ダイバーズウオッチのスタイルを築いた、現存する世界最古の時計ブランド|BLANCPAIN
Presented by BLANCPAINBLANCPAIN|ブランパン
短期集中連載 BLANCPAIN 第2回
N.HOOLYWOOD尾花氏が語る
「フィフティ ファゾムス」の魅力(1)
今年、東京で約8年ぶりのショーを開催し、改めてその実力を見せつけたN. HOOLYWOOD。ファッションシーンで絶大な人気を誇り、NYでも高評価を得ているN.HOOLYWOODのデザイナーとして活躍する尾花大輔(おばな・だいすけ)氏。彼の愛用の時計はBLANCPAINの「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC 1」だ。1960年代製のヴィンテージモデルを1年半ほど前に手に入れたという。尾花氏が「フィフティ ファゾムス」に惹かれる理由をうかがった。
Photographs by OHTAKI KakuText by KOIZUMI Yoko
軍時計、その出自が心揺さぶる理由
「僕は古着屋出身ということもあって、若いころから軍モノが大好きですし、とりわけヴィンテージアイテムには興味があります」と、尾花氏。ゆえに時計でも惹かれるのはヴィンテージのミリタリーウオッチ。なかでもアメリカ海軍モノが大好きだと話す。尾花氏はミリタリーウオッチを「軍時計」(ぐんどけい)と呼ぶが、この辺りにもミリタリーアイテムとの長い付き合いが見て取れる。
「軍時計でUS NAVYモノといえばBLANCPAINのフィフティ ファゾムスでしょう。凝り性なので、時計には手を出さずにいたのですが、2年半くらい前についに手を出してしまって(笑)。BLANCPAINのヴィンテージを探していたのですが、ようやく1年半くらい前にMIL-SPEC 1に出合えたんです」
「MIL-SPEC 1」とはBLANCPAINが1957年から’58年にかけて開発したモデルで、’58年にアメリカ海軍に制式採用されている。その後、改良を重ねて’70年代までアメリカ海軍に納品された歴史を有する。
「ミリタリーモノはスペックを追っていく作業も楽しみのひとつ。そうした視点でも軍時計は面白いですよね。
フィフティ ファゾムスの米軍モデルにはいろいろなモデルがあるのですが、MIL-SPEC 1は6時位置のディスクとか、機能面でもデザイン的な視点から見ても実にユニーク。あと僕は腕が太くないので、小ぶりなサイズ感も気に入っているポイントです」
6時位置のディスクとは水密性を表示するものであり、内部に浸水があった場合に、ホワイトからレッドへと色が変わる。このディスクはアメリカ海軍のミルスペックに準拠するもので、アメリカ海軍好きの尾花さんにとって欠かすことができない仕様とか。
N.HOOLYWOODが2010年からアメリカに進出したのも、尾花氏の“アメリカ好き”が高じてというから、アメリカ海軍びいきも筋金入りだ。
「フィフティ ファゾムスは各国の海軍に納品されてきただけあって、ダイバーズモデルの始祖としての秘話が詰まっていると感じますし、こうした話をひとつずつ掘り起こす楽しさがありますよね。
つまりマニア好きする“打ち込めるブランド”なんです。本格派揃いだし、軍時計好きにとって魅力的です」
Page02. 時計をつくることの難しさ
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短期集中連載 BLANCPAIN 第2回
N.HOOLYWOOD尾花氏が語る
「フィフティ ファゾムス」の魅力(2)
時計をつくることの難しさ
尾花さんはこれまで時計のデザインも手掛けた経験がある。
「たとえば同じステッチでも、スニーカーよりも時計のストラップに施す方が、全体に対する影響力が大きい。ですから時計のようなスモールワールドのデザインは、ちょっとしたニュアンスが大変化をもたらしてしまう、本当にデザインが難しいアイテムなんです」
その経験を踏まえて、現行モデルを見ると、細部の作りこみに感嘆の声。「フィフティ ファゾムス オートマティック」には、ベゼルのひし形マークに「オリジナルのエネルギーを感じます」と、ひと言。またベゼルにラウンド仕上げが施されたサファイアがはめ込まれていると聞くと「!!」と、その技術に驚いた様子。また「バチスカーフ」を見ながら、「いいネイビーだな」と見入る。
「ヴィンテージと現行モデルは別ジャンルではありますが、ヴィンテージ好きにとっても、フィフティ ファゾムスの現行モデルは魅力に溢れていると感じます。
BLANCPAINにはいい歴史がありますから、その時間軸にどれほどのプロダクトがあるのかを覗いてもみたいし、これからのBLANCPAINが自らでどういう歴史を掘り起こしていくのかを知りたいと思います」と、尾花さん。
そして昨年、「フィフティ ファゾムス MIL-SPEC」へオマージュを捧げるモデルが限定復刻を果たしたと聞くと「!!!」という表情で「知らなかった……」。
「MIL-SPEC1がどんな復刻を果たしたのか、オリジナルを知る者にとっては興味深々ですね。サイズは直径40mm、ちょっと大きいんですね。う~ん、これは新旧2本持ちになる価値もありそうですね」
そして最後に、「せっかくだから『Tornek』(MIL-SPECが進化したモデル)も復刻しましょうよ!」と、軍時計好きの顔を見せた。