LOUNGE /
MUSIC
2025年11月19日
進化する『JAZZ NOT ONLY JAZZ』界隈と『Tokyo Lab』の密なる関係
MUSIC|Tokyo Lab Xmas Special Session
次世代アーティストに早くから活躍の場を提供してきた「TOKYO LAB」。コロナ禍で休止したプロジェクトが「Tokyo Lab Sessions」として2025年1月に再始動し、坪口昌恭をバンドマスターに国際的な才能と日本の若手精鋭による「一期一会」のセッションを展開しています。今冬は、スペシャルイベント「Tokyo Lab Xmas Special Session」が聖なる一夜を彩ります。
Text by SHIBATA Hirotsugu(Long Distance Love代表/TOKYO LABプロデューサー)
ジャズだけじゃない。国境もジャンルも超えた音楽実験場
昨年に引き続き「JAZZ NOT ONLY JAZZⅡ」という、ジャズをベースにしながら(ルーツに持ちながら)その壁を超えて、さらに様々なジャンルとの音楽的異種交配を試みるミュージシャンが大挙集結したライヴイベントが開催されました(2025年9月18日@東京国際フォーラムホールA)。
ここで何より注目されるのが音楽ディレクター(バンドマスター)兼プロデューサー、石若駿の存在です。東京藝大出身の彼はいわゆるマルチプレーヤーですが基本はドラマー…しかしこのイベントでは自身のセプテット(Septet/7人編成)を率いて「アイナ・ジ・エンド」「岡村靖幸」「椎名林檎」さらにはあの「Robert Glasper」までもゲストに迎えて一夜限りのライヴを仕切ってしまうそのセンスと実力はもはや日本のトップジャズプレーヤーの域を遥かに超えて、世界基準のアーティストになりつつあります。
そしてここでふと思ったことは(手前味噌で恐縮ですが)私(Long Distance Love代表)が2017年にスタートさせた音楽プロジェクト「TOKYO LAB」のこと。タイトル通り「東京を音楽の実験場」に見立て、次世代/新世代の日本人若手アーティストにスポットを当てて、新たな音楽シーンを創ることが目的でした。
コンセプトは「beyond JAZZ/next JAZZ」、そう「JAZZ NOT …」にとても近いアイディアだったのです。しかも「TOKYO LAB」の目玉はポップマエストロとして90年代から様々なアーティストのプロデュースを手掛けてきた冨田恵一(冨田ラボ)を作・編曲/バンドマスターに迎えたT.O.C Band(*TOKYO OLYMPIC CEREMONY BANDの略称)でしたが、(人選した自分が言うのもアレですが)まさに今の音楽シーンを予期した、時代を先取りしたメンツが凄かったんです。
リズムセクションが石若駿&松下マサナオ( ds/YASEI COLLECTIVE他)角田隆太(bs/モノンクル)、さらに井上銘(g/STEREO CHAMP他)江﨑文武(key/WONK他)類家心平(tp/RS5pb他)等とにかく今をときめく次世代アーティストが勢揃いした一夜限りのライヴ(@渋谷クラブクアトロ)でした。
コロナ禍前の3年間(2017~2019年)開催したイベントには、今や世界を舞台に活躍するアオイヤマダ(表現者)等も参画するなど(2019年)、まさにJAZZを超え(beyond)JAZZだけではない( Not Only) 音楽の実験場を具現化したイベントでした。
残念ながらコロナ禍によりイベント自体が休止を余儀なくされましたが、この期間に(例えば海外人気アーティストの来日公演が止まり)いわゆる石若駿をはじめとする若手ミュージシャンがこれまで敷居の高かったジャズクラブ(BLUE NOTETOKYO,COTTON CLUB等)やロック・ポップスが主流だった大型フェスへの出演(サポート含む)等活動の場が一気に広がり、現在のポジションを掴んだ時期だったとも言えるでしょう。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。休止していた「TOKYO LAB」プロジェクトがダウンサイジングではありますが「Tokyo Lab Sessions」として2025年1月、再始動しました。
コンセプトはほぼ変わりませんが、まだまだ日本では紹介されていない才能溢れるアーティストを紹介することにより重点を置き、その場でしか観ることのできないミュージシャンの意外な組合せによる、まさに「一期一会」の音楽体験を提供するセッションです。
そしてバンマスを務めるのは、日本が誇るジャズ( Not Only Jazzな!)鍵盤奏者/プロデューサー坪口昌恭。第1回目はイスラエル人(岐阜生まれ)のギタリスト/プロデューサー、Kai Livermoreをフューチャー。リズムセクションはシンサカイノ(bs) & 弱冠15歳の天才ドラマーCHITAA(ds) を起用したスリリングなライヴは大評判を呼びました(2025/1/18@Blue Note Place)。第2回目はインド人(川崎在住)マルチプレーヤーNimisha(vo/g) with織原良次(fretless Bs)&松浦千昇(ds) による唯一無二のパフォーマンスが、前回以上の盛り上がりを見せました。
そしてあまりの反響の大きさに、Nimishaを再び起用し、リズムセクションを刷新し、新たな会場で開催するのが今回の「Tokyo Lab Xmas Special Session 2025」です。
もちろんバンマスは坪口昌恭。今回は彼の複数プロジェクトのひとつ「Texutures」をベースにしながら、レギュラーメンバーのグルーヴマスター横山和明(ds) 、現在はPOPフィールド(モノンクル)で主に活躍する元「T.O.CBand」メンバー角田隆太(bs)、今世界的に注目されるパーカッショニストKan(Perc.) を加えた新編成で、進化を続けるアーティストNimisha(g/vo)を盛り上げながら繰り広げられる2020年代の「New World Music」は、このセッションならではの大きな魅力です。
今年(特に後半)はOASISだ、矢沢だ、東京ドームだといったお祭り的な大規模ライヴがブームになりましたが、(ちょっと大げさですが)そんなザワついた2025年の音楽シーンを締めくくるのにふさわしい刺激的かつ聖なる一夜限りの「Tokyo Lab Xmas Special Session」にぜひお越し下さい。
Tokyo Lab Xmas Special Session 2025
会場|BAROOM(東京都港区南青山6-10-12フェイス南青山1F)
日時|2025年12月14日(日)開場17:00/開演18時(1st40分休憩20分2nd40分*入替無し)
入場料|5000円(税込*全席指定/1ドリンク別)
出演|
Tzboguchi Masayasu「Textures」~坪口昌恭(key/バンドマスター)featuring Nimisha(g/vo) with 角田隆太(bs fromモノンクル)/横山和明(ds)/Kan(perc.)
DJ 原田潤一(ARBAN/Montreux Jazz Festival Japan)*ライヴ終了後~23:00(予定)
企画プロデュース|Long Distance Love
PR協力|office DEBBIE
イベント詳細&チケット予約
