第9回目のゲストは、フラワーアーティストのニコライ・バーグマンさん。デンマークで磨いた感性と日本の文化を融合させてつくりあげる独自の世界観で多くのひとに感動を与えている、日本でもっとも有名なフラワーアーティストのひとり。後編では、ニコライさんの前世に迫ります。

前世も根っからのアーティスト

伊藤　ニコライさんって「これ！」っていうピンとくるものに対してはストイックに、まわりが見えないほど集中してその世界にグッと入りこみますよね。

ニコライ　そうですね。つくりはじめるときには出来上がったイメージがありますから、そこに向かってつくります。アートワークなので、途中で変わったりもしますけど。

伊藤　根っからのアーティストですよね。過去生も芸術家で、何回も転生されていらっしゃいますよ。いまお強いのが、彫刻家だったり、絵画や風景を描く画家だったり。建築家的なことをしていたこともあります。

ニコライ　なるほどね。

フラワーアーティストのニコライ・バーグマンさん

伊藤　では、今回の人生がなぜ「お花」なのかといいますと、過去の人生も芸術をつうじて人びとに何かしらのメッセージを伝えてきたと思うのですが、彫刻や絵画ってひとによって好みがあるじゃないですか。けれど、お花って嫌いなひとはいないですよね。誰でも綺麗だな、かわいいなっていうホワンとした気持になるんだってことをご存知の状態で今回の人生を生まれていらっしゃるんです。

ニコライ　うん、うん。

リーフを幾重にも重ねたベースにパフィオを挿して

伊藤　自然と人間は一体となって生きていく環境に生まれているのに、なかなか自然を自分の生活のなかに取り入れることができなかったり、自然の美しさを感じ取る心や自然の力で心を和ませるということを見失いがちで、みんなストレスを抱えたり、いろんなことで悩んで時間を費やしてしまう。でもそうじゃないよ、自然の美しさに愛情を注ぐ時間と心をもつことで、こんなに豊かな気持ちになるんだよってことを、より身近に、リアルに伝えたいと思っていらっしゃるのかな。

自然界が創り出した美しさを伝えていくティーチャー

伊藤　日本にいらっしゃるのも必然ですよ。華道など日本独特の文化、西洋のアレンジメントの美しさ、そのふたつのコラボレーション、それらの3つを理解した状態で、さまざまな国のひとたちにお花を取り入れた生活を発信できるのが、世界の真ん中にある日本なんです。さまざまな国のひとが行き来していますしね。たとえば、このお花をすてきだなって思ったひとがアフリカの方だったとしたら、アフリカにはこういうお花があってこういうことができるよって伝えることもできる。その交流を無意識に魂が選んでいますので、大勢の方に自然界が創り出した美しさを伝えていくティーチャーのような存在です。

ニコライ　スタッフからは、決断が早いとか、直観で生きているって言われます。

伊藤嶺花さん

伊藤　そうでしょうね。ものすごく研ぎ澄まされた感性をおもちなので。全体をみて、分析して、冷静に判断して、決断するという能力は天性だと思います。さらに、トライするタイミングも絶妙ですよね。すべてのひとは、つねに天から足もとへ向けて光がストレートに降りていて、私の場合はそれが色で視えるんですけど、ニコライさんの場合は、お花のようにキラキラした光のプリズム的なエネルギーがプワーっと降りています。そのなかの「これ！」っていうものをご自分で掴む力が強いというか、日常生活においていつもアンテナを張っていらっしゃるから、すべてがライフワークなんですよね。大きなことを成し遂げるというよりは、好きなこと、やりたいことを日々積み重ねていたら大きくなりましたというタイプだと思います。なによりも、ご自身が好きだからやっている。

ニコライ　そうですね。好きなことを仕事にできているのはラッキーだと思っています。もともと自然に触れていたから素材が「花」になったというのはあるけれど、ただの仕事としてではないですね。花があるから生活がある。

伊藤　魂自体がアーティストですから。いまはお花で表現をしていますけれど、確実にあたらしい時代をつくっていきますよ。もともとがリーダー気質ですから、事例のないことをつぎつぎにやっていかれるのだと思います。それをつづけて、前例のないことをしかけて、お花の業界全体を引っ張っていくという意味でのプロジェクトリーダーです。そして、ものすごく堅実な努力家ですよね。でも、築いていくことは時代の先駆者というか、そのギャップがおもしろいですね。すごく人格者ですよ。そのエネルギーを放っていらっしゃるから、出会うひとを魅了していきますよね。けれど、スターとか舞台の上の存在とかではなく、いつも等身大に。

ニコライさんの作品

幼少のころからリンゴ園でアレンジメント

ニコライ　いいところばかりですね（笑）。悪いところはないですか？

伊藤　いつもあったかくて、ひとをとても大事にする方だと思うんですね。争いごとは好まないし、出会ったひととの時間を穏やかに豊かにしていきたいという姿勢でいつもいらっしゃる。けれど、調和や協調性を大事にしているがゆえに、ご自身の内面をアウトプットするってことが苦手なのかな。ご自身のなかの内面の思いをスタッフやお友達、ご家族に小出しにする癖をつけるといいと思います。それと、自然の環境で育っていますから、風の匂いや土の感触に触れられる場所に行くといいですね。そうすることで、無意識に無理をしてしまうことがなくなってくるはずですよ。

ニコライ　今度、リンゴ園に行こうかな。

The World of Nicolai Bergmann at Shangri-la 展示会作品

ロイヤルコペンハーゲン本店内インスタレーション

伊藤　おじいさまかな……、いまここにいらっしゃっていてリンゴ園のお話をして欲しいって言っています。リンゴ園でお手伝いもされていました？　でも、採るだけではなくて採ったリンゴでなにかつくっている映像が視えています。

ニコライ　やりましたね、リンゴでアレンジメントしてました。

伊藤　そうですよね、デコレーションができています。おじいちゃまも「この子はどんな大人になるんだろう」って楽しみにしていたんですって。リンゴって、かたちがみんなちがうじゃないですか。なので、子どもながらに配列にもこだわってつくっていたのが印象的だったと教えてくださっています。

ニコライ　そう、なにかをつくるっていうのが好きだったね。

伊藤　作品を暮らしのなかの豊かさに変えていく力をおもちですよ。とってもすてき。お花のある暮らしということではなく、お花に愛情を注げるような時間やそういった気持ちをもてる自分自身を大事にしてね、ということだと思います。なので“美しさ”だけではないですよね。愛そのものを注ぎましょうね、受け取りましょうねっていうメッセージを伝えていくのだと思います。

ニコライ・バーグマンさん

ニコライ・バーグマン｜Nicolai Bergmann
フラワーアーティスト
1976年デンマーク生まれ。デンマークでフラワービジネスの学校で学んだのち、父の仕事の縁で来日。2001年フラワーショップ『ニコライ・バーグマン・フラワーズ＆デザイン』を立ち上げ、現在は東京の六本木ヒルズや有楽町、新宿に3店を展開。また、東京ミッドタウンに自身がセレクト・プロデュースする『ニコライ バーグマン スム』をかまえる。また、東京にオープンした最後の5つ星ホテル『シャングリ・ラホテル東京』では、全館のフラワーデザインプロデュースを手がけている。

伊藤嶺花｜ITO Reika
ディヴァイン代表/スピリチュアルヒーラー
服飾雑貨系の企業にて商品企画、広告宣伝、経営企画の仕事に従事したのち、天界とのチャネリングと潜在意識のリーディングをおこなうライトワーカーとして活動開始。相談内容によってヒーリングや催眠療法、複数の占星術を組み合わせた宿命鑑定もおこなっている。自由が丘にて個人セッション、満月＆新月のワークショップを開催中。著書に『シンクロニシティ』『運命好転術』『開運ビジネス風水虎の巻』。www.divine-msg.com