INTERVIEW|物語を綴る酒、ハイランドパークの魅力(後編)|HIGHLAND PARK
LOUNGE / EAT
2015年2月26日

INTERVIEW|物語を綴る酒、ハイランドパークの魅力(後編)|HIGHLAND PARK

INTERVIEW|オークニー諸島の厳しい気候が生み出した自然の賜物、ピートがもたらす芳醇な香り

物語を綴るウイスキー、ハイランドパークの魅力(後編)

シングルモルト・スコッチウイスキーのもつ歴史と、地理的背景を余すところなく表現しているウイスキー「ハイランドパーク」。その実力をさらに深く味わえる「ヴァルハラ・コレクション」第3弾となる「ハイランドパーク“フレイヤ”」が、日本の総代理店であるレミー コアントロー ジャパンから、5月1日に数量限定で発売された。


HIGHLAND PARK|物語を綴る酒、ハイランドパークの魅力(中編)

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by SUZUKI Shimpei (INTERVIEW)

ウイスキー造りに近道はない

インタビューの後半、ハイランドパークのグローバル・ブランド・アドヴォケイトを務めるダリル・ハルデイン氏は、紙に何かを描きはじめた。

「ウイスキー造りにカスク(樽)が重要だというのはお話しましたが、ハイランドパークではスパニッシュオークとアメリカンオークを使っています。簡単に説明すると、『ハイランドパーク12年』は、ヨーロッパのオークとアメリカのオークの両方を、18年はヨーロッパのオークを主に使っています。また、25年は18年のお兄さん版。30年、40年、50年はまた特別な種類になります」

ダリル氏は個人的に21年(日本未入荷)が好みだそう。「ハイランドパークで使うヨーロッパとアメリカのオークは、乾燥や樽作りなど、扱い方はおなじです。

スペインで樽を製造して、シェリーを使って香りづけして、オークニーに送るのですが、香り、色、味、そのすべてがまったく違います。また、ハイランドパークは着色していないので、飲むときには色もぜひ味わってみてほしいですね」

スカンジナビアの伝統も受け継いでいるオークニー諸島

「私の名前はハルディンですが、デンマーク系とスコットランド系のハーフのことを“ハルディン”と呼び、オークニー諸島ではポピュラーな名前です。ハイランドパークの蒸留所を作ったマグナス・ユンソンも、スコットランドの名前ではありませんでした」

北欧の神々を意味するハイランドパークの「ヴァルハラ・コレクション」は、2012年に北欧神話の雷神マイティ・ソーをイメージした「ハイランドパーク“ソー”」を、翌年には第2弾として、火神でもあるロキをイメージした「ハイランドパーク“ロキ”」を発売。そして今年、第3弾は美貌で名高い愛の女神であるフレイヤをイメージした「ハイランドパーク“フレイヤ”」が登場した。

「“ソー”は、男性の神ソーの神話をウイスキーを通じて伝えたかったので、アメリカンオークを用い、シンプルで力強く、スパイシーでストレートなウイスキーを造りました。“ロキ”は、あえてスコットランド本土のピートを使い、違う風味をもたせました。今回発売した“フレイヤ”は、軽く美しく柔らかい自然の女神、出産の女神を連想させるために、バーボン樽で熟成した原酒を使用。15年熟成させ、花の香りがする女神を表現しました。そして、最終章の第4弾は、来年の2月に発売されます」

ヴァルハラ・コレクションは、いずれも15年から20年の熟成を経たシングルモルト・ウイスキーだ。15年~20年前に構想されたものかを問うと、「それがウイスキーというものです」と返ってきた。

チャンスがあればオークニーで飲んでください

インタビューの最後に、日本のウイスキーファンに向けてメッセージをお願いすると、「伝えたいのは、ハイランドパークは世界で一番優れたスピリッツということ。ただそれだけです」と答えが返ってきた。

3回にわたってハイランドパークの魅力を探ってきたが、風土から製法まで、すべてに意味があり、すべてに入念で、すべてに理由があることがよくわかる。ダリル氏は最後にこんな言葉を残していった。「このすばらしいウイスキーを、チャンスがあればぜひオークニーで飲んでください」

ダリル・ハルデイン|Daryl Haldane

「ハイランドパーク」グローバル・ブランド・アドヴォケイト。1984年生まれ、スコットランド出身。エジンバラ在住。2012年より、ハイランドパーク社における初のグローバル・ブランド・アドヴォケイトとして、世界各国で「ハイランドパーク」のルーツや愉しみ方を広める役割を担っている。イギリスの大手酒造メーカーにてブランド・アンバサダーを務めた経験をもち、ミクソロジスト(ありとあらゆる食材、リキュールを絶妙のバランスで混ぜ合せてカクテルを作るスペシャリスト)としての高度な知識と経験、またウイスキーをはじめスピリッツ全般に膨大な知識を有する。

レミー コアントロー ジャパン

Tel. 03-6441-3025

           
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