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2024年10月17日
アジア太平洋地域ディレクター、シャーロット・ディクソンさんが語るマクラーレンのブランド戦略|McLaren
McLaren|マクラーレン
最新モデル「アルトゥーラ スパイダー」のショートインプレッションもお届け
マクラーレン・オートモーティブのアジア太平洋地域ディレクターに就任したシャーロット・ディクソンさん。彼女が来日した際に「マクラーレン横浜」にてインタビューする機会を得た。女性としては初となるアジア太平洋地域ディレクターが語る、今後のビジョンとマクラーレンの魅力とは?
Text by YAMAGUCHI Koichi|Photographs by McLaren Automotive
日本のマーケットの特殊性とは?
F1というレース界の頂点で切磋琢磨し、その技術を公道へと落とし込んできたマクラーレン。その名を冠したスーパーカーは、世界中のカーエンスージアストを魅了し続けている。そんなマクラーレンのアジア太平洋地域を率いる新たなリーダー、シャーロット・ディクソンさんが来日した。
今年4月に横浜みなとみらい地区にオープンした「マクラーレン横浜」。マクラーレンの世界観を体現した洗練された空間で、ディクソンさんと対面した。プロフェッショナルな雰囲気と柔和な表情を併せ持つ彼女は、ラグジュアリーカーブランドで約15年のキャリアを持つ業界のベテランだ。
出身はイギリスだが、長らくシンガポールを拠点としていたこともあり、「半分アジア人のような気持ちです」と微笑む。
「マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーを筆頭に、ブランドとプロダクト・ポートフォリオが急成長しているこの重要な時期に、アジア太平洋地域を率いる立場に任命されたことを光栄に思います」と語るディクソンさん。2018年のマクラーレン入社以来、アジア太平洋地域でのプレゼンス拡大に尽力してきた。
「この6年間で、17のリテーラーネットワークでバランスの取れた在庫管理と収益性の改善を実現しました。特に、クオリファイドカーでは同エリアで過去最高の販売台数を記録しています」
その功績が評価され、ディクソンさんは日本を含むアジア太平洋地域全体の経営責任を担うこととなった。彼女の管轄は、日本、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア諸国、韓国、台湾を含むアジア太平洋地域全体に及ぶ。
新たな挑戦に向け取り組むべき課題として、ディクソンさんは2点をあげた。「まず手掛けたいのが、顧客体験の質的向上です。トラックデイのようなサーキット走行によるドライビング体験はもちろん、F1との連携を活かしたイベントや、ヨーロッパで実施しているドライブスクール、フィンランドで実施しているアイスドライビングとライフスタイルを組み合わせたイベントなどのように、多角的な体験を日本をはじめとするアジア太平洋地域の国々でも提供していきたいと考えています」
顧客体験の向上に加え、ディクソンさんが重視するのが新規顧客の開拓だという。「プロスペクト(見込み客)の拡大と、これまでマクラーレンを検討したことがない層へのアプローチを強化します。ブランドの成長には、新規顧客の獲得が不可欠です」
ディクソンさんが管轄するアジア太平洋地域には20カ国以上が存在する。そんななか、日本のマーケットについてはどのように感じているのだろうか。
「日本は独自性の強いマーケットであり、アジア最大の市場でもあります。日本の顧客はスタイリッシュでファッショナブルなことを好む傾向があるので、パーソナライズすることでよりご自身を表現できるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)によるカスタマイズをさらに推進していく予定です」