ダイバーズウオッチのスタイルを築いた、現存する世界最古の時計ブランド|BLANCPAIN
Watch & Jewelry
2018年12月11日

ダイバーズウオッチのスタイルを築いた、現存する世界最古の時計ブランド|BLANCPAIN

BLANCPAIN|ブランパン

短期集中連載 BLANCPAIN 第2回

N.HOOLYWOOD尾花氏が語る
「フィフティ ファゾムス」の魅力(1)

今年、東京で約8年ぶりのショーを開催し、改めてその実力を見せつけたN. HOOLYWOOD。ファッションシーンで絶大な人気を誇り、NYでも高評価を得ているN.HOOLYWOODのデザイナーとして活躍する尾花大輔(おばな・だいすけ)氏。彼の愛用の時計はBLANCPAINの「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC 1」だ。1960年代製のヴィンテージモデルを1年半ほど前に手に入れたという。尾花氏が「フィフティ ファゾムス」に惹かれる理由をうかがった。

Photographs by OHTAKI KakuText by KOIZUMI Yoko

軍時計、その出自が心揺さぶる理由

「僕は古着屋出身ということもあって、若いころから軍モノが大好きですし、とりわけヴィンテージアイテムには興味があります」と、尾花氏。ゆえに時計でも惹かれるのはヴィンテージのミリタリーウオッチ。なかでもアメリカ海軍モノが大好きだと話す。尾花氏はミリタリーウオッチを「軍時計」(ぐんどけい)と呼ぶが、この辺りにもミリタリーアイテムとの長い付き合いが見て取れる。

「軍時計でUS NAVYモノといえばBLANCPAINのフィフティ ファゾムスでしょう。凝り性なので、時計には手を出さずにいたのですが、2年半くらい前についに手を出してしまって(笑)。BLANCPAINのヴィンテージを探していたのですが、ようやく1年半くらい前にMIL-SPEC 1に出合えたんです」

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年を追うごとに技術革新が進むなか、「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC 1」はディテールこそ現行モデルとは異なるが、まったく同じDNAで作られていると分かる。

「MIL-SPEC 1」とはBLANCPAINが1957年から’58年にかけて開発したモデルで、’58年にアメリカ海軍に制式採用されている。その後、改良を重ねて’70年代までアメリカ海軍に納品された歴史を有する。

「ミリタリーモノはスペックを追っていく作業も楽しみのひとつ。そうした視点でも軍時計は面白いですよね。

フィフティ ファゾムスの米軍モデルにはいろいろなモデルがあるのですが、MIL-SPEC 1は6時位置のディスクとか、機能面でもデザイン的な視点から見ても実にユニーク。あと僕は腕が太くないので、小ぶりなサイズ感も気に入っているポイントです」

6時位置のディスクとは水密性を表示するものであり、内部に浸水があった場合に、ホワイトからレッドへと色が変わる。このディスクはアメリカ海軍のミルスペックに準拠するもので、アメリカ海軍好きの尾花さんにとって欠かすことができない仕様とか。

N.HOOLYWOODが2010年からアメリカに進出したのも、尾花氏の“アメリカ好き”が高じてというから、アメリカ海軍びいきも筋金入りだ。

「フィフティ ファゾムスは各国の海軍に納品されてきただけあって、ダイバーズモデルの始祖としての秘話が詰まっていると感じますし、こうした話をひとつずつ掘り起こす楽しさがありますよね。

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左から順に、現行モデルの「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」128万円(税別)、現行モデルの「フィフティ ファゾムス オートマティック」143万円(税別)、尾花さんが所有するヴィンテージの「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC 1」。

つまりマニア好きする“打ち込めるブランド”なんです。本格派揃いだし、軍時計好きにとって魅力的です」

Page02. 時計をつくることの難しさ

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短期集中連載 BLANCPAIN 第2回

N.HOOLYWOOD尾花氏が語る
「フィフティ ファゾムス」の魅力(2)

時計をつくることの難しさ

尾花さんはこれまで時計のデザインも手掛けた経験がある。

「たとえば同じステッチでも、スニーカーよりも時計のストラップに施す方が、全体に対する影響力が大きい。ですから時計のようなスモールワールドのデザインは、ちょっとしたニュアンスが大変化をもたらしてしまう、本当にデザインが難しいアイテムなんです」

その経験を踏まえて、現行モデルを見ると、細部の作りこみに感嘆の声。「フィフティ ファゾムス オートマティック」には、ベゼルのひし形マークに「オリジナルのエネルギーを感じます」と、ひと言。またベゼルにラウンド仕上げが施されたサファイアがはめ込まれていると聞くと「!!」と、その技術に驚いた様子。また「バチスカーフ」を見ながら、「いいネイビーだな」と見入る。

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「ヴィンテージと現行モデルは別ジャンルではありますが、ヴィンテージ好きにとっても、フィフティ ファゾムスの現行モデルは魅力に溢れていると感じます。

BLANCPAINにはいい歴史がありますから、その時間軸にどれほどのプロダクトがあるのかを覗いてもみたいし、これからのBLANCPAINが自らでどういう歴史を掘り起こしていくのかを知りたいと思います」と、尾花さん。

そして昨年、「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC」へオマージュを捧げるモデルが限定復刻を果たしたと聞くと「!!!」という表情で「知らなかった……」

「MIL-SPEC1がどんな復刻を果たしたのか、オリジナルを知る者にとっては興味深々ですね。サイズは直径40mm、ちょっと大きいんですね。う~ん、これは新旧2本持ちになる価値もありそうですね」

そして最後に、「せっかくだから『Tornek』(MIL-SPECが進化したモデル)も復刻しましょうよ!」と、軍時計好きの顔を見せた。


フィフティ ファゾムス定番モデル

フィフティ ファゾムス オートマティック

フィフティ ファゾムス オートマティック

“ファゾム”とは水深測定単位であり、1ファゾムはおよそ1.8288m。フィフティ ファゾムスとは、すなわち約91mであり、当時のプロダイバーが潜れる限度深度をモデル名に冠していた。また、2003年のフィフティ ファゾムス誕生50周年に初登場した、耐傷性の強いサファイアで覆われた高品位な逆回転防止ベゼルにより、ヴィンテージルックにリッチな質感を与えることに成功。現代のヴィンテージデザインをかつてなくダイナミックなものとしている。自動巻き。SSケース(径45mm)。サファイアケースバック。30気圧防水。セイルキャンバスストラップ。143万円(税別)


フィフティ ファゾムス バチスカーフ

フィフティ ファゾムス バチスカーフ

「フィフティ ファゾムス コレクション」から、1950年代後半にタウンユースとして発表されたバチスカーフは、2013年にフィフティ ファゾムス60周年を記念した際に復刻。バチスカーフとは、スイスの冒険家 ジャック・ピカールが作った潜水艦のモデル名から命名。オリジナルモデルを想起させる新しい魅力を備えたバチスカーフの輪郭はシャープで、時計の針は伝統的なデザインとなっている。このモデルは2016年に発表されたモデルで、ブルーのセラミックインサートを使ったグレーのプラズマセラミック製ベゼルには、リキッドメタルの目盛表示が施されており、非常に高度な技術が存分に駆使されたモデルである。自動巻き。グレーセラミックケース(径43.6mm)。サファイアケースバック。30気圧防水。セイルキャンバスストラップ。128万円(税別)

問い合わせ先

ブランパン ブティック銀座

Tel.03-6254-7233

http://www.blancpain.com/ja

           
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