Bugatti Veyron 16.4|ブガッティ ヴェイロン 16.4 生産を終えた最強のクーペ
Bugatti Veyron 16.4|ブガッティ ヴェイロン 16.4
生産を終えた最強のクーペ
さる6月24日、300台目となるブガッティ ヴェイロン 16.4が欧州在住の顧客からオーダーを受けた。今秋完成予定の同車の販売をもって、ブガッティ ヴェイロンのクーペモデルの生産が終了することとなった。
文=松尾 大
最高出力1,000psを優に超えるスーパーマシン
1998年、フォルクスワーゲンがブガッティ・ブランドを買収し、そのちょうど一年後にスタディモデルとしてEB18/4ヴェイロンを東京モーターショーに発表した。さらに6年後にあらわれたヴェイロン 16.4は、400km/hの壁を超え、それから半年後、ついに市販が開始された。
ヴェイロンの特徴といえば、圧倒的なパワー/トルクとそれによって導き出される加速、そして最高速度だ。4つの連続可変カムシャフトと4つのターボチャージャーつき7,993ccW16気筒エンジンは、16あるシリンダーが1-14-9-4-7-12-15-6-13-8-3-16-11-2-5-10という順に点火され、736kW(1,001ps)の最高出力を導き出す。最大トルクは2,200rpm-5,500rpmという広い領域で1,250Nm(127.5kgm)を発生。
これに組み合わせられる7段DSGは150ミリ秒(0.15秒)という電光石火のスピードでギアチェンジをおこなう。量販車としてははじめて採用されたフルカーボンファイバー製モノコックはねじり剛性60,000Nm/degreeという驚くべき強度をもちつつ、車両重量を1,888kgにおさえた結果、0‐100km/h加速2.5秒、0‐200km/h加速7.3秒、0-300km/h加速16.7秒、そして最高速度407km/hを誇るモンスターマシンとなった。
オープンボディ「Grand Sport」は生産を継続
しかし、最高速度記録が破られたこともあり、2010年には、最高出力882kW(1,200ps)、最大トルク1,500Nm(153kgm)から415km/hの最高速度をたたき出すヴェイロン16.4 Super Sportが登場し、ヴェイロンの威厳を保った。
ちなみにこのSuper Sportは、実際には最高速度431.072km/hというギネス記録をもっているが、タイヤを守るために415km/hに制限しているという。
今回、クーペボディの生産は終了するが、150台限定生産である、オープンボディのGrand Sportの生産は継続される。こちらは史上最速のオープンモデルとして最高速度360km/hを実現する。
同社のヴォルフガング・ドゥルハイマー社長は、「ヴェイロンはすでに自動車史にアイコンとして名を残しているモデル。また、技術、デザインの両面において、今なお時代の先端を走っている。我われは将来あらわれるブガッティ車についても同様の基準を維持していく」とコメントしている。