現代によみがえった“ドルチェ・ヴィータ”──フェラーリ ローマ発表会リポート|Ferrari
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2019年12月3日

現代によみがえった“ドルチェ・ヴィータ”──フェラーリ ローマ発表会リポート|Ferrari

Ferrari Rome|フェラーリ ローマ

LA NUOVA DOLCE VITA──現代によみがえった“ドルチェ・ヴィータ”

フェラーリからまったく新しいモデルである「ローマ」が発表されたのは既報の通り。イタリアの首都であり、車名にも採用されているローマでのワールドプレミアに参加した筆者が、その詳細をリポートする。

Text by YAMAGUCHI Koichi

“アンダーステイトメント(控えめ)なラグジュアリー”というコンセプト

フェラーリの最新のクーペモデル「ローマ」。その発表の舞台となったのは、1960年ローマオリンピックの舞台となったスタジアム「スタジオ・オリンピコ・ディ・ローマ」の敷地に建てられた特設会場だった。エントランスまでの長いアプローチにはレッドカーペットが敷かれており、ファッションショーや国際映画祭と見紛うような演出がなされているのが印象的だ。

エントランスから内部に歩を進めると、トンネルのような薄暗い回廊があり、その先にはおよそクルマの発表会場とは思えないスペースが広がっていた。入ってすぐの一角には壁一面にさまざまなお酒のボトルがディスプレイされた巨大なバーカウンターがあり、天井から吊り下げられた豪奢なシャンデリアが重厚な雰囲気を醸し出している。

ボールルームのような広々とした空間には、前方のステージを望むように、アンティーク調の椅子やテーブル、ソファなどがゆったりと配置されており、さながらラグジュアリーホテルのラウンジのようだ。数箇所に設置された大きなスクリーンには、イタリア映画界の巨匠、フェデリコ・フェリーニが、50年代ローマのセレブリティたちの享楽的なライフスタイルを描いた作品「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」(1960年)のシークエンスと、「LA NUOVA DOLCE VITA(新しい甘い生活)」の文字が映し出されている。

やがて、フェラーリのマーケティング&広報部門最高責任者であるエンリコ・ガリエラ氏がバーカウンターの前に現れ、カプチーノを片手に語り始めた。
「ローマは、アート、カルチャー、建築、そして“美”といったものを象徴する街です。ローマは、イタリアのライフスタイルを代表する街でもあります。私はローマに来ると、いつも時間をつくって、この美しい街を堪能します。たとえば有名なヴェネト通りのすてきなカフェで、カプチーノや食前酒を楽しんだりするように。
カプチーノを飲みながら目を閉じれば、即座に60年代のローマへと誘われるでしょう。人々が生き生きとし、人生の悦びに満ちていた当時のローマは、“ドルチェ・ヴィータ”の時代として世界的に知られていました。それはまた、ローマでの人生を謳歌することをテーマにした、マルチェロ・マストロヤンニ主演のイタリア映画としても有名です」

ちなみに、ガリエラ氏がスピーチで話題にしたヴェネト通りは、映画「甘い生活」の中で、マルチェロ・マストロヤンニ演じる新聞記者や、アニタ・エクスバーグ演じるヒロインのアメリカ人女優たちが日々訪れ、歓楽に酔いしれたカフェや高級ホテルが立ち並ぶ、ローマでも屈指のスノッブなエリアだ。我々プレス陣に手配された宿泊施設も、映画の舞台となったヴェネト通りにたたずむクラシックホテルだった。

ガリエラ氏はさらに続ける。
「私たちが今ここでトライしようとしているのは、ドルチェ・ヴィータというローマにおける特別な時代を、現代によみがえらせることです。それこそが、“ヌォーバ・ドルチェ・ヴィータ(新しい甘い生活)”なのです。それはつまり、日々の生活にどのようにアプローチして、人生を楽しむか、ということです。
私たちは多忙な日々を送っています。そんな毎日のなかで時間を見つけて、好きなことを楽しむ。たとえば、スマートフォンのスイッチを切り、お気に入りのカフェで美しい街並みを眺めながら、一杯のカプチーノを味わう。私たちにとって、それはとても大切なひとときとなるでしょう」

こうした価値観をコンセプトとするクルマをどうかたちにするか──やはり、フェラーリであるからには、最高のファン・トゥ・ドライブを体験できることが重要だとしたうえで、ガリエラ氏はさらに語る。
「フェラーリオーナーの方々で、たとえばヴェネト通りのカフェでのひとときを楽しんでいるような、人生を謳歌している人たちのなかには、最高のパフォーマンスを持つファンタスティックなフェラーリを所有したいけれど、スタイリングはモダンかつ控えめで、ワインディングロードから、劇場やカフェなどへの街乗りまで、毎日のように乗れるモデルが欲しい、という方々がいらっしゃることに気づいたのです」

そこで導き出されたのが、“アンダーステイトメント(控えめ)なラグジュアリー”というコンセプトなのだという。
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