急速に進化する、若手ブランドの時計技術

創業者の実業家カルロス・ディアス氏は、時計コレクターとして伝統的なスイス時計の魅力を熟知した人物。優秀な時計師ロジェ・デュブイ氏とともに、伝統的な様式・機構を尊重しながら、最新の技術で設計・開発した自社製ムーブメントと、現代ならではの押し出しの強いデザインを融合させた“新時代のスイス機械式時計”をぞくぞくと展開。伝統的な色彩の濃い老舗メゾンの機械式時計に飽き足らない人びとのあいだで一躍大人気のブランドとなった。

なかでもムーブメントの技術力と開発ペースはすさまじく、ダブル・フライング・トゥールビヨンやスケルトン・トゥールビヨンなど、わずか15年の歴史で膨大な数の自社製ムーブメントを開発。その多くが伝統的なスイス時計の手順で製作されていることをジュネーブ市が保証する“ジュネーブシール”を取得している。フランス・ブザンソン天文台の検定テストによる精度保証“ゼロ”からスタートした新ブランドでこのような例はほかにない。

2009年からはコンパニー・フィナンシエール・リシュモン傘下に入り、あたらしいCEOのもとで、あらたなブランドコンセプトによる発展の準備に入っている。2011年はこの“新コンセプト”による製品第一弾となる新コレクションが発表された。それが“モナコに住みチャレンジングな人生をおくるセレブリティ”をイメージした「モネガスク」だ。押し出しの強いデザインは、個性をハッキリと主張したい男性にとって従来のコレクション同様に魅力的なもの。またこれまではSSケースでも100万円オーバーが普通だったが、このコレクションからは100万円を切るモデルも用意される。2012年にはさらにあたらしいコレクションが登場する予定であり、いまから楽しみだ。

モネガスク ビッグナンバー クロノグラフ
丸と四角が融合したケース、カジノのルーレットをイメージした文字盤デザインが強烈な存在感を主張！

「モネガスク」コレクションのフラッグシップモデルとなる、128本限定生産の自動巻きクロノグラフ。ケースや細部のデザインは丸と四角を融合させた独自のスタイルで人気の高い旧「シンパシー」コレクションを基本的に継承している。赤を効果的に差し色に使った文字盤とベゼル部分のみ、PVDコーティングをほどこしたブラックのチタン製を使用。搭載ムーブメントはもちろん、“ジュネーブシール”を取得した自社製・マイクロローター巻き上げ機構搭載のRD680だ。ふたつめ（インダイヤルが2つ）のクロノグラフ＝クラシックという思い込みを打ち破るロジェ・デュブイならではのモデルといえる。限定ではないシルバー文字盤のクロノグラフやSSケースの中3針モデルなども、これ以外にラインナップされる。

自動巻き、ケース径44mmのピンクゴールドケース、アリゲーターストラップ、359万1000円。今秋発売予定。

Roger Dubuis
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