新型アウディ A4 アバントに試乗|Audi
Audi A4 Avant|アウディ A4 アバント
新型アウディ A4 アバントに試乗
乗るとどんどん好きになる
4代目となる新型アウディ「A4セダン」の日本導入から遅れること2カ月。4月20日発売されたワゴンモデル「A4 アバント」にさっそく試乗した。
Text by OGAWA FumioPhotographs by ARAKAWA Masayuki
ボディはやや大型化
アウディ「A4」のステーションワゴン版である「A4アバント」がフルモデルチェンジ。2016年4月より日本発売が開始された。5代目にあたる新型A4アバントは、スタイリッシュな外観を維持しながら、自動安全装備の充実と、大幅な燃費低減がセリングポイントになっている。
新型アウディA4アバントのラインナップは、下記のようになる。
A4 アバント 2.0TFSI(547万円)
A4 アバント 2.0TFSIクワトロ(626万円)
「A4 アバント 2.0TFSI 」は2リッター4気筒エンジンを搭載した前輪駆動。140kW(190ps)の最高出力と320Nmの最大トルクを持つ。こちらはアトキンズンサイクルが採用されている。いっぽう「A4 アバント 2.0TFSIクワトロ」はフルタイム4WDシステム搭載。排気量は2リッターながらパワーが上がっている。最高出力は185kW(252ps)、最大トルクは370Nmだ。
新型A4アバントのボディは、やや大型化している。全長は4,735mmで従来型より15mm大きくなった。全幅はプラス15mm。いっぽう全高はマイナス10mmだ。ホイールベースは15mm延長されて2,825mmとなっている。いっぽうで重量は軽量化が進められ、最大で120kg軽くなっているそうだ。サスペンションシステムも全面的に再設計。リアとともにフロントもストラット式でなく5リンク式となった。ハンドリングと乗り心地のバランスを考えてとアウディでは説明している。
Audi A4 Avant|アウディ A4 アバント
新型アウディ A4 アバントに試乗
乗るとどんどん好きになる (2)
誰もがアウディとわかるスタイリング
A4アバントは新型になっても、誰もがアウディとすぐわかるスタイリング上のアイデンティティを貫いている。シングルフレームグリル、やや傾斜角の強いリアテールゲート、それにボディ2に対してキャビン1の割合で厚みをもたせたプロファイル、といった具合だ。いっぽうでシングルフレームグリルは(さきに発表されたセダン同様)角が鋭角的になり、変型ヘッドランプとともに新しさが強調されている。
側面を抱え込むようにラップアラウンドしているためクラムシェル(二枚貝)とアウディが呼ぶフェンダー。そのフェンダーのパーティションラインとつながるようにボディ側面をリアまですっと1本の線で結ぶキャラクターラインによる躍動感。大きく見えるタイヤハウスのくり抜きも力強さを感じさせている。スポーティなドライビングが好きなパーソナル性の強いステーションワゴンという個性が特徴だ。
インテリアの造型も一新されている。既発のセダンと同様のテーマが採用されており、広々とした感じがとても好ましい。ダッシュボードは水平基調になり、エアコンの吹き出し口も円形でなく横長でダッシュボードに広く拡がる。機能的であり、またインテリアとしても造型美を感じさせる。センタートンネルには新しい造型で使い勝手がよいギアセレクターと、アウディ マルチメディア インターフェイス(MMI)のコントローラーが設置されている。
「インテリアは従来型に比べてすべての面でディメンションが大きくなりました」。アウディが用意した資料にある言葉だが、実際、前後席ともにこの言葉にはうそはないと感じる。後席も大人2人には十分すぎるほどの余裕があるのだ。
Audi A4 Avant|アウディ A4 アバント
新型アウディ A4 アバントに試乗
乗るとどんどん好きになる (3)
操縦感覚が抜群によくなった
試乗したのはA4アバント2.0TFSIクワトロ(626万円)だ。MLBエボと呼ばれるエンジン縦置き用プラットフォームを使っている。1984cc 4気筒エンジンの最高出力は185kW(252ps)/5,000-6,000rpm、いっぽう最大トルクは370Nm/1,600-4,500rpmだ。
発進はじつにスムーズだ。最大で120kgという軽量化も寄与しているかもしれない。軽快な出足だ。加えて低回転域から最大トルクが出る設定が効果を発揮している。7段ツインクラッチ「Sトロニック」が効果的にエンジン回転を使い、「アウディ ドライブ セレクト」でダイナミックモードを選択すると、よりスポーティな加速感を味わわせてくれる。従来のA4アバントは無段変速機搭載だったが、ツインクラッチになって、ダイレクト感がうんと増し操縦感覚は抜群によくなった。
フルタイム4WDであるクワトロシステムは通常走行時に後輪に60パーセントのトルクを配分する。ドライブの楽しさを追求する最近のアウディの傾向に則ったもので、ここにクワトロが前輪駆動版と大きく違う点がある。ファン・トゥ・ドライブを追求するユーザーがクワトロを志向するのは理由あることなのだ。もちろん、いざというときの備えもクワトロは万全である。状況に応じてフロントには最大で70パーセント、いっぽうリアには85パーセントまでトルクが可変配分される。
ステアリングホイールは軽めの設定だけれど、車体の反応性は高い。これもスポーティで好ましい点だ。足回りは硬すぎず、車体をフラットに保つ。「ホイール セレクティブ トルク コントロール」といってコーナリング時に内側の車輪用ブレーキを自動制御してライン取りのニュートラル性を守る機能も採用されている。
Audi A4 Avant|アウディ A4 アバント
新型アウディ A4 アバントに試乗
乗るとどんどん好きになる (4)
充実の先進的安全装備
広々としたリアシートを持つだけに上質感にもつながり、上手な設定だと強く感じられる。提供してくれる価値としては、構成員の年齢が高かろうが家族4人でつねに使え、ステーションワゴンの利便性とともに、クーペ的なスタイリッシュさで実用一辺倒にならない、というところだろうか。いいぐあいに境界線を進んでいくコンセプトは健在である。
先進的安全装備においても新型A4アバントは充実している。セイフティベルトの巻き上げを強めウィンドウなどを閉じる「アウディ プレセンス ベーシック」。約85km/hまでの範囲で周囲のクルマや歩行者などとの衝突を回避もしくは被害低減のために自動ブレーキを使う「アウディ プレセンス シティ」。60km/hから250km/hまでの範囲で車両が走行レーンを逸脱しないよう警報とステアリングへの自動介入を行う「アウディ アクティブ レーン アシスト」。
さらに先行車追従に加え自動停止機能も備えた「アダプティブ クルーズ コントロール」と、その機能を拡大し、渋滞時のノロノロ運転時に追従走行と、自動ステアリングホイール操作を行う「トラフィック ジャム アシスト」も用意されている。ステアリングホイール操作を自動で行う「アウディ パーキング システム」、死角に接近してくる車両を検知する「アウディ サイド アシスト」、後退時にも同様の検知を行う「アウディ プレセンス リア」。多くの安全装備が用意されている。
燃料消費も大きく改善されている。A4アバント 2.0TFSIクワトロは15.5km/ℓ(JC08モード)だ。いっぽう前輪駆動のA4アバント 2.0TFSIは、圧縮比の引き上げや吸排気バルブタイミング制御をより緻密にすることで18.4km/ℓという。従来型より33パーセントもの改善で、「2リッタークラスのガソリンエンジンとしてはトップレベル」とアウディの日本法人では言う。
運転席に座っていると、落ち着いて快適な気分でいられる。上質なつくりの室内空間、ドライバーとの意思疎通に長けた感じのドライブトレイン、そして安全装備の数かず。乗っていると、どんどん好きになるクルマだろう。アウディの美点は新型A4アバントにもしっかり引き継がれていると感じる。
Audi A4 Avant 2.0TFSI|アウディ A4アヴァント 2.0TFSI
ボディサイズ|全長 4,735 × 全幅 1,840 × 全高 1,455 mm ※スポーツは-20mm
ホイールベース|2,825mm
重量|1,580kg
エンジン|1,984 cc 直列4気筒 直噴DOHC インタークーラー付ターボ
ボア×ストローク|82.5 × 92.8 mm
圧縮比|11.8
最高出力|140 kW(190 ps)/4,200-6,000rpm
最大トルク|320 Nm(32.6 kgm)/1,450-4,200rpm
トランスミッション|7段DSG(Sトロニック)
駆動方式|FF
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
サスペンション 前/後|ウィッシュボーン式 / ウィッシュボーン式
最小回転半径|5.5 メートル
トランク容量|405-1,510 ℓ
燃費(JC08モード)|18.4 km/ℓ
ハンドル位置|右
価格|(2.0TFSI)547万、(2.0TFSI スポーツ)585万円
Audi A4 Avant 2.0TFSI quattro|アウディ A4アヴァント 2.0TFSI クワトロ
ボディサイズ|全長 4,735 × 全幅 1,840 × 全高 1,455 mm ※スポーツは-20mm
ホイールベース|2,825mm
重量|1,680 kg
エンジン|1,984 cc 直列4気筒 直噴DOHC インタークーラー付ターボ
ボア×ストローク|82.5 × 92.8 mm
圧縮比|11.8
最高出力|185 kW(252 ps)/ 5,000-6,000 rpm
最大トルク|370 Nm(37.7kgm)/ 1,600-4,500 rpm
トランスミッション|7段DSG(Sトロニック)
駆動方式|4WD
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
サスペンション 前/後|ウィッシュボーン式 / ウィッシュボーン式
最小回転半径|5.5 メートル
トランク容量|405-1,510 ℓ
燃費(JC08モード)|15.5 km/ℓ
ハンドル位置|右
価格|(2.0TFSI クワトロ)626万円 、(2.0TFSI クワトロ スポーツ)653万円
アウディ コミュニケーションセンター
0120-598-106
http://www.audi.co.jp/