レンジローバーの新モデル「ヴェラール」、ついに発表|Range Rover
Range Rover Velar|レンジローバー ヴェラール
レンジローバーの新モデル「ヴェラール」、ついに発表
ジャガー ランドローバーは、先日予告していたレンジローバーの新しいモデル「ヴェラール」のプレス発表をロンドンで行った。
Text by OGAWA Fumio
斬新なデザインをまとう新モデル
レンジローバー「ヴェラール(Velar)」が2017年3月1日にロンドンでお披露目された。4台めのレンジローバーとなる新世代。最大の特徴は滑らかなスタイリングだ。
英国のレンジローバーの特徴は、SUVでつねに新しい分野を開拓してきたことだ。「イヴォーク」しかり、そしてヴェラールしかりである。
「レンジローバー スポーツ」と「レンジローバー イヴォーク」の間になるモデルとしてラインナップに連なることになるヴェラール。
ほとんど事前の画像公開なしにジャーナリスト向けにプレス発表会が行われたヴェラール。 “隠す”を意味するラテン語由来の車名は、かつて60年代に作られた初代レンジローバーのプロトタイプのニックネームだったそうだ。
オリジナル レンジローバーも1970年に発表されたときは、斬新なスタイルで見るひとを驚愕させたと資料にはある。
その意味でヴェラールはレンジローバーファミリーの一員となる権利を持っている。とりわけ斬新なデザインという意味ではイヴォークに近い。
プラットフォームはレンジローバーファミリーの中で唯一、ジャガー「Fペイス」と共用する。エンジンは2リッター4気筒と3リッター6気筒で、ガソリンとディーゼルが用意される。それに(Fペイスと同様)AWDシステムが組み合わせられる。
「このクルマのデザインテーマをひとことで表現するならリダクショニズム(reductionism)です」。発表会の席上で、ランドローバーのデザインを統括するジェリー・マクガバン氏は述べた。
スタイリングはそのコンセプトのとおり、じつにすっきりしている。突起がほとんどなく、美しい磁器のようなカーブとシンプルなラインで構成されている点が新しい。
インテリアも同様に斬新である。
Range Rover Velar|レンジローバー ヴェラール
レンジローバーの新モデル「ヴェラール」、ついに発表(2)
こだわりが光るインテリア
レンジローバー・ヴェラールは「ラグジュアリーに対する新しいアプローチを採用した」とランドローバーが用意した広報資料に記されている。
大きくとかゴツくとか、そういう考えとは正反対のスタイリング。そこが新しい。ジャガーFタイプはどちらかというとジャガーのセダンやクーペのイメージに引っ張られていたが、ヴェラールは見たことのないスタイルである。
全長4.8メートルという小さくないサイズだが、均衡のとれたプロポーションのおかげでむしろコンパクトな印象を受けるほどだ。
ドアハンドルはボディパネルと面一という凝り方。スイッチを押すとボディからせり出してくるのもオーナーのプライドをくすぐりそうだ。
もうひとつオーナーになったらさぞかし嬉しいだろうと思わせるのがインテリアだ。ヴェラールではスイッチがほとんど見当たらない。
センターダッシュパネルは高級オーディオアンプを思わせる漆黒の仕上げで、そこに大2つ、小2つの円筒形ダイヤルが並んでいるだけ。
しかし触れるといきなり生命を宿したかのようにモニターが動き出す。タッチコントロールによって、車両の設定や空調やインフォテイメントを操作する。
ステアリングホイールのスポーク左右にある運転支援システムなどの操作もスイッチが見当たらない、しかしその部分に親指があたると動き出すという凝りかたなのだ。
シートもすばらしい出来だ。高級繊維メーカー、クヴァドラと共同開発したというウール混紡の素材で張られている。
「レザーと同等の高級なファブリック地の開発に成功しました」。記者会見のとき、インテリアのチーフデザイナー、エイミー・フラシェラ氏は誇らしげに述べた。
欧州での発売は2017年初秋。日本では10月の東京モーターショーでのお目見えとなるだろうか。2018年の発売が予定されているようだ。
本国では250psの2リッター4気筒と380psの3リッターV6のガソリンエンジン。加えて180psと240psの2リッター4気筒300psの3リッターV6のディーゼルエンジンが搭載される。
日本にはまずV6が入り、そののち4気筒モデルの導入になる予定とジャガー・ランドローバージャパンではする。ディーゼルも導入されるそうだ。価格は600万円台からになるといわれている。