パリ現地リポート|BMW
BMW|ビー・エム・ダブリュー
BMWから3気筒ターボ搭載のPHV
BMWがパリモーターショー(パリサロン)にてお披露目したのは、あたらしいプラグインハイブリッド「コンセプト アクティブ ツアラー」。前輪を横置きのガソリンエンジンで、後輪をモーターで駆動するというBMWのハイブリッドを、大谷達也氏が現地からリポート。
Text by OTANI TatsuyaPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko
量産化も視野にいれたデザイン
現状ではコンセプトカーだが、細部まで煮詰められたデザインは、このアクティブ ツアラーが近い将来、量産化されるであろうことを意味している。
それにしても驚くのが、BMWブランドとして初の前輪駆動を採用していることだ。しかも、車高はおもいのほか高い1,560mm。じつは、4,350mmの全長、1,834mmの全幅、そして2,670mmのホイールベースをふくめ、アクティブ・ツアラーのディメンジョンは現行型メルセデス・ベンツ「Bクラス」(4,365×1,785×1,540mm。ホイールベース2,700mm)ときわめて近い。
ただし、フルモデルチェンジをして全高を大幅に低めたBクラスにたいし、アクティブ ツアラーは全高を上げて前輪駆動を採用するなど、これまで対照的だったメルセデス・ベンツとBMWのクルマづくりが互いに刺激しあうかのように歩み寄っている。この点は実に興味深い。
スタイリングは、前輪駆動化によってフロントオーバーハングが大きめになったことをのぞけば、紛れもなくBMWそのもの。敢えて目新しいモチーフを挙げるとすれば、チンスポイラーのエアインテーク部に車名を刻んだプレートを掲げたことくらいだ。
パワートレーンはプラグイン ハイブリッド方式を採用。フロントに横置き(!)される1.5リッター直列3気筒のターボエンジンは前輪を駆動し、後輪は電動モータによって駆動するため、プジョー「3008ハイブリッド4」と近い構成といえる。
ただし、アクティブ ツアラーは純粋なEVモードで20km以上の走行が可能なので、プジョー方式よりも格段にパワフルだ。なお、システム出力は最高190psで、0-100km/h加速 8秒以下、最高速度 200km/h前後を実現。ヨーロッパ方式による燃費は40km/ℓ以上、CO2排出量は60g/km以下を標榜する。
早ければ2013年にもデビューすると噂されるアクティブ ツアラー。EVのみを取り扱う同社のサブブランド“BMW i”では電気自動車になっても前後の重量配分が50:50となるように工夫されたが、アクティブ ツアラーの資料には重量配分にかんする記述が盛り込まれていなかった。