Audi A6|アウディ A6 国内販売開始!
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2015年2月26日

Audi A6|アウディ A6 国内販売開始!

Audi A6|アウディ A6

国内販売を開始した4代目「A6」に試乗!(1)

アウディのアッパーミドルクラス「A6」が先ごろフルモデルチェンジを受け、2011年8月23日よりアウディジャパンの手で日本販売が開始された。軽量化したボディに、低燃費エンジンを搭載している。610万円から。

文=小川フミオ写真=望月浩彦

あたらしいビジネスエリートに

A6はアウディにとって歴史あるモデルだ。今回の新型で7代目。初代にあたるアウディ100は空力デザインを大々的に採用したエポックメーキングなモデル。2代目はさらに空力を突き詰めてCd値0.28を実現した。メルセデス・ベンツ EクラスやBMW 5シリーズをライバルとするが、「クワトロ」と名づけたフルタイム4WDシステムや、デュアルクラッチシステムを採用したSトロニックトランスミッションなど、テクノロジーを前面に押し出しているのが特徴。

新型A6のもうひとつの特徴は、見えないところに。最先端のスチール素材と、多岐にわたるアルミニウムパーツを組み合わせて、先代より30kgの軽量化を実現。ドイツで流れるA6のTVコマーシャルでも、エンジニアがアルミニウムとおぼしき素材をまるで粘土のように手で延ばしながらA6のシャシーを作っていく合成画像が流れる。いかに凝った素材で軽量化を実現しているかを強調する内容だ。「近年の重量化スパイラルに歯止めをかけ、将来の環境性能を実現する重要な資質」と広報では語る。

「A6は日本市場において重要。アウディの中核を占めるモデルなので、セールス的にも好成績を狙っていきたい。従来よりプレスティッジ性が向上すると同時に、革新的技術が多く盛り込まれ、環境性能とパフォーマンスが両立しているのが新型の特徴。革新性でもって社会のリーダーとなるべき、あたらしいビジネスエリートに乗っていただきたい」。東京・汐留「コンラッドホテル東京」を舞台におこなわれた試乗会会場で、アウディジャパンのマーケティング担当者はそう語った。

上で記述されている本国で放映されているA6のコマーシャル映像。

Audi A6|アウディ A6

国内販売を開始した4代目「A6」に試乗!(2)

新型に盛り込まれた先進技術

新型A6に搭載されるエンジンは2種類。自然吸気の2.8リッターV型6気筒エンジンは150kWの最高出力と280Nmの最大トルクを発生する。もうひとつはスーパーチャージャー搭載の3リッターV型6気筒で、220kWと440Nmを発生する。どちらも、コーナリング時に四輪の駆動力をコントロールしてスムーズで安全な操縦性を確保するトルクベクタリング制御を組み込んだ、新世代のクワトロシステムと組み合わされる。

乗り心地の快適性と、スポーティな操縦性の両立は、新型A6の課題だったという。アームをはじめサスペンション構成パーツの多くは軽量で高剛性の鍛造アルミとなり、バネ下荷重の低減を実現。ボディが軽量化したぶん、さらにバネ下も軽くすることでバランスをとり、乗り心地のよさに寄与している。

ダウンサイジングコンセプトを具現

エンジンは、A8A7スポーツバックにも搭載されたスーパーチャージャーつきの3リッターV6ユニットが、とりわけパワーと燃費の両立を図っている点で注目だ。

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従来のV8にかわるトルクとパワーをもちながら、排気量を減らすことで燃費経済性を改善。アウディのダウンサイジングコンセプトを具現したパワーユニットだ。

さらに、エンジンやトルクの制御プログラムを変更する「アウディドライブセレクト」に、燃費を重視した「効率」モードが設定されたのも3リッターV6搭載の3.0TFSIの特徴だ。運転席のボタンでこのモードを選択すると、変速タイミングがはやまるなどさらに燃費を重視した設定となる。

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国内販売を開始した4代目「A6」に試乗!(3)

あたらしい世代のアウディに

上の両端を斜めに切ったようなあたらしい意匠のグリルを与えられた新型A6。あたらしいと思えるのは、外観だけではない。ひとことで言うと、おとなっぽくなっている。新世代のA7、A8とも共通する特徴で、快適性が高まり、より多くのひとが楽しめる操縦感覚が好ましい。

さきに書いたようにA6には、150kWの2.8FSI quattro(610万円)と、220kWとよりハイパワーの3.0TFSI quattro(835万円)がラインナップされている。

後者にはスーパーチャージャーが装備されて、低回転域から力強いトルクが出る。かつ、吸気管を短くして、アクセルペダルの踏み込みにたいして反応よく加速するような構造が採用されている。ようするに、3.0TFSI quattroはよりパワフルな印象が強い。

ふたつのモデルを英語でいうところのバック トゥ バック、おなじ流れで乗り比べると、2.8FSI quattroは多少分が悪い。しかしコンピューターでクラッチ操作をおこなうことで、適切なギアを選び、出力をあますところなく車輪へ配分してくれるダイレクト感のある8段Sトロニック トランスミッションの恩恵で、パワー不足感はない。より積極的にドライブするのを好むなら、変速機のマニュアルモードを使って3,000rpmから最大トルクを発生する、この自然吸気エンジンのよさを堪能すればよい。

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より多くのひとが楽しめる高級感

2.8FSI quattroと3.0TFSI quattroとに共通するのは、乗り心地のよさ。後者は1インチ径が大きい19インチ径のタイヤを履いていたのでやや乗り心地は硬いが、それでも、先代に比べると、よりしなやかで、洗練性が大きく向上していると感じられる点では2モデルともにおなじ。先にも触れたように、サスペンションの構成パーツに軽量アルミニウム製を多用することでバネ下荷重を軽くしていることをはじめ、サブフレームのマウント、さらにシャシーのしなり具合など、さまざまな設定の結実だろうが、これが高級感の向上につながっている。

しなやかさについては、ハンドルを切ったときにも感じさせる。思い起こせばアウディは、1997年発表のA6としては2代目のモデルで、スポーティなステアリング、つまりドライバーのハンドルさばきに即座に反応して車体が向きを変えるシャシーづくりを入念におこない、それによって、従来の安全志向一辺倒のセダンというイメージを覆すのに成功した。新型A6はそこから一段階ステップが上がったかんじだ。より多くのひとが楽しめる高級感を身につけている。

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国内販売を開始した4代目「A6」に試乗!(4)

室内の静粛性の高さも特筆もの

運転席の居心地のよさは、従来からアウディのセリングポイントだった。あるべきところにあるべき操作類が置かれ、ドライバーは走行中、視線の移動なしに、必要な操作がおこなえる。かつ、ハンドルのグリップやシフトレバー、さらにシートの座面など、ひとの肌に触れる部分は、感触になじむ形状とともに、しっとりと高級感のある素材で覆われている。

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もうひとつ新型A6で強く印象に残ったのが、走行中の静粛性の高さだ。ウィンドシールドやサイドミラーまわりからの風切り音、足もとからのエンジンノイズ、とくに後席の下からのリアタイヤの転がり音など、通常のクルマで気になる透過音がていねいに抑えられている。新型A8で劇的な進歩を見せたアウディの静粛性技術が、A6でも採用されている。

躍動感溢れるプロポーション

ひとつ気になる点は、センターコンソールまわりの質感だろうか。ウッドパネルでなく合成樹脂を使った仕様だととくに、いわゆるプラスチッキ-な印象が強い。部品と部品の合わせ目のすきまを可能なかぎり小さくするなど、質感の追求は1990年代から間断なくつづけられているアウディの美点なのだが、今回はシフトレバーまわりに合成樹脂を大きく使ったデザインのせいだろうか、あるいは表面の仕上げのせいだろうか、アッパーミドルクラスとしては、もうすこし質の高さを期待するのだ。

ボディのシルエットは、フロントオーバーハングは長め、いっぽうリアのトランク長がずいぶん短く見えるほどルーフの前後長を長めにとり、それによって躍動感を演出している。1986年に発表されたアウディ80の傑出したプロポーションを連想した。それに、A1から大々的にはじまった、LEDを大きく使い鋭角を強調したヘッドランプと、やはりエッジをたてた新世代のフロントグリルを、やや保守的なマーケットを相手にするA6に、ちゅうちょなく採用したのも、つねに先に進むという企業の姿勢を明確にしているアウディならではと評価したい。時代はつねに革新に追い風なのだ。

Audi A6 2.8FSI quattro|アウディ A6 2.8FSI クワトロ
ボディサイズ|全長4,930×全幅1,875×全高1,465mm
ホイールベース|2,910mm
車輛重量|1,790kg
エンジン|2.8リッターV型6気筒DOHC
最高出力|150kW(204ps)/5,250-6,500rpm
最大トルク|280Nm/3,000-5,000rpm
トランスミッション|電子制御式7段トランスミッション
駆動方式|フルタイム4WD
10・15モード燃費|11.0km/ℓ
CO2排出量|211g/km
トランク容量|530リットル
価格|610万円

Audi A6 3.0TFSI quattro|アウディ A6 3.0TFSI クワトロ
車輛重量|1,850kg
エンジン|3.0リッターV型6気筒DOHC
最高出力|220kW(300ps)/5,250-6,500rpm
最大トルク|440Nm/2,900-4,500rpm
10・15モード燃費|10.2km/ℓ
CO2排出量|228g/km
価格|835万円

           
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