スーパーセブンに似合う赤(その1)
スーパーセブンに似合う赤(その1)
鈴木正文×近藤かねよし(L&KONDO)
レザーとライフスタイルの“L”をブランド名に掲げるL&KONDO(ル・コンド)。毎日のライフスタイルにレザーを‥‥という幅広い視野をもつトータルブランドは、レザーウェアやレザーグッズはもちろん、インテリアやメンズバッグ、スニーカーまでプロダクトを広げている。
今回は、L&KONDOのデザイナー、近藤かねよしさんから鈴木さんへのスペシャルなプレゼントを取材した。
photo by UZAWA kay
実践と経験から生まれた最高のアウター
鈴木正文:近藤さん、このレザーブルゾン、本当にいただいていいんですか?
近藤かねよし:以前に鈴木さんに展示会を見ていただいたときからずっとキープしていたんですよ。やっとお渡しできてうれしいです。着心地はいかがですか。
鈴木:いやぁ、かっこいいなぁ。最高です。
近藤:このシリーズは「バーブルージュ・シリーズ(赤ひげ)」って名づけています。たとえば(サンプルを手に取りながら)これは自転車用のアウターですが、自転車に乗るときは自分自身がエンジンなので、背中が熱くなるんですね。その熱を逃がすように工夫しています。
鈴木:なるほど。このシリーズの発想はどこから来たんですか?
近藤:もともと原型のようなものはあって、自分が山に行くときに着ていったバリエーションなんですよ。山登りがメインだと、どうしても機能的に考えざるを得ないですから。
鈴木:こうしてシリーズを見ていると、近藤さんご自身の経験に裏打ちされたデザインやディテールだから説得力がありますよね。自転車やオートバイ、クルマに乗られて、山登りもできて、同時に服飾デザインができる人は世界でもそういない。山はどちらですか?
近藤:だいたい八ヶ岳ですね。
鈴木:実践することでギアとしての問題点を感じつつ、美しく合理的なデザインで解決できる。ある意味、例外的なブランドですよね。しかも、ラグジュアリーでもある。
鈴木:実践することでギアとしての問題点を感じつつ、美しく合理的なデザインで解決できる。ある意味、例外的なブランドですよね。しかも、ラグジュアリーでもある。
近藤:このモーターサイクルシリーズをつくったきっかけは、昔BMWのオートバイに乗っていたことがあって、バイク乗りの気持ちはすごくよくわかります。ライダーはほぼ間違いなく、バイクに跨って走っているときは世界一カッコイイ(笑)んだけど、バイクから降りて、ヘルメットを脱いで、歩き出した瞬間、世界で一番みずぼらしいヤツ(笑)と感じるくらい格好悪い。カフェに入っても相手にされない(笑)。それがイヤで、じゃあカッコイイ服をつくろうと。
鈴木:それがどれぐらい前ですか?
近藤:3年ぐらい前ですね。今ではDUCATIに乗っている人や、女性ライダーが買いに来てくれますね。
鈴木:このシリーズは、クルマやバイクのライディング用と、自転車用、あとタウンユースのデザインですが、レザーコートはないんですか?
近藤:鈴木さんもおわかりだと思いますが、クルマの運転の時にコートは足元が邪魔じゃないですか。
鈴木:なるほど。ということは、コートに関してはあまり熱心じゃない。
近藤:そうですね(笑)。あまり熱心ではないですね。すみません、その通りなんです(笑)。どうしても生活に密着したところで発想しているので、クルマの後ろに座って移動できるようになったらコートも考えます(笑)。
L&KONDO(ル・コンド)
デザイナーの近藤かねよし氏がフリーランスを経て、93年に設立した『KONDO』からブランドのキャリアをスタート。2002年にブランド名を『L&KONDO』に変更、レザーを通して感じられる“優雅な時の流れ”をテーマに、高感度なハイクオリティアイテムをつくりだしている。
http://l-kondo.com