アウディ、新型A3に新しい情報技術の導入を発表|Audi
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アウディ、新型A3に新しい情報技術の導入を発表
アウディAGは、3月6日からドイツ・ハノーバーで開催されるCeBITに、新型A3と、それに搭載される「Audi connect」を展示するブースを出展すると発表した。この「Audi connect」は、車両軽量化のための技術「Audi Ultra」、EV技術の「e-tron」とともに、アウディの標榜するキーワード「Vorsprung durch technik(技術による先進)」のもとに掲げられた、重要なテクノロジーと位置づけられている。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
進むクルマと情報技術の連携
CeBITとは、IntelやAMDなど、IT関連企業がブースを並べる、世界最大規模の情報通信技術の見本市。近年、マイクロソフトとトヨタが提携したように、クルマとITの関係は親密化が進んでおり、アウディは、先月ラスベガスで開催されたCES(米国最大のIT関連の展示会)につづいての出展となる。
「Audi connect」は、クルマをネットワーク化するモビリティ・ネットワークをスローガンとして掲げ、インターネットを通じてクルマ同士をつなげるインターフェイスとしての役割をはたす。現在は第3世代通信であるFOMAによる通信だが、将来的には第4世代とよばれるLTEを使った通信を視野に入れている。
この「Audi connect」は、新型A3から採用されるフォルクスワーゲン グループの新技術「モジュラーインフォメーションプラットフォーム(MIB)」に組み込まれるため、車両の情報通信にかかわる開発期間を短縮できるという。ハードウェア的には、各社のスマートフォンやタブレットPCなどにも採用され、省電力性能とグラフィック処理能力に定評のある、NVIDIA社製のTegraチップを採用。操作はセンターコンソールのダイアル上部に取り付けられたタッチパッドを使うことで、高いユーザビリティを実現するという。
なお、このあたらしいIT技術が導入される新型A3は、ほぼ同時期に開催されるジュネーブモーターショーにてワールドプレミアの予定だが、ドイツ本国ではCeBITが初お披露目の舞台となる。このことからも、クルマそのものもさることながら、情報通信分野にアウディがかける意気込みがうかがえる。
「クルマとIT」といえば、日本でも、さきの東日本大震災発生時、走行履歴をもとに通行可能な道路情報をいち早く公開したホンダの「インターナビ」や、トヨタの「G-BOOK」など、さまざまな取り組みがすすんでいる。今回のアウディはもちろん、世界の各メーカーがITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)には本腰を入れており、都市部での交通環境の改善や安全性の向上が期待される。