英国通のふたりが語る“ベントレーを所有する” 愉しみ|Bentley
Bentley|ベントレー
ライフスタイルから世界観まで
英国通のふたりが語る“ベントレーを所有する” 愉しみ
ベントレーといえば、世界最高峰のひとつに数えられるクルマであり、かつてのル・マンに参戦した“ベントレー・ボーイズ”に代表されるように、その佇まいは、いつの時代も世のジェントルマンの憧れでもある。英国文化からみたベントレーが男たちにもたらすもの、ステイタス、ライフスタイル観などについて、モータージャーナリストの九島辰也氏とヴァルカナイズ・ロンドン代表の田窪寿保氏が対談した。
Photographs by MORI Kousuke
コンチネンタルGTは、もっと気軽に対峙すべきクルマ
九島辰也(以下、九島) 日本だとベントレーは“高級車”というイメージがあまりに先行してしまっているけれど、ロンドンの中心地サヴィル・ロウとかメイフェアあたりだと、普通に見かけますよね。
田窪寿保(以下、田窪) よく路上に停まっているから、特別なモノだとぼくはおもっていなくて、日本でもそんなすごいクルマだと構える必要がないと感じているんです。もっとカジュアルに、ベントレーを着こなすくらいの感覚で乗ってもいいのではないかと。
九島 確かに歴史の長さゆえにもたらされる威厳みたいなものが、乗り手を気構えさせてしまう部分はありますね。
田窪 それがあるからこそ、所有している人の趣味の良さ、審美眼が際立つクルマでもあるとおもうんです。「コンチネンタルGT」を乗り回す大人の女性をスローン・スクエアあたりでよく見かけますが、それがとっても格好いい。自分のライフスタイルに揺るぎない自信をもっているようで、それを堂々と実践できている姿は、女性をどこか気高く見せてくれるような効果もある。そして、その趣味の良さゆえに、彼女たちのパーソナリティまでもが気になってくるという。
長い歴史のなかでゆっくりと育まれてきたブランド
田窪 イギリスの人びとは、機能ではなく、ブランドの持つ背景に憧れを抱くことが多い人種なんですよ。だから利便性だけではなく、そのモノが、ブランドがどのような道を歩んできたか、そしてどう受け継がれてくべき価値があるのかを見極める目線がとてもシビアです。
九島 御社のグローブ・トロッターもそうですよね。車輪が4輪じゃなくて2つしかない。機能的には4輪のスーツケースに分があるかもしれないけれど、美しいから2輪のままでいいという。
田窪 そうそう。そういうこだわりをもった人に、イギリスのブランドは刺さるんですよ(笑)。ベントレーもおなじで、歴史や伝統をもち続けているから、イギリスの人にとって尊敬もされているし、いつの時代もブランドが放つオーラが変わらない。
ベントレーは大人だからこそ楽しめて、そして味わい深い
九島 いまベントレーをもし買えるとしたら、ぼくは買います。昔は買わないものだとずっとおもっていたんですけれどね。
田窪 ぼくもまったくおなじなんです。実は。
九島 知れば知るほど、手を出してはいけないブランドだとおもっていた。けれど、いまは経験値を増やすという意味においても所有したいとおもう。コンチネンタルGTのスポーティな走りも好みだけれど、「フライングスパー」の品のある重厚感みたいなものも、大人になったいまだからこそ体験してみたい。
田窪 ぼくの場合、ヴァルカナイズ・ロンドンが提案するラグジュアリーな世界観があるので、感覚的に受け入れやすいのですが、ベントレーの良さは、やはりある程度の年齢を重ねないと良さがわからないとおもうんです。
だから、ぼくはまだベントレーの世界を理解しきれていなくて、あと2年くらいしたら九島さんみたいにおもえるような気がします(笑)。
九島 ベントレーを手に入れたら、きっと見える景色が変わるでしょうね。
ミュルザンヌが醸し出す、絶対領域のクラス感
田窪 ほしい、とはおもいながらも、ベントレーは“憧れ”としてずっととっておきたいブランドでもあるんですよね(笑)
九島 そう、憧れではありつつも、いつかは手に入れたい欲望がじぶんのなかでせめぎ合っている感じ。でも、ベントレーのなかでも「ミュルザンヌ」だけは別格。
田窪 同意です。そこだけは侵してはならない聖域というか、上流階級の頂点にあるようなクルマですからね。どんなにお金があったとしても、僕は手を出せない。
九島 イギリスでいうところの階級じゃないですけれど、身分をわきまえてしまうというか、「ミュルザンヌ」にはそういう威厳みたいなものを感じますね。
田窪 イギリスでよく言われるのが“本物を見極めるためには、年齢という経験がどうしても必要”だということ。だから、20代はどんなに良いセンスをもっていようが、やはり20代に見合ったライフスタイルしか実践できないんですよ。だから40、50代の人たちが、日本でベントレーに乗っているとおもわず見てしまう。そういう“魅力的な大人”が増えてほしいと心からおもいます。
九島 それに、そういう大人が増えれば、若い世代もクルマを通して、格好いい大人の世界に興味をもってくれるはずだから、自分に自信がある大人、そしてさらに成熟を重ねたい人には、ベントレーはふさわしいのかもしれませんね。
田窪寿保|TAKUBO Toshiyasu
1966年、東京都生まれ。BLBG(ブリティッシュ・ラグジュアリーブランド・グループ)株式会社代表取締役。グローブ・トロッター、スマイソン、フォックス・アンブレラ、ハケット ロンドンなどの英国王室御用達のラグジュアリーブランドを取りそろえるアーケード・ショップ「VULCANIZE London(ヴァルカナイズ・ロンドン)」を展開している。
ヴァルカナイズ・ロンドン 青山店
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