運命は自分の意志で好転する、注目の万象理法学とは何か|LOUNGE
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2024年7月18日

運命は自分の意志で好転する、注目の万象理法学とは何か|LOUNGE

LOUNGE|万象理法学

人生を好転させる九星気学の提唱者、齋藤哲楼氏インタビュー

人の行動や志向がデジタルによって解析され、数値化される現代社会。一方で地球環境の急激な変化や不安定な社会情勢など、見通しのきかない将来への漠然とした不安が蔓延しつつあるのも事実だ。そんななか、有名スポーツ選手や若手起業家らに絶大な信頼を得ている九星気学があるという。万象理法学。気学指導者で哲学博士でもあった故佐々木晧有(こうゆう)によって体系化された、独自の九星気学について取材した。

Text by TSUZUMI Aoyama Photography by KEN Takayanagi

万象理法学とは何か

話を伺ったのは万象理法学の提唱者である佐々木晧有を祖父にもち、現在、万象理法学の指導者として活動されている齋藤哲楼氏。
「万象理法学とは圧倒的にポジティブな開運の学問です」
幼少期から気学と哲学の教えを受け育ちながらも、一生の仕事として気学を学ぼうとは思っていなかったという齋藤氏。転機は20代前半の頃だった。メディアコミュニケーションを学ぶために渡米していた折、ほぼ同時期に両親を亡くすという悲運に見舞われる。天涯孤独となって心のバランスを崩したのは無理もない。そんなときに思い出したのが、幼い頃に熟読した佐々木晧有の万象理法学に関する著書だった。綴られていた言葉にそれこそ救われる思いだったそう。以来、祖父の教えをなぞるように、万象理法学の修得に没頭するようになったという。
「九星気学を勉強、研究をした祖父が辿り着いたのは結果、我々はこの世に生を授かった際に九星気学の本命星だけでなく、方位の宿命も授かり人生を歩んでいるということでした。それを祖父は『向示律』と命名したのですが、この『向示律』と『九星気学の本命星』を独自の分類法で使用し、より深くその当人の性格の核を知り、どんな状況からも好転させることを目的とするのが万象理法学です」

あの小林陵侑選手の心理的支柱に

万象理法学が注目されるのはそこに、実践と具体的な成果があるからだ。齋藤氏の生徒に、2022年北京オリンピックジャンプ男子ノーマルヒル金メダリスト、男子ラージヒル銀メダリストの小林陵侑選手がいる。小林選手は万象理法学のアドバイスを受けてオリンピックで金メダルを獲得している。選手自身の努力が大部分を占めるとはいえ、何かしらポジティブな作用を選手にもたらした可能性は否定できないだろう。
また、ある経営者の例も興味深い。この経営者は吉方位取りを愚直に実践した結果、業績が大きく向上し、新しいビジネスチャンスを得ることができたという。苦手だった上司とのコミュニケーションの仕方が分かり、ウマが合う様になったとう30代男性の事例、当人の本来の長所、短所が分かるので子供や部下の教育方針にとても便利という経営者の事例、さらに、家庭内の問題を抱えた主婦が吉方位取りを続けることで、家族関係が改善されたという話もある。

古代中国で発展した占い

中国の占いとして有名な「易経」は紀元前八世紀ころ(※)から行われていた占いをまとめた書物。齋藤氏によると、互いに対立する属性である「陰」と「陽」により世界が構成されているとする、陰陽思想をルーツとし、そこに森羅万象の変化の法則があるというものだ。
かつての占いは現代のそれと異なり、重要な意味があるものとして人々には認識されていた。政治や戦争といった場において重要な決定を下す際に用いられ、それゆえ体系的な学問として重視され発展してきたのだという。決して根拠のない予言やカルトめいたもの、信仰ではなく、世界を体系的に見つめ、理論的に今後の振る舞いを決めるために使われてきたということだ。
やがて世界を5つの要素に分けて捉えようとする五行説、または9つの星に分けて考える九星学など、いくつもの考え方が生まれては消えていくなかで、近代の中国では風水術が広まっていったという。

哲学博士が辿り着いた未知の学問

日本においては大正から明治時代にかけて園田真次郎が体系化した気学が流行。僧侶から学んだ九星学により運命鑑定所で人々を占っていた園田が、やがて九星学の正しさを確信し「気学」と命名したのがそのルーツだ。
「そんな時代を生きていたのが私の祖父でした。祖父は小児麻痺を患ったり、第二次世界大戦で資産をごっそり失ったりと大変苦労したようなのですが、祖父もまた私と同じように失意のなかで2冊の本と出会ったそうです。それが哲学書、そして四柱推命や易学について書かれた本だったんです」
齋藤氏の祖父である佐々木晧有は、九星気学と出会い、研究を重ね、万象理法学を発表する。そのうえで万象理法学の論文によって哲学の博士号を取得するに至る。研究のかたわら近隣の人々に向けて講話を行い、自分たちがどうやって生きていくべきかをしばしば語ったという。
「これは私の想像ですが、哲学を実践するなかで、当時流行していた気学は自分が進むべき方向を明確にするものとして、大いに助けになったのではないかと思います。特に気学は物理学であり数学であるという側面を持つものです。文系的な哲学と理系的な気学という組み合わせは、非常に相性のいいものだったはずですから」

積極的に開運に働きかける、万象理法学

「先ほどお話ししたとおり、祖父は自らの努力がまったくの無に帰してしまうという絶望を体験してきた人間でした。そんな祖父が失意のどん底から何度も立ち上がったポジティブなマインドが、この万象理法学に通底しています。それが多くの占いとはまったく異なる独自の性格だと私は考えていますし、私自身もこの教えによって救われたひとりです」
九星気学では「吉方」というものがあると定めている。吉方位とも呼ばれるこれは、その人を幸運に導く方角のことで、その日によっても変わるものだ。
「吉方や人との相性といったものを読み解き、それを積極的に活用していくことが万象理法学の真髄です。苦境に陥ってしまったとしても決して諦めることなく、吉方位をとることで運気をあげていくことでクオリティ・オブ・ライフを高めようとするものです」
たとえば旅行の行き先や日時、転居や事務所の開設など、いつ、どの方向へ向かうかで自分の運気を好転させていくことができる。運気の盛衰を事前に予測し、悪い流れを回避する。その上で、自らの意志で積極的に流れを好転させていけるとしたら。少し心が楽になると思いませんか。そう齋藤氏は語る。
なにもかもがデジタライズされ、最適化された世界に生きている、そう考えてしまうとつい私達には一種の諦念がつきまとってしまいがちだ。そんな日々のなか、自分で運命を好転させるすべがあるとしたら。万象理法学が注目されているのはそんなところに理由がありそうだ。
※京都大学貴重資料デジタルアーカイブより「京都大学所蔵資料でたどる文学史年表:易経」
齋藤哲楼
万象理法学気学指導者/気学指導者で哲学博士 故佐々木晧有(ささき こうゆう)を祖父に持つ。小学校3年生より晧有から気学と哲学の教えを受け育つ。20歳でメディアコミュニティケーションを勉強するため渡米。帰国後、政治家、スポーツ選手などの通訳業を経て、2013年、気学指導者として独り立ちする。政治家、上場企業会長、芸能人、オリンピック選手から一般の主婦まで幅広く気学指導を行っており、2024年3月現在、対面気学指導者数8583人、気学鑑定者数17000人を超える。
                      
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