DSの新フラッグシップモデル「DS7 クロスバック」がパリでお披露目|DS
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2017年3月2日

DSの新フラッグシップモデル「DS7 クロスバック」がパリでお披露目|DS

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

「DS7 クロスバック」がパリでお披露目

シトロエンのプレミアムブランド、DSの新たなるフラッグシップモデル「DS7 クロスバック」が、ジュネーブモーターショーに先立ってパリはバンドーム広場でお披露目された。その模様を速報でお届けする。

Text by NANYO Kazuhiro

細部にまで徹底的に「アルティザナ」を追及したインテリア

3月9日より一般公開されるジュネーブモーターショー2017に先行して2月28日、パリのヴァンドーム広場近くの特設会場にて、DSが新たなフラッグシップとなる「DS 7クロスバック」を発表した。車名の数字が示す通り、DS 5の上位に追加されラインナップの頂点を担う、プレミアムCセグメントのSUVだ。

通常、新車発表会は大きなステージの前に通されて、うやうやしくアンヴェール――となるが、DSはあえてそうはしなかった。美術展や博物館を巡るようにガイドが付き、内装デザインや動的機能の担当者らが各人の仕事を説明していくというスタイルを採用。最後に、「ラ・プルミエール」と名付けられたファースト・エディションの実車(注・写真で左の銀色。右のゴールドはプロト)を見せるというものだった。

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

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インテリアの各仕様の名称は、「フォブール(ウッド)」「リヴォリ(メタル)」「オペラ(エナメル)」「バスティーユ(ファブリック」)など、ひとつひとつパリの地名にちなんでいる。

嵌木細工を思わせるウッドづかいや、クルー・ド・パリを採り入れたメタルのパネル、スイッチ類のひとつひとつをビジューや時計のように仕上げたほか、DS得意の包み込むようなレザー内装や「パール・エフェクト」と呼ばれるステッチ、ジャカード織りを思わせるファブリックまで、細部にまで徹底的に「アルティザナ」を追及している。

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

走行面での新機能で注目すべきは、「DSコネクティッド パイロット」「DSセーフティ」というパッケージの下に、最新のADAS(先進運転支援システム)を統合している点。巡航速度を30㎞/h以上で設定したあとは運転支援ブレーキやスタート&ストップ機能と連動して0-180km/hで機能するアダプティブ クルーズ コントロール、赤外線センサーで歩行者や動物をも検知するDSナイトヴィジョン、さらには最新世代のパーキングアシストを備える。安全面ではドライバーの瞼の動きを常時モニターすることで、疲れや居眠り運転になる前に警告を発する予防措置的な機能も含まれている。

とはいえ、走行に関わるもっとも大きな特徴といえるのは、新開発のリアマルチリンク式サスペンション「DSアクティブ スキャン サスペンション」だろう。これは、カメラで路上の凹凸を読んでアクティブ制御するもの。同様の機能はすでにメルセデスの上位機種で知られているが、Cセグメントには当然、初搭載となる。

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

「DS7 クロスバック」がパリでお披露目(2)

当初は3種類のエンジンをラインナップ

外観上の大きな特徴としてあげられるのは、DSが「リュミナス・シグネイチャー」を謳う独自のライトで、「DSアクティブLEDヴィジョン」と呼ぶフルLED のコンビネーションランプだ。オリジナルの初代DSと同様に、ステアリングの動きに応じて照らす方向が左右に振れるのみならず、市街地走行から駐車時、高速道路など速度と走行状況に応じて5つの照射モードを自動的に切り替える。視界の確保のみならず、外からの見えやすさ・認識しやすさにも貢献するという。

くわえて、点灯時・消灯時にもちょっとした演出がある。片側3灯のバルブが順番にひとつひとつ、180度回転するのだ。照らすという機能には関係のない演出ながら、ランプが動く発想自体がDSらしさであることを日々、主張するに違いない。そもそもDSが根ざすパリ自体が、別名「ville de lumière(光の街)」なのだから。

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

DS7 Crossback|DS7 クロスバック

プラットフォームにはPSAの最新世代、EMP2を採用。6種類のエンジンがアナウンスされているが、当初は3種類を用意すると、プロダクト担当副社長、エリック・アポッド氏はいう。THP225(225ps)となる1.6リッターターボのガソリンに、BlueHDi180という既存の2リッターターボのディーゼル、さらにBlueHDi130と呼ばれる新たな1.5リッターターボのディーゼルというランナップだ。「欧州での発売は2018年1月、日本でも2018年の前半に投入したいですね」。ちなみにトランスミッションは新開発の8段ATとなる。

だが2019年には新たなパワートレインとして、PSAでは初となるPHEV(プラグイン ハイブリッド)が控えており、こちらは13kWhのリチウムイオン バッテリーを採用し、前車軸をTHP200と電気モーターで駆動、後車軸は先述のリアマルチリンク式サスペンションにモーターと組み合わせたモジュールを搭載する4WDとなる。4WDモードでは合計300ps、450Nmを発生し、ゼロエミッション状態で約60kmの自立走行距離を確保するという。

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DS7 Crossback|DS7 クロスバック

ボディサイズは全長4.57×全幅1.89×全高1.62メートルと発表されており、全幅は広めだが全体としてDセグよりややコンパクトに収められている。フランス的なモノづくりを前面に押し出すというDSの新世代フラッグシップモデル。これまでドイツ車的な価値観が圧倒的だったプレミアム セグメントで、新たにどんな顧客層を開拓できるか、楽しみな一台といえる。

           
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