Né-netデザイナー対談(3)
「東京」ファッションの推進力(3)
ファッションブランドNé-netデザイナー高島一精×島津由行
第3回目の話題は、東京コレクションについて。2008春夏コレクションは8月30日からスタートして、ニューヨークより早く世界でいちばん最初に開催する春夏コレクションとなる。
「東コレ」がファッション業界・関係者の枠を超えて、広く認知されるには……。
写真=Jamandfix構成と文=梶井 誠(本誌)
東京コレクションは「パリ」で開こう
──『ネ・ネット』のショーは毎回仕掛けがあって大変そうですね
島津 終わったら、くたくたになりますよ(笑)。でも毎回面白いですよ。仕掛けには妥協しないですからね、高島さんは。
高島 ショーを見せたいというか、表現したいんですね、『ネ・ネット』の世界観を強いイメージで伝えたい。
島津 3月の秋冬コレクションのときも会場に扇風機の人形を50台並べて、順に首を振らせたんです。バックステージは大変ですよ(笑)。想像したことを現実にするには手間もおカネもかかります。そこが通常のショーとはちがうんですね。
──人形やオブジェも全部高島さんがつくられているんですもんね
島津 『ネ・ネット』はショーというよりインスタレーションに近いですね。秋冬コレクション以前のショーでは、ショーが終わったら実際に服を手にとって観られるようにして飾ったんですが、みんな熱心に観ていました。
──なるほど、インスタレーションなんですね。しかもダークファンタジーっぽい
島津 日本のおとぎ話っぽい。僕はそれでいいと思っていますね。
──高島さんはコレクション終了後のプレスの評判など気にされますか?
高島 それは気にしませんね。
──コレクションのテーマは伝わったと思いますか?
高島 伝わったと思いますが、終わってみて、ちょっと難しかったかな?とも思いました。
島津 海外のプレスには好評でしたね。『ネ・ネット』のようなショーはパリにもミラノにもないので、オリジナリティは伝わったと思います。高島さん自身は、昨年受賞した「毎日ファッション大賞新人賞」のあとのショーだったのでプレッシャーはあったと思いますが。
──島津さんは現在の東京コレクション(東コレ)はどう感じていますか?
島津 海外で行われているコレクション(ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ)とのスケジュールを調整しながら、海外のファッションジャーナリストやプレス、バイヤーをなるべく招いてという主旨には賛成です。でも実際にはそれほどの数の外国人が来ているわけでもないし、日本のプレスの反応もちょっとクールですね。媒体の露出も少ないし。東京のファッションをアピールするというのには、ちょっとMD(マーチャンダイズ)化されたショーが多いのかな。これは批判じゃないですけど。
──たしかに、とくに雑誌などは反応が鈍く感じますね
島津 僕もいえませんが、スタイリストや編集者が観に行っていないですよね。国がおカネを出してのファッション振興事業なのですから、もっとエディトリアルに取り上げてもらうようにすればいい。新しいデザイナーはたくさん頑張ってますよ。
──注目を集める打開策はないですか
島津 大胆ですけど、東コレをパリで開催すればいいんですよ。それぐらい大胆でもいいと思う。
──否が応でも外国メディアは注目しますね。高島さんは、東コレに参加する意義はどう感じていますか?
高島 コレクション時期に開催すれば大勢の方に観に来ていただけるので、まずは参加することですね。次の2008春夏コレクションは8月30日からスタートして、ニューヨークより早いので、世界でいちばん最初にやる春夏コレクションになります。
──それもトライアルですね
島津 東コレ自体が、世界のファッションカレンダーのなかでのトライアルでもあるんですよ。
ネ・ネット 2008春夏コレクション決定!
2007年8月31日 (金) 16:30 東京・時事通信ホール
ネ・ネットデザイナー高島一精さんのご好意により、オウプナーズ読者10名を特別ご招待いたします。
(※当日は一般の方は入場できません。チケットのみのプレゼントです)
コレクション観覧(立見になります)希望者は、OPENERSトップページ(http://openers.jp)
下段の「ご意見ご要望はこちらへ」からご応募ください。
■内容に「ネ・ネット観覧希望」と明記の上、お名前・住所・年齢と、メッセージを書き添えて、
返信アドレスもお忘れなく。応募者多数の場合は抽選の上、発送に代えさせていただきます。
締切は8月20日(月)。どしどしご応募ください。(オウプナーズ編集部)