CAR /
FEATURES
2024年10月17日
アジア太平洋地域ディレクター、シャーロット・ディクソンさんが語るマクラーレンのブランド戦略|McLaren
「改善」という言葉との出合い
ところで、ディクソンさんの話を聞いていて印象的なのが「改善」という言葉が頻出することだ。その理由を尋ねると、興味深いエピソードが明かされた。
「父が自動車業界で働いていた関係で、幼少期から日本の自動車産業に由来するこの言葉に触れる機会がありました。どんなに成熟した市場であっても、常に改善の余地があると考えています。例えば日本や台湾は好調な市場ですが、そこにも更なる可能性が潜んでいるはずです。絶えず改善を追求し、より優れたソリューションを模索する——それが私の信念です」
そもそも大学を卒業したディクソンさんが、ラグジュアリーカーブランドに就職したのも、父親の影響が大きいという。
「父が自動車業界に身を置いていたため、幼少期から自動車に関する話題に触れる機会が多々ありました。大学卒業時、父からは『自動車業界は女性の昇進が難しい』との助言がありましたが、私はチャレンジングな環境を好むため、むしろ挑戦してみようと決意しました。マクラーレンが素晴らしいのは、私自身もそうですが、エンジニアであったりグローバルマーケティングであったり、重要なポジションに女性が登用されていることです。これにより、スーパーカーブランドでありながら、女性にもアプローチしやすいブランドイメージを構築できていると考えています」
シャネルやルイ・ヴィトンなどのラグジュアリーブランドも大好きだというディクソンさん。マクラーレンはハイパフォーマンスとラグジュアリーを兼ね備えており、そのようなブランドに携わることが仕事への大きなモチベーションにつながっていると語る。そんなディクソンさんは、マクラーレンの魅力について「トライ・イット」という言葉で表現した。
「百聞は一見にしかずではないですが、実際に体験していただくことが最も重要です。レスポンス、デザイン、テクノロジー、エンジンサウンド——これらの要素が融合した他のブランドでは得られないエキサイトメントを体感できるからです」