大胆なエクステリアデザインとジェット機をイメージしたインテリア

今回の上海オートショーで発表される「コンセプト Aクラス」は、2010年のジュネーブモーターショーで公開された「F800 スタイル」に基づく、ダイナミックなエクステリアデザインを特徴としている。2月に日本国内でも新型が発売された4ドアクーペ「CLS」と同様に、フロントフェンダーからリアまで流麗な線を描くドロッピングラインが刻まれ、従来のAクラスよりも、筋肉質でスポーティなアピアランスを纏っている。これまでと比べるとボンネットは長くなり、サイドウィンドウは小さく、車高も低く設定されている。

そのほかの外観で非常に目を惹くのが、独特なラジエーターグリルだ。大きなスリーポインテッドスターが中央に配され、そのまわりを細かなドットで埋め尽くすように構成されたこのデザインは、ホイールやヘッドランプにも踏襲されており、ヘッドランプにかんしては空に散りばめられた星をイメージしたフルLEDが特殊な効果を生み出すという。

パワートレインは、2.0リッター4気筒エンジンを搭載し、ターボチャージャーで過給される。最高出力は155kW（210hp）を発生。このエンジンは、さらなる改良によって燃料消費が抑えられているという。トランスミッションにはデュアルクラッチが採用される。

インテリアにかんしても、個性的かつスポーティな仕上がりとなっており、そのデザインはジェット機のコックピットをイメージして設計されたという。ダッシュボードに設置されている通気孔、フライトパネルを彷彿させるセンターコンソール、ジェット機のウィングをモチーフにつくられた半透明のダッシュボードなど、総じて異彩を放っている。

そのほかの装備としては、レーダーを用いたアダプティブ・ブレーキングシステムなどの運転支援機能をはじめ、先日のジュネーブモーターショーで出展されたインフォテイメントシステム「COMMAND-online」などがあげられる。このCOMMAND-onlineは、スマートフォンとの情報共有が可能で、ナビゲーション、音声通信などによる交通情報のほか、音楽や動画などのエンターテインメントなど、多岐にわたる連携を可能にさせた技術である。

あらゆる点において先進とスポーティさを兼ね備えたコンセプト Aクラスは、メルセデスのコンパクトセグメントにおいてあたらしい時代を切り開くだろう。