PORSCHE Panamera|ポルシェ パナメーラ 試乗
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2015年2月26日

PORSCHE Panamera|ポルシェ パナメーラ 試乗

PORSCHE Panamera|ポルシェ パナメーラ

V6を得た、ラグジュリアスな4ドアサルーン(1)

ポルシェがパナメーラにV6搭載モデルを追加。軽やかな操縦性をもつ、ラグジュリアスな4ドアサルーンの試乗リポートをお送りする。

文=小川フミオ写真=清水博孝

2気筒減はマーケットに対するポルシェの姿勢

ポルシェ パナメーラは2009年に日本発売された4ドアサルーン。これまでは4.8リッターV8と同ターボという大排気量で高性能のエンジンが搭載されていた。そこに今回、3.6リッターV6搭載モデルが追加された。「パナメーラ」(1021万円~)および「パナメーラ4」(1096万円)と呼ばれる。

新型V6は、従来のパナメーラS、同4S、およびパナメーラターボのV8の気筒数を2気筒減らしたもの。排気量V8が4806ccであるのに対して、V6は3604cc。最高出力はV8の400psに対してV6は300ps、最大トルクはV8が500Nmであるところ、V6は400Nmとなる。車両価格では350万円ほどの差が生じた。

ポルシェは911を頂点にもつスポーツカーメーカーだが、環境性能や快適性能など、マーケットの要求に柔軟に対応する姿勢を打ちだしている。SUV(スポーツ多目的車)であるカイエンにつづき、パナメーラの導入もその具現。より低燃費化が進められたV型6気筒エンジンの導入は、ユーザーが欲しいものを提供するという市場原理をポルシェも尊重していることの証明だ。

パナメーラのV6は、ベースになったV8との共通点は多い。重心高が低くなるドライサンプによる潤油方式はおなじ。アルミ製のエンジンブロックとシリンダーヘッドを持ち、ピストンもアルミ鋳造となる。

可変インテークマニフォルドをはじめ、バリオカム・プラスと呼ばれる可変バルブタイミングおよびリスト機構、燃料直噴システムが採用された。また、PDK(デュアルクラッチ)搭載モデルには、アイドリング時のエンジンオートストップ/スタート機能も搭載されている。

PORSCHE PANAMERA|ポルシェ パナメーラ 試乗|02

PORSCHE PANAMERA|ポルシェ パナメーラ 試乗|03

一見の価値あるエンジンルーム

パナメーラSとの共通装備でおもなものは下記となる。

・PDK(デュアルクラッチシステム)
・ポルシェトラクションマネージメントシステム(PTM) ※4WDモデルのみ
・ポルシェスタビリティマネージメントシステム(PSM)
・前6ピストン、後4ピストンのブレーキキャリパーと前360mm、後330mm径のブレーキディスク

いっぽう、パナメーラおよびパナメーラ4の専用装備は下記となっている。

・V6用のエンジンマネージメントシステム
・6段MTモデルの設定
・18インチ専用アルミホイール
・ブラックカラーブレーキキャリパー
・ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステムがオプション設定
・アダプティブエアサスペンションがオプション設定
・445ℓの荷室容量(V8搭載モデルは432ℓ)
・マットブラック仕上げサイドウィンドウトリム
・シングルチューブツインエグゾーストテールパイプ

エンジンルームをのぞくと、ラジエターとエンジンのあいだに大きな空間が生まれているのに驚く。2気筒削られているからだ。視覚的にもノーズ部分が軽くなっていることが理解できる。いっぽう、見た目はアルミニウムのブロックの質感がたっぷりで迫力がある。各ギアにわたされた太い駆動用ベルトとともに、自動車好きには一見の価値あるエンジンルームといえる。

PORSCHE Panamera|ポルシェ パナメーラ

V6を得た、ラグジュリアスな4ドアサルーン(2)

驚くほど軽い操舵感

操縦したのはPDK搭載の後輪駆動「パナメーラ」(1096万円)。走り出しからして、軽快な印象が強い。「パナメーラがこんなに軽いとは!」と驚くぐらい、すべてが軽い。ハンドルの操舵感からして、スポーツカーの適度な重さを考えていると、面食らうぐらい軽い。室内の印象は、V8モデルとまったく変わらないが、別のクルマ?と思うぐらいだ。

車重は1,800kgを超えるから数値的にはけっして軽量ではないのだが、それを感じさせない出足のよさ。6,200rpmで最高出力の300psを発生する3.6リッターのV6は息継ぎなしで、出力を上げていく。

3,000rpm近くからトルクバンドに入ったときの楽しさはやはりスポーツカーメーカーがつくるだけあると納得する。400Nmの最大トルクは3,750rpmで発生するので、ぐんぐんと加速する。暴力的な加速ではないが、そのぶんまわして走るエンジンの楽しさが備わっている。V6で十分と思われるほどだ。脚まわりもしなやかで、路面の凹凸はうまく吸収してくれるので、快適でもある。

PORSCHE PANAMERA|ポルシェ パナメーラ 試乗|05

PORSCHE PANAMERA|ポルシェ パナメーラ 試乗|06

変速にややネガが残るか……?

操舵感の軽さは、意外なことに?すぐ慣れる。トルクマネージメントが上手なエンジン設定のおかげで、すいすいと走るV6搭載モデルには、このような個性があってもいいのかなと思えるようになったほどだ。重厚感だけ求めるのがマーケットのニーズではないということだろう。

ふたつのクラッチをつかうことで、ATの快適性とMTのダイレクト感を両立させることを狙うのがデュアルクラッチシステム。最近ではドイツ車を中心に広く採用されるようになってきた。ポルシェでも911に搭載するぐらいだ。

ただし個人的には、どうも違和感がある。つながり方が唐突なきらいがあり、いまひとつ洗練されたシステムと思えない。それはパナメーラでも同様だった。細かく変速が必要になったり、前進とリバースを繰り返さなくてはいけない切り返しなどでは、とくにトルク変動の影響を受けてぎくしゃくする。これが残念な点として残ってしまった。

PORSCHE PANAMERA|ポルシェ パナメーラ 試乗|07

PORSCHE Panamera|ポルシェ パナメーラ
ボディ|全長4,970×全幅1,930×全高1,420mm
ホイールベース|2,920mm
エンジン|3.6リッター V型6気筒エンジン
最大出力|220kW(300ps)
最大トルク|400Nm/3,750rpm
トランスミッション|7速PDK
最高速度|259km/h
0-100km/h加速|6.3秒
※スポーツクロノパッケージ採用の場合、6.1秒
燃費|7.6km/ℓ
価格|1096万円

           
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