新型MINI クラブマンに試乗|MINI
CAR / IMPRESSION
2015年12月10日

新型MINI クラブマンに試乗|MINI

MINI Cooper Clubman|ミニ クーパー クラブマン

新型MINI クラブマンに試乗

ファミリーに1台あればなんでもこなせるクルマ

「MINI」が属するプレミアム スモール コンパクト セグメントのひとつ上、プレミアム コンパクト セグメントのモデルとして追加された「MINI クラブマン」。先月、日本にも導入されたその新型に、モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。

Text by OGAWA FumioPhotographs by ARAKAWA Masayuki

機能性重視のパッケージング

「MINIクラブマン」は、従来のMINIとはちがう。とは、輸入元のBMWジャパンの謳い文句だ。なぜかというと、サイズが大きくなったからだ。もちろん、最大の特徴は、前ヒンジの4枚ドアを備えたところにある。市場調査によると、MINIのオーナーは2台所有が多いけれど、MINIクラブマンなら1台あればなんでもできる、と強調される。それで、従来のMINIでは届かなかったあたらしい市場を狙うようだ。

新型MINIクラブマンのラインナップは、2つのモデルからなる。1.5リッター直列3気筒の「MINI クーパー クラブマン」(344万円)と、2リッター直列4気筒の「MINI クーパーS クラブマン」(384万円)だ。なにより重要な点はサイズにあって、「MINI5ドア」と比較すると、全長で270mm、ホイールベースで105mm長い。「MINI クロスオーバー」より荷室容量こそ限られるものの、メリットもある。立体駐車場に入れられるのだ。

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

全長は4270mmでホイールベースは「MINI 5ドア」より105mm長い2670mm、というMINIクラブマン。実際に室内は、空間的な余裕がたっぷりある。MINIのコンセプトとして、インテリアには適度なタイトさをもたせていた。MINIクラブマンでは、より機能を重視してパッケージングを見直したといえる。後席は175センチの人間でもレッグルームとヘッドルームに余裕がある。シートクッションは厚みがあり、バックレストも高く、ホールド性は悪くない。長距離ドライブも大丈夫だろう。

使い勝手でいうと、荷室容量が360リッター確保されているのが機能的だ。観音開きのハッチは、スタイル上の個性というばかりか、意外に使いやすい。ハッチが小さいからスペースが狭いところでも、荷物の出し入れがしやすい場合があるのだ。しかも脚の動きで自動に開く機構も備えている。

クーパーSは走りもよかった。

MINI Cooper Clubman|ミニ クーパー クラブマン

新型MINI クラブマンに試乗

ファミリーに1台あればなんでもこなせるクルマ (2)

思わず破顔するファン・トゥ・ドライブ性

試乗したのは、パワフルなMINIクーパーSクラブマン。2リッター4気筒エンジンは、クーパーの3気筒とベースをおなじくするモジュラーユニットだ。1気筒500ccで構成されている。1.5リッターのクーパーと比較すると、最高出力は41kW多い141kW(192ps)、最大トルクは60Nm増えて280Nm。トランスミッションは、クーパーが6段オートマチックであるのに対して、クーパーSは8段オートマチックがおごられている。

クーパーSに乗ると、数値が表すより、ずっと活発で楽しいとわかる。最大トルクが1,250rpmという低回転から出はじめる設定で、発進のダッシュ力がある。かつ、中間加速も鋭い。とくに、「パフォーマンスコントロール」という機構を使うと、走りのよさが際立つ。シフトレバー中立位置が「コンフォート」。右が「グリーン」(エコモード)、左が「スポーツ」となる。好みで選べる。

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

スポーツモードは、クーパーSに期待される俊敏さが、より強調される。軽くアクセルペダルを踏み込んだだけで、胸のすくような加速感を味わえる。ハンドリングは素直。曲がっていく時、ステアリングホイールの感触に、ややラバリーなかんじがあるのはブッシュのせいだろうか。それを除けば、コントローラブルで、運転していると思わず破顔するファン・トゥ・ドライブ性を備えている。

「パフォーマンスコントロール」はよくできているが、そもそもクルマの素性がいい、というかんじだ。コンフォートでも(市中では「グリーン」でも)、操縦性はかなり楽しい。加速に突出しているとか、脚まわりが硬すぎるとか、そういうことはない。全体としてのバランスがいい。試乗したモデルは、「スポーティな走りと快適性を両立する」と謳われる「ダイナミックダンパーコントロール」(7万7,000円のオプション)が、サスペンションに備わっていたこともあるのだろうか。まさにすべてをカバーしてくれるクルマだと感じられた。

スタイリングはいいかんじだ。それには理由がある。

MINI Cooper Clubman|ミニ クーパー クラブマン

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ファミリーに1台あればなんでもこなせるクルマ (3)

MINI一族に共通するスポーティさ

MINIクーパーSクラブマンは、ブラックアウトされたメッシュグリルとLEDヘッドランプなどが識別点だ。クーパーと共通しているのは、横から見た時のかっこよさだ。ルーフとボディが後ろにいくにしたがって、少しすぼまって見える。それがステーションワゴンのような実用一辺倒の雰囲気を消して、アクティブなドライバーズカーであるというイメージを強く感じさせる。好ましいスタイリングだ。

すいすい曲がるゴーカートフィーリングにこだわりつづけるだけある。プレミアムコンパクトいう、従来よりひとつ上のセグメントに入るMINIクラブマンだが、製品のコアには、MINI一族に共通するスポーティさをもっていると感じさせるのだ。

インテリアのオプションも豊富だ。レザーシートは色のバリエーションもいいし、クロスステッチも選べる。ショルダーを丸くかたどったモダンなシェイプのシートに、古典的なパターンやカラーを組み合わせられるのは、MINIだけの魅力といえる。

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパーS クラブマン

トグルスイッチ型のスターターと、大きな円形のメーターナセルは、従来のMINIに共通する意匠である。しかしメーターの中には、最先端のコネクト機能と関連する情報が表示される。ナビゲーションをはじめ、音楽などの車載インフォテインメントなどが使えるのだ。そこにもあたらしさがある

室内は通常の使用条件下ではかなり静粛性が高い。路面やエンジンルームからの透過音は低く抑えられているし、風切り音もごく小さい。“プレミアム”コンパクトとは、大きさのことだけではない。クオリティのことも意味しているのだと、乗っているうちに理解が深まる。

クーパーSは通常スポーティさをウリにしたモデルだが、印象としては“あたり”がやわらかく、万人向けというメーカーの意図どおりに仕上がっていると感じられた。燃費はリッター16.6キロ、クーパーは17.1キロ(ともにJC08モード)と発表されている。実用上はこれほどよくはないにせよ、けっして悪くない数値だろう。たしかにファミリーに1台あればなんでもこなせるモデルだと思う。

MINI Cooper S Clubman|ミニ クーパー S クラブマン
ボディサイズ|全長 4,270 × 全幅 1,800 × 全高 1,470 mm
エンジン|1,998 cc 直列4気筒DOHC
最高出力| 141 kW(192 ps)/ 5,000 rpm
最大トルク|280 Nm/ 1,250 - 4,600 rpm
トランスミッション|8段オートマチック
ラゲージ容量|360-1,250 リットル
価格│ 384万円

問い合わせ先

MINIカスタマー インタラクション センター

0120-3298-14 (平日 9:00-19:00 土日祝 9:00-18:00)

           
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