INTERVIEW|「ペリエ ジュエ ベル エポック」限定品の魅力を、セラーマスターのエルヴェ・デシャンが語る
LOUNGE / EAT
2015年2月16日

INTERVIEW|「ペリエ ジュエ ベル エポック」限定品の魅力を、セラーマスターのエルヴェ・デシャンが語る

INTERVIEW|プレステージ キュヴェ「ペリエ ジュエ ベル エポック」初の限定品発売

セラーマスター、エルヴェ・デシャン インタビュー(1)

「皆さまに親しんでいただいているペリエ ジュエ『ベル エポック 2004』のボトルにゴールドの花と葉のモチーフがあらたに添えられて、豊かで美しい姿になった限定品『ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション』が誕生しました。人生の幸せの時間のためのシャンパンをぜひお楽しみください」――と語るのは、ペリエ ジュエの7代目セラーマスター(最高醸造責任者)、エルヴェ・デシャン氏。ベル エポック初の限定品のグローバル発信のために来日した際にお話をうかがった。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by HARA Emiko

グローバル・ローンチを日本で開催した理由とは

1811年の創業で、昨年200周年を迎えたプレステージ・シャンパーニュ メゾン ペリエ ジュエの輝かしい歴史にあたらしい1ページをくわえるプレステージ キュヴェ「ペリエ ジュエ ベル エポック」初の限定品「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」が9月20日(木)から数量限定販売された。

――エルヴェ・デシャンさんは何度も来日されていますが、日本のワイン・シャンパン事情はどう感じていますか?

日本は大好きで、緻密でアロマ(香り)を大切にしている食の文化も好きです。ワインやシャンパンについては学ぶ意欲がとても強く、“知識のあるマーケット”として、私たちにとっても大切な国の一つです。とくにシャンパンにかんしては成長している市場で、高級ブランドへの関心も高い。ペリエ ジュエ社のあるシャンパーニュのぶどう畑の中心地の町・エペルネでもセラーを見学している日本人によく会いますね。

――今回は、限定品「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」のグローバル・ローンチを日本で開催しましたが、その理由は?

まず、「ペリエ ジュエ ベル エポック」のエミール・ガレによるデザインが日本の芸術にインスピレーションを受けていること、とくにボトルに伸びやかに咲く白いアネモネ(秋明菊)は日本のもので、私たちと日本の縁の深さを感じます。

――そして、フラワーアーティストの東 信(あずま まこと)さんですね。

そうです。今回は、プレステージ キュヴェ「ペリエ ジュエ ベル エポック」初の限定品として、エミール・ガレが描いたアネモネを活かし、200年以上のペリエ ジュエの歴史ではじめて、時と国を超えたアーティストのコラボレーションも実現しました。

ペリエジュエ|東信 05

ペリエジュエ|東信 07

エミール・ガレと東 信の歴史的な“出会い”

――エミール・ガレと東 信さんという“出会い”は、本当に驚きです。

そもそもペリエ ジュエの3代目社長であったアンリ・ガリスは、当時、フィロキシア害虫の予防やシャンパン地方で原産地保証に努めた農業エンジニアでしたが、芸術と美をこよなく愛するひとでもありました。エミール・ガレへの依頼の詳しい経緯は残っていませんが、マグナムサイズを芸術的なオブジェとすべく依頼したと聞いています。

――そうして生まれたのが“アネモネ”だったわけですね。

エミール・ガレが描いたアネモネは、自然の生命力のなかからインスピレーションを得て描かれた、エレガントで春の息吹にあふれる意匠。フランスにはないとても特徴的な花ですが、一つひとつの花びらのなかの花心部分が黄金色で、美しい貴重な花だと思います。

――今回、東 信さんを選ばれた理由は?

これまでの東氏の作品を拝見して、伝統的な生け花を超えた表現がなされている点と、花にボリュームをもたせることでちがう次元の表現ができているところが興味深かったですね。

ペリエジュエ|東信 09

――東 信さんとはどうやってプロジェクトを進めていったのですか?

東氏のクリエイションは、ガレのデザインをさらに豊かにするもので、オリジナルのアネモネに葉や花びらのモチーフをつけくわえて、あたらしいハーモニーを生み出してくれました。デッサンはフランスと日本を何度も行き来しました。納得のものができあがるまで1年半ほどかかりましたね。

INTERVIEW|プレステージ キュヴェ「ペリエ ジュエ ベル エポック」初の限定品発売

セラーマスター、エルヴェ・デシャン インタビュー(2)

ボトルは中身のシャンパンとともに生きつづけるもの

三次元のフレームと日本古来の植物によって、現代的ビジョンのもとにエミール・ガレのアネモネを現代によみがえらせる――東 信さんがボトルデザインを手がけた「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」は、エミール・ガレにオマージュを捧げるため、“フルートに注がれたシャンパーニュは色彩と香りが織りなすブーケ(花束)である” という考えかたに基づいた作品となっている。

――「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」のボトルのできあがりの印象を教えてください。

ガレのデコレーションがリスペクトされつつ、東氏は、繊細を極めたコンポジションを作り上げました。もともと空白だった部分に、葉や花びらのモチーフがくわわり、ボトルの上であたらしいバランスが生まれています。エレガントで洗練された印象を受けますね。もともとモダン性をたたえたデザインでしたが、東氏のクリエイションと白と金色がくわわったことによって、あらたなディメンションが生まれ、永続性が感じられます。

――できあがりの東さんの反応は?

ディテールまで非常にピュアな状態で再現されていると、とても喜んでくれたようです。ボトルは中身のシャンパンとともに生きつづけるものですからね。

――中身の話をうかがいますが、プレステージ キュヴェを作りはじめたきっかけも“アネモネ”だったそうですね。

はい。エミール・ガレが描いたペリエ ジュエのボトルは、メゾンの地下のセラーで何十年も眠っていて、1964年に発見されました。当時の6代目セラーマスターが、そのボトルの美しさに感激し、1964年収穫年よりプレステージ キュヴェを製造したのです。それが「ペリエ ジュエ ベル エポック」です。もちろんボトルのアネモネがシンボルでしたが、瓶にエナメルを固定する技法で試行錯誤したと聞いています。

ペリエジュエ|東信 16

ペリエジュエ|東信 18

ボトルと中身のクオリティにおいて非の打ちどころのない銘品

――「ペリエ ジュエ ベル エポック」とは?

ベル エポックは、アルコールと酸のバランスをみて、ヴィンテージになる可能性があるときだけ造っています。毎年造るわけではありません。セパージュ(ぶどう品種別の混入割合)は、シャルドネ55%、ピノ・ノワール40~45%、ピノ・ムニエ 0~5%で、100%グラン・クリュ(最上級のぶどうを産出する畑)のブドウのみが使われます。とくにシャルドネ種はメゾンの特徴である白い花のニュアンスと、柑橘系のフレッシュな味わいが引き立ちます。ピノ・ノワールが骨格をあたえながらも、5%のピノ・ムニエによってもたらされるあと味の丸み、やわらかさなど、複雑性をもって構成されていることも特徴です。

――今回の「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」の中身はベル エポック2004ですね。

ベル エポック2004は6年間の熟成期間で、ノートとしては、梨や桃など白い果肉のアロマ(香り)が立ち上がり、サンザシやアカシアなど白い花の香りへと変化し、やがて柑橘系から、バターやバニラのアロマをほのかに感じます。ピュアな白い花の存在感が口で感じられて、様々なアロマがはじけつつ、複雑でフラジャイル(はかなげ)な味わいが持続するのも特徴です。

――シャンパンの楽しい飲み方を教えてください。

日本は食文化がとても豊かで、お寿司や刺身とシャンパンのマリアージュは皆さんご存知だと思います。これからは野菜とのあたらしいマリアージュに期待したいですね。また、シャンパンはアルコールではありますが、“泡”があることで軽やかで、男女関係なく飲んでいただけると思います。

――では、日本のペリエ ジュエ ファンへメッセージを。

今回限定発売される「ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション」は、ボトルと中身のクオリティにおいて非の打ちどころのない銘品です。シャルドネ種がもたらす官能的なフェミニンさがボトルにマッチしていると思いますので、人生のすばらしい瞬間に乾杯してください。

ペリエジュエ|東信 20

写真はペリエ ジュエ ベル エポック 2004

ペリエ ジュエ ベル エポック フローラル エディション
(Perrier‐Jouët Belle Epoque Florale Edition)

ペリエ ジュエ ベル エポック 2004
参考税込み価格|2万8500円(750ml)
ギフト箱入り

ペルノ・リカール・ジャパン
Tel. 03-5802-2671

           
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