モデル 道端ジェシカインタビュー「美人のはじめ方」後編
潜在意識に働きかけるメンタルケア・メソッドとは
モデル 道端ジェシカにみる「美人のはじめ方」後編〈1〉
運動、食事、美容法と、モデル 道端ジェシカさんがプロとして、女性として輝く美のメソッドを3回にわたり紹介するインタビュー。「自分磨きが趣味」だと話す彼女だが、日本をベースに仕事を抱えながら世界を飛び回る忙しい日々を思うと、美しさに磨きをかけて進化を続けることがいかに大変か想像できる。最後は、仕事も自分磨きもポジティブに楽しむメンタルケア・メソッドについて聞いてみよう。
Photographs by JAMANDFIXHair & Make-up by MICHIRU(3rd)Styling by KOHASHI RyokoInterview and Text by FUJITA MayuEdited by OPENERS
最近、自分に優しくすることを覚えはじめた
フルマラソンやトライアスロンの過酷なレースに挑戦し、そのための本格的なトレーニングもこなす道端ジェシカさん。美容意識の高さでも知られ、ストイックなイメージを持つ人も多いだろう。実際、彼女自身も自己をそう振り返るが、最近は少しその考えも変わってきたらしい。
「もともと何に対しても頑張るタイプで、頑張り過ぎて自分自身を疲れさせてしまうところがありましたが、少し自分に優しくすることを覚え始めたというか。トレーニングも、以前は行きたくない日も自分に喝を入れてこなしてたけれど、最近は本当に休みたい時は休むようにしています。自分に厳しい人は人にも厳しくなる。そういった意味でも、人に優しくしたかったらまずは自分に優しくしようって気づいたんです。まだ足りないところもありますけれど」
「ここ1年くらいの間で自然とそう考えるようになった」と穏やかに話すが、じつは大きな変化。つねに自身の身体や心の状態を把握し、対話することが大切で、ジェシカさんの会話の中には、“自分にとって心地よいか”というフレーズがたびたび登場する。また、気持ちをニュートラルな状態にすることも重要らしい。
「昔から気づいた時にメディテーションを取り入れてきました。1日5分でも10分でも、呼吸法だけでもいいので続けてみると、生活のリズムもよくなるし、ニュートラルな状態でいられるように。瞑想というと座禅を組んで、など細かなルールがありそうですが、私が教わった先生は“目を開けていてもできるように”という考えだったので、私はやり方もタイミングも自由。自分に合った方法でいいと思います」
メンタルケアについて聞くうえで、彼女は一冊の本を紹介してくれた。秋山まりあさんの『100%自分原因説で大好きな人に世界一愛される』。秋山さんの説くセオリーに共感し、著書の帯に言葉を寄せるほど。ジェシカさんは近年、潜在意識の世界に興味があるというのだ。
「この一冊は彼女の本のなかでも一番わかりやすく解説されているから、楽しんで最後まで読めるはずです。もともと幼い頃から“目に見えない世界”に興味があって、わたしの場合、潜在意識についても入り口はスピリチャルなところから。引き寄せの法則とか、思考は現実化する、といった言葉をだれでも一度は聞いたことがあると思いますが、潜在意識レベルで信じたことは必ず現実化します。逆に、どんなに想っても現実にあらわれないのは、潜在意識は別のことを思っているから。瞑想にもつながるけど、潜在意識でなにを思い、どう新しい情報をインプットするか。最近はこうした潜在意識開発に興味があるんです」
page1 人に優しくするにはまず自分から
page2 潜在意識開発ってどうやるの?
潜在意識に働きかけるメンタルケア・メソッドとは
モデル 道端ジェシカにみる「美人のはじめ方」後編〈2〉
数年前に興味を持ち、それからさまざまな関連書を読むなどして実践しているという潜在意識開発。言葉だけ聞くと難しそうだが、悪習を断つ、ダイエットを成功させるなど、じつは身近な問題にも有効な手段だという。
「自分の思考が現実化するわけですから、嫌かもしれないけど自分で考えて、無意識にそう行動しているんです。その仕組みをポジティブな方向に作用させよう、というのが潜在意識開発。
たとえば普段の暮しのなかで起きることで唐突に発生することっていうのはほとんどなくて、恋愛でも仕事でも人間関係でも、基本的にはパターン化され、時代や人を変えて繰り返しているんです。書き出してみるとわかりやすいと思いますよ。自分にとってネガティブなサイクルを断ち切り、新しいシナリオに書き換えるには、潜在意識にこの情報は必要ないと伝えて、理想とする情報を新たにインプットすればいいんです。
このインプットする作業はアファメーションといって、いわゆる引き寄せの法則ですね。でも、潜在意識に今ある情報をクリアにしないまま上から塗り重ねるように願っても失敗するどころか、最悪、悪い方向にモノゴトが進んでしまう可能性もあるので注意が必要です」
「不必要な情報を削除して、潜在意識をニュートラルな状態するだけで充分」とジェシカさんは言う。そもそもどのように潜在意識にある情報をクリアするのだろう?
「良いことも悪いことも自分が選んでいる、100パーセント自分責任なんです。だから、まずはなぜ自分(潜在意識)がそう思うようになってしまったのか、自分と向き合い、過去を遡って原因を見つけます。そうして自分のコアまで戻ると、初めてどの思考を潜在意識に留めるか選べるように。この現実をまだ続けたいのか、それとももうこの思考は必要ない、こっちの新しい思考を取り入れます、というふうに、いらないものを手放して塗り替えていくんです、簡単にいうと。潜在意識を見つめる作業、コアに戻る手段として座禅は有効かもしれませんね」
興味のあることはとことん調べるというジェシカさん。会話中も次々に話題が飛び出し、ハツラツと快活な話ぶりも手伝ってどんどん彼女に引き込まれてしまう。いわゆる“引き出しの多さ”や頭の回転の速さもあるけれど、なにより言葉のひとつひとつに自信があるから聞いている方も気持ちがいい。
“潜在意識レベルで信じることは現実化する”というのは、単に願いを叶えるためだけでなく、自分を信じて肯定する強さともいえる。つねに進化し、自己を実現する内なる芯の強さこそ彼女の魅力であり、人を惹き付ける求心力。やみくもに理想を追いかけるより前に、じっくり自分自身を見つめることで新しい扉が開くかもしれない。
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MICHIBATA Jessica|道端ジェシカ
1984年10月21日生まれ。雑誌、広告、TVなど、多岐にわたる活動のほか、フルマラソンへの参加やボランティアなどにも積極的にかかわる。著書に『JESSICA’S SECRET:道端ジェシカの秘密、教えます』(講談社刊)や『幸せのある場所 (Happiness Within)』(小学館刊)がある。趣味は映画観賞、ヨガ、写真、語学。