Audi e-tron A3|アウディ e-トロン A3 A3EVの誕生!
軽さとパワーを兼ね備えたEV
フロントフェイスのデザインは、A3のスタンダードモデルとほぼ同一であるが、e-トロン仕様として改良がくわえられた機能や、アルカンターラで覆われたシートを採用するなど、特別性を随所に見ることができる。そのほか、ヒーテッドフロントガラスや、最適化されたエアコンシステムで快適な車内環境を実現させているという。
パワートレインにあたるモーターは、最高出力100kW(136ps)、最大トルク270Nmを発生する。バッテリーには、26.5kWhのリチウムイオンバッテリーを採用。0-100km/h加速は11.2秒で到達し、最高時速は145km/hと、必要にして十分といえる結果だろう。
1回の充電で約140km(87マイル)の距離を走行することができ、充電に要する時間は、230Vの家庭用コンセントで9時間、400Vの高速充電器では、4時間で完了する。
数値だけを見ると、ほかの電気自動車と比較したさい、充電時間、走行距離などの点で少々不利のように思える。今後の開発進捗に期待したい。
BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーをあらわしているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。
しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。
1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。