Van Cleef & Arpels|太陽系の惑星を腕元に
Van Cleeef & Arpels|ヴァン クリーフ&アーペル
太陽系の惑星を腕元に
ヴァン クリーフ&アーペルが2014年のSIHHで発表した新作は、天文好きでなくても思わず欲しくなる、ファンタジックな天文腕時計。
Text by SHIBUYA Yasuhito
宇宙のゆったりとした時の流れ
14世紀に誕生した機械式時計とはそもそも、宇宙の動きを再現する機械であり、教会がこの世界の理を理解し体現していることをアピールするために作られたものだった。だから、ロマネスク&ゴシック建築の傑作として有名なフランス・ストラスブールのノートルダム=ド=ストラスブールのように、ヨーロッパの著名な教会には宇宙、つまり天体の動きを再現した天文時計を備えているところも少なくない。
最高峰のジュエラー&ウォッチメーカーとして「ポエティック コンプリケーション(詩的な複雑時計)」をテーマに作品づくりを続けるヴァン クリーフ&アーペルは、こうした中世以来の天文時計の伝統や美学に連なるコレクションとして「ポエティック アストロノミー(詩的な天文時計)」を登場させた。
ヴァン クリーフ&アーペルがSIHHで発表した「ミッドナイト プラネタリウム」は、2014年の新作の頂点に位置する美しい天文複雑時計。アヴェンチュリンガラスで作られた宇宙のように深いブルーにきらめく文字盤の上を、ハードストーンで作られた水星、金星、地球、火星、木星、土星と6つの天体の立体的なモチーフが、やはり立体的な太陽のモチーフを中心にして、本物の天体と同じ周期で公転(回転)する。
いちばん外側にある土星のモチーフが文字盤を回るのに要する時間は何と29年以上。せわしない日常を超越した太陽系のこの動きが、あなたの日常に宇宙のゆったりとした時の流れを教えてくれるのだ。
そして日常の時間は1本針の腕時計と同様に、土星の外側にある、1日で文字盤を一周する流れ星のモチーフの位置で示される。さらにターコイズ製の地球の軌道上には、文字盤最外周のカレンダー目盛りと赤い指針で設定できるラッキースターと名付けられた枠があり、設定した記念日に限りその枠の中に地球が入ることで、特別な日であることを知らせてくれる。
プラネタリウムという名にふさわしく、ケース裏の日付設定を使ってその月日の星の様子も見ることができる本作品。天文好きでなくても思わず欲しくなる、ファンタジックな天文腕時計の新たな名作が誕生した。
Midnight Planetarium
ミッドナイト プラネタリウム
ケース|18KPG
直径|44.00mm
厚さ|13.48mm
ムーブメント|自動巻き、クリスチャン・ヴァン デル クラーウがヴァン クリーフ&アーペルと協力して開発したモジュールを搭載したムーブメント、パワーリザーブ約48時間
ストラップ|アリゲーター
機能|立体型プラネタリウム
価格|2743万2000円(税込予価)
発売|今冬発売予定
ヴァン クリーフ&アーペル
Tel. 0120-10-1906