゲンカスタマーセンター
0120-993-199

           
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