パリ現地リポート|Volkswagen
CAR / MOTOR SHOW
2015年1月26日

パリ現地リポート|Volkswagen

Volkswagen|フォルクスワーゲン

7代目ゴルフに対面!

2012年のパリモーターショーでもっとも注目されている1台、7代目 フォルクスワーゲン「ゴルフ」フォルクスワーゲンナイトでの先行発表の報告につづいて、大谷達也氏がこのゴルフのショーでのワールドプレミアをリポート。ぱっと写真でみたところは、ゴルフの伝統的なスタイリングを継承している印象だが、この自動車界の巨人はこれまでとどうちがう?

Text by OTANI TatsuyaPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko

品質感が大幅向上

ついに7代目ゴルフが我々の前に姿をあらわした。

写真では先代からの変化に気づきにくいかもしれないが、実車を目の当たりにすると、その印象はまるで変わってくる。

たしかに全体的なプロポーションは紛れもなくゴルフだ。しかし、ボディパネルの仕上げ、そして組付け精度の高さから、まったく別のモデルにおもえてくる。これまでのゴルフよりも1クラス上、いや2クラス上に見えるといってもいい。

まずは、その鋭利なプレスラインに注目したい。ボンネット上やボディサイドを流れるキャラクターラインは、どれも触ると指が切れるのではないか、とおもえるほどシャープな仕上がり。また、おなじボディパネルでもフラットな部分はとことんフラットで、ぱりっと張り詰めた印象を与える。

先日、「up!」の発表にあわせて来日したフォルクスワーゲン・グループ・デザイン責任者のワルター・デ・シルヴァは「シンプルこそフォルクスワーゲン・デザインのDNA」と語っていたが、まさにそのとおりだ。

また、デザインとしてはシンプルでありながら、素材や加工技術の質で商品を特徴付けようとする手法(これはiPhoneなどのアップル製品にも共通する)が、up!につづいてこのゴルフ7でも採用されている。

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内部も進化

ゴルフ7の特徴は外観だけに留まらない。むしろ、今後のフォルクスワーゲンに与える影響の大きさでいえば、その内面にこそ注目すべきであろう。

ゴルフ7がフォルクスワーゲンの新モジュラー戦略「MQB」に従って開発されたことは周知のとおり。今後同社から登場するすべての横置きエンジン・モデルに採用されるこのコンセプトは、エンジンの搭載角度や搭載位置を共通化することにより、開発の迅速化やコストの低減を狙ったもの。その第1作にあたるゴルフ7について、フォルクスワーゲングループの技術部門を統括するウルリッヒ・ハッケンベルク博士は「MQBのマスターモデル」と語る。それだけに、ゴルフ7の成否はフォルクスワーゲン全体の浮沈に関わる重大事ともいえるだろう。

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ウルリッヒ・ハッケンベルク博士

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Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン ゴルフ

ゴルフ7で注目すべきもうひとつのポイントは、その軽量化技術である。フォルクスワーゲンがプレスリリースで「最大100kgの軽量化」と謳ったことについては様々な議論があるが、前出のハッケンベルク博士は「ホワイトボディだけで27kg、サスペンション周りで20kg、エンジンで27kgの軽量化を果たした」と語り、その主張に裏付けがあることをしめした。

ラインナップ面では、気筒休止システムを搭載した1.4リッターTSIエンジンを主力とするいっぽう、パリサロンではコンセプトカーとして高性能なゴルフGTI(最高出力は220psと230psの2タイプ)やゴルフ ブルーモーション(1.6リッターTDIエンジンを搭載し、31.25km/ℓの省燃費を達成)なども紹介された。

デザイン、クォリティ、そしてパフォーマンスで一気にライバルの引き離しにかかった7代目ゴルフ。日本では来春発売の見通しだ。

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Golf GTI|ゴルフ GTI

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Golf Blue Motion|ゴルフ ブルーモーション

           
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