新しくなったeゴルフ&ゴルフGTEに試乗|Volkswagen
CAR / IMPRESSION
2017年5月8日

新しくなったeゴルフ&ゴルフGTEに試乗|Volkswagen

Volkswagen Golf GTE|フォルクスワーゲン ゴルフGTE

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

新しくなったeゴルフ&ゴルフGTEに試乗

2016年11月にマイナーチェンジを果たした第7世代のフォルクスワーゲン「ゴルフ」。すでにインプレッションをお伝えしたガソリンエンジンやディーゼルエンジンに加え、EVモデル「eゴルフ」やプラグイン ハイブリッドモデル「ゴルフGTE」も同時にアップデートされている。これら最新の電動化モデルたちについて、金子浩久氏がリポートする。

Text by KANEKO Hirohisa

進む自動運転化

フォルクスワーゲン「ゴルフ」に大きめのマイナーチェンジが施された。スペインのマヨルカ島で行われたメディア試乗会での様子を報告したい。

まずは外観。フロントとリアのバンパーデザインが一新され、よく見るとヘッドライトにLEDが採用されている。さらに最上級グレードになると、フルLEDテールライトにダイナミック ウインカーも用いられている。上級セグメント並みの押し出しだ。

ベースモデルに新エンジン1.5TSI(96kW/110kW)が初搭載されたり、7段DSGに改良が加えられ、燃費が向上したりもした。

車内に乗り込めば、ジェスチャーコントロール機能を備えた「Discover Pro」インフォテインメントシステムや、より大型のタッチスクリーンも導入された。

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Volkswagen e-Golf

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Volkswagen Golf GTE

インターネットに接続する「ガイド&インフォーム」が車載のSIMカードによって利用可能となりコネクティビティも拡充した。もちろん、スマートフォンを接続してのテザリングによるアクセスも可能だ。

さらに、渋滞時のストップ アンド ゴーに対応可能な「トラフィックジャム アシスト」が採用され、半自動運転(運転支援)がレベルアップした。

これは、60km/h以下での走行中に前車との車間距離を一定に保ちながら追随し、その後の停止と発進を繰り返す。さらに、車線の中央部分をキープし続けることもアシストする。ドライバーによって右寄りや左寄りに走る習性にも対応するというから驚きだ。

つまり、新しいゴルフは前後方向にも横方向にもクルマの動きを制御することが可能となり、運転の自動化(運転支援)をさらに前進させた。事故防止、省エネ、ドライバーの負担軽減に大きく貢献する技術だ。

Volkswagen Golf GTE|フォルクスワーゲン ゴルフGTE

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

新しくなったeゴルフ&ゴルフGTEに試乗 (2)

電動モデルたちもアップデート

運転の自動化やコネクティビティの拡充と併せて、現在のクルマが推進しなければならない課題の一つに、パワートレインの電動化が挙げられる。

パワートレインの電動化については、すでにゴルフにはプラグインハイブリッド版の「ゴルフGTE」が日本でも導入されている。その優れたドライバビリティと独特な走行フィールを筆者は高く評価してきた。

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Volkswagen Golf GTE

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Volkswagen Golf GTE

今回はソフトウエアとメカトロニクスの改良が施された。「細かな改良の積み重ね」だけだと開発者のフィリップ博士は言うが、これが実に大きな成果を上げていることをマヨルカの路上で確認することができた。

エンジンとモーターの切り替わりやパワーの制御がキメ細かくなり、あらゆる速度域で実にスムーズかつパワフル、そして静かに走る。上質でいて、快適この上ない。エンジンのみのゴルフ各車と“次元が違う”と断言して構わないだろう。

また、GTEにはGTEボタンがセンターコンソールに設けられている。これを押すと、エンジンとモーター、トランスミッションなどのパワー特性が一気に変わり、アクセルワークに敏感に反応して、素早く最大限に大きなパワーを引き出せるようになる。

平坦な一般道を走っていると分かりにくいが、アップダウンのあるワインディングロードで顕著に現れてくる。スポーティに走れて、クルマが活き活きしてくる。モーターをエコドライブだけでなく、パフォーマンスにも巧みに活用している好例だ。

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Volkswagen e-Golf

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Volkswagen e-Golf

初代ゴルフに1976年に設定された「ゴルフGTI」はホットハッチというジャンルそのものを作り上げたが、ゴルフGTEはそれを全面的に革新する“21世紀のゴルフGTI”である。

ホットハッチというジャンルが今後も生き延びるとすれば、GTEのようなモーターを有効に活用するのが最善の策ではないだろうか。そう深く思わされるほどの完成度の高さだ。

Volkswagen Golf GTE|フォルクスワーゲン ゴルフGTE

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ

新しくなったeゴルフ&ゴルフGTEに試乗 (3)

ライバルたちに較べてひと足もふた足も大きい進化

ピュアEVの「e-ゴルフ」は今年秋に初めて日本に導入される。カタログ値での航続距離は約300km、エンジニアによると現実の路上でも約200kmは走るという。CHAdeMO対応の急速充電だから使いやすい。GTEと同じようにモーターによってスムーズで静かに走る。EVであることと同時に、優れた居住性や多用途性は他のゴルフと変わらない点がとても現実的だ。

「ゴルフR」と「ゴルフ Rヴァリアント」は310psにパワーアップされた。申し分ない仕上がり具合なのだが、GTEの今日性の高さと比較してしまうと、その存在感と方法論は“20世紀的”と言わざるを得ないだろう。

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Volkswagen e-Golf

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Volkswagen Golf GTE

ゴルフは、今回のマイナーチェンジで、パワートレインの電動化、運転の自動化(運転支援)、コネクティビティの拡充という三つの課題を高いレベルで実現した。その進化具合はライバルたちに較べてひと足もふた足も大きい。1974年のデビュー以来、あらゆる新技術を他に先駆けて採用し、世界の自動車のベンチマークとなってきたゴルフだけのことはある。より上級のセグメントのクルマをも凌駕しており、セグメントを超えたベンチマークとなっている。GTEの熟成ぶりがとても印象的だった。

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Volkswagen Golf GTE|フォルクスワーゲン ゴルフ GTE
ボディサイズ|全長 4,276-4,370 × 全幅 1,799 × 全高 1,484 mm
ホイールベース|2,630 mm
トレッド 前/後|1,533-1,549 / 1,503-1,521 mm
最低地上高|140 mm
最小回転半径|5.45 メートル
重量|1,615 kg
エンジン|1,395 cc 直列4気筒ターボ
エンジン最高出力| 110 kW(150 ps)/ 5,000-6,000 rpm
エンジン最大トルク|250 Nm/ 1,500-3,500 rpm
モーター最高出力| 75 kW(102 ps)/ 2,500 rpm
システム統合最高出力| 150 kW(204 ps)/ 2,500 rpm
システム統合最大トルク(ブースト時)|350 Nm
トランスミッション|6段AT(6DSG)
駆動方式|FF
0-100km/h加速|7.6 秒
最高速度|222 km/h
燃費(NEDC)|1.8-1.6 ℓ/100km(55.6-62.5 km/ℓ)
CO2排出量|40-36 g/km
トランク容量|272 - 1,162 リッター
※欧州仕様値

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン eゴルフ
ボディサイズ|全長 4,270 × 全幅 1,799 × 全高 1,482 mm
ホイールベース|2,629 mm
トレッド 前/後|1,533-1,549 / 1,503-1,521 mm
最低地上高|143 mm
最小回転半径|5.45 メートル
重量|1,615 kg
最高出力| 100 kW(136 ps)/ 3,000-12,000 rpm
最大トルク|290 Nm(25.5 kgm)/ 0-3,000 rpm
駆動方式|FF
バッテリー|リチウムイオン 35.8 kWh
0-100km/h加速|9.6 秒
最高速度|150 km/h
燃費|12.7 kWh/100km(7.9 km/kWh)
最長航続距離|300 km
CO2排出量|0 g/km
トランク容量|341-1,231 リッター
※欧州仕様値

           
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